2012年02月04日

五輪代表中立地シリア戦前夜

 五輪代表の敵地(じゃないな、ヨルダンだな)シリア戦が1週間後に近づいてきた。

 先日の国立でのシリア戦で、ひどい内容ながらとにかく勝った事で、勝ち点的には優位に立つ事ができた。引き分け、食い合いもなく、総当たり戦を半分終えた状態だから、2勝1敗で2位につけているシリアと引き分ける事ができれば、トップ獲得の可能性は濃厚になる。

 とは言え、シリアは難しい相手だ。国立での試合を見た限り、同点弾を食らったストライカ、最終ラインを締めていたCBなど個人能力の高い選手もいるし、チーム全体の敢闘精神も上々だ。シーズンオフ明けの2月と言う時期も厳しい。特に多くの選手が、ようやく昨期にプロフェッショナルとして年間を通して活躍した経験しかないだけに、オフの過ごし方も難しかった事だろう。一部報道によると、中立地とは言え、グラウンドコンディションも悪そうだ。
 ただし、先日のホームゲームであれだけひどい試合内容でも、最終的に戦闘能力差で押し切れた。そして、あれだけ、課題を露呈したのだから、その課題を修正すれば、敵地(おっと中立地戦か)とは言え、そう劣勢にはならないだろう。サッカーの常識から考えれば、引き分け以上の結果を得る可能性は相当高いはずだ。しかも、先方は勝ち点3がノルマだから、時間帯によっては相当無理をしてくるはず。俊足の永井や、タフに戦い続ける事のできる山崎や、上下動をいとわない酒井や比嘉や吉田と言ったサイドバックがいるだけに、敵の前掛りは歓迎するところだろう。サッカーの常識から考えると、日本が引き分け以上の結果を残せる可能性は極めて高いと言える。繰り返すが、課題を修正すればだが。
 ただし、あのひどい試合後の関塚氏の発言を読むと、非常に不安になってくる。氏はあれだけ明らかだった課題を的確に認識していないのではないかと。勝って嬉しいのは理解するが、あれだけ反省が多い試合だったにもかかわらず、さらには反省点が明確な試合だったにもかかわらず、何とも能天気な記者会見の発言に、不安を感じるのだ。
 とにかく、あの試合は(いや、このチームは他の試合でもそうなのだが)、常にせわしなく変化に欠ける攻撃を繰り返したのみならず、無理に攻め急ぐ事で敵の逆襲を再三許していた。全員が献身的に、シリアのよさを引き出した試合と言ってもよかった。
 もちろん、1点差でリードしている終了間際にCBの濱田がCKで得点を狙いに行くなどセオリーに反しシリアへのリスペクトを欠いた事、相変わらず最大の武器の1つである酒井宏樹をうまく使えない事、単調なセットプレイを繰り返した事など、総じて「判断力」に欠けた試合だった。
 よく、上記の問題を解決するために、柴崎なり茨田のような冷静にボールを回し、テンポを落とせる選手を呼ぶべきだと言う意見が多い。けれども、関塚氏は敢えて彼らを呼んでいない事、山口や扇原がセレッソ戦ではあそこまで急ぎ過ぎていない事を考えると、関塚氏が「あのようなせわしないサッカーをやりたがっている」のではないかと、いっそう心配になるのだ。

 もう1つ。
 関塚氏のメンバ選考に疑問を唱える向きも多い。かつての五輪代表を思い起こしても、これだけJで実績を挙げている選手が選ばれていない五輪代表は珍しいからだ。丸橋、高橋峻希、柴崎、茨田、青木、大前、水沼、金崎、工藤、宮吉、小野裕二ら。さらに海外でプレイする宇佐美、宮市、大津ら。もちろん、代表チームのメンバ選考への不満は永遠の酒の肴。私自身、青木と大前は必ず呼ぶべきではないかと言いたくなるし、海外でプレイする大津(あるいは宇佐美)に拘泥するならば他の国内選手に門戸を開くべきではともツッコミたくもなる。
 ただ、この関塚氏の考え方は、プラスに考えるべきだと思う。8年前のアテネ五輪、当時の山本昌邦監督が、常に大量のメンバを選考し、大会直前、いや大会に入ってからも「テストごっこ」を繰り返し、ベストはおろかベターなチームさえ作れず惨敗した事を考えれば、関塚氏のやり方はずっと納得できる。そして、今回のメンバ選考も従来のメンバに加え、J2で秀でた実績を挙げて来た齋藤学、選手層の薄いCBに大岩と高橋祥平を呼んでいるのも妥当な選考だ。清武の不良離脱は痛いし、本来であれば代わりの選手も呼びたかったところだが、上記した2月のオフと言う事を考えると難しかったのだろう。
 そう考えると、この問題は、日本サッカー界の選手層が極めて分厚くなっただけの事のような気もする。そして、これだけ豊富なメンバがいるにもかかわらず、センタバックにタレントが少ないのは、何ともおもしろいものだ(だからと言って先々どうなるかわからないのは言うまでもない、北京五輪世代では一番タレントが不足気味だった前線だが、多くが大化けして今日では代表の中核にまで成長しているのだから)。

 まあ、こうやって、ああでもない、こうでもないと言うから、代表戦は愉しい(いや、別に代表戦に限らず、いつも、ああでもない、こうでもないと講釈を垂れているのだが)。前向きになってテレビ桟敷から必死に応援するべきだな。何のかの言って、関塚氏は、アジア大会以降、ちゃんと勝ち続けているのだから。
posted by 武藤文雄 at 23:57| Comment(1) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご指摘の通り、ご心配された通りの内容、結果になってしましたね。

ここまで酷い試合内容だった代表はいつ以来かなぁ。

まあ、出場権は取れるとは思いますが、
本番はザックさんの力を借りないといけないかも
しれませんね。
Posted by 道 at 2012年02月06日 00:37
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