2012年01月18日

澤穂希世界一

 少々旧聞なるが、澤穂希がFIFAの年間最優秀女子選手に選考された。
 あのワールドカップの活躍を考えれば当然と言えば当然なのだが、とても印象的な表彰式だった。緊張しながらも堂々とした挙措、振り袖を着こなした美しい姿勢、含羞の色を浮かべながらも多くの恩人に感謝の念をまじえたスピーチ。いずれも実に見事、正にスーパースタアの振る舞いだった。

 澤と言う選手は、日頃の発言もプレイも知的そのものだ。
 世界一になる前から、彼女の発言は責任感にあふれると共に、多くの仲間を元気づけるものだった。「苦しい時は私の背中を...」のような発言は、凡人ならば気恥ずかしくて口にできないものだが、彼女の口から出れば、説得性がある。この人は、本当に頭がよいのだ。
 一方でその鮮やかなプレイ。最近でも、元日の日本選手権決勝の前半終盤の先制弾の場面など最高だった。ずっと後方でボールをさばき、中盤を引き締めていた澤が、あの時間帯、ここしかない場面で、時間も空間も完璧な前進で先制点を演出した。何と言う判断力の冴えだろうか。

 ただ、以前から述べているように、日本も澤も世界一にはなったものの、女子サッカーの本質的な課題はまだまだ何も解決していない。なでしこリーグの選手達の収入はよいとはとても言えないし、特に中学生世代の選手達のプレイ環境は非常に貧しいものがある。
 澤をはじめとする現在の女子代表選手に、注目が集まり、彼女達が経済的な恩恵を受ける事は誠に結構な事だ。彼女達は、是非稼げるだけ稼いで欲しい。しかし、せっかくならば、これだけ世間の注目が集まっている事をうまく利用して、少しでも女子サッカーの環境を改善、いや改革していきたいところだ。
 そのために、大変だろうが、やはり澤にはもう一肌、二肌脱いでもらう必要があると思う。これだけのスーパースタアなのだから、サッカー界の外からも、その一挙手一投足に注目が集まる。その澤が、直接的にも間接的にも、環境の改善を進めるべく発言するのは、とても重要だろう。いや、女子サッカーのみならず、サッカー全体、いやスポーツ界全体にとっても、今後の澤はとても大切な存在になるのではないか。

 だからこそ、やはり紅白歌合戦の件は飲み込めずにいる。
 実際問題として、翌日朝10時半キックオフのタイトルマッチを控えた選手たちが、前日19時台の生中継のテレビ番組に出ると言う事そのものが受け入れ難い。
 また、その登場の仕方もあまりに残念だった。自チームのユニフォームを着て登場した澤達を、アナウンサが「なでしこジャパン」と紹介。それら一連が、舞台裏の安っぽさそのものを見せてしまっていた。女子サッカーに多大な投資をしてくれている、レオネッサの親会社さんをあまり悪くは言いたくないのだが。
 
 ただ、このあたりのさじ加減は、実に難しいものなのだ。

 そこでカズ。

 先日の日曜日の夜のスポーツニュースは、カズのFリーグでの活躍?が、あちら、こちらで採り上げられていた。
 私は不勉強だったもので、昼間のBSの生中継を見ながらも、この試合は有料の練習試合だと思い込んでいた。試合途中のアナウンサらの説明で公式戦だと知って呆れた次第。さらには、エスポラーダと横浜FCの経営問題などを勉強するにつけ...いくら何でも、トッププロが競う公式戦に、(類似しているとは言え)異なる競技の選手が登場するのは、いかがなものなのだろうか。
 でも、このような「隙」がカズの魅力にも思える。実際、過去の話だが、拡大トヨタカップのオセアニア代表のゲストプレイヤと言うだけで、十二分に怪しいしな。いやいや、ヴェルディ時代のお父上の...
 実際、カズ格好いいんだよな。試合後にエスポラーダのサポータの方々との握手の映像が流れたけれど、本当に格好いい。幾度もスポーツニュースで流れた、またぎの連続など、それだけ見ていても興奮するし。

 澤穂希が、カズ同様、いつまでもスーパースタアである事を期待するものである。
posted by 武藤文雄 at 02:11| Comment(4) | TrackBack(0) | 女子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
カズも澤も本当にかっこいい。
日本を代表するフットボーラーだし、特に前者はこれまで何度も何度も日本を救ってきました。

武藤さんの仰る通り、このお二方にはいつまでもいつまでもスーパースターでいてほしいと思います。

彼らと同じ時代に生まれたことを誇りに思います。
Posted by ろく at 2012年01月18日 16:49
カズも澤も本当にかっこいいと思います。

武藤さんの仰る通り、いつまでもスーパースターでいてほしい。

そして、僕は彼らと同じ時代に生まれたことを誇りに思っています。
Posted by ろく at 2012年01月18日 17:50
同じくアトランタ五輪に出場した2人。
中田英寿と澤穂希、どうして差がついたのか…慢心、環境の違い
Posted by at 2012年01月18日 20:25
>だからこそ、やはり紅白歌合戦の件は飲み込めずにいる。

先日発表でさんざん酷評されてる日本代表ジャージの次期モデルともども、日本サッカーの見え方見せ方を考えなあきまへんなぁ〜。
Posted by at 2012年01月20日 16:57
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