2012年05月04日

五輪代表男子展望2012

 五輪本大会の組み合わせが発表された。女子の組み合わせが、男子以上にマスコミに騒がれるのだから、結構な時代になったものだ。
 たしかに、女子は現在世界一だし、今年に入ってからの強化試合は、結果も内容も順調。金メダルの可能性も十分ある状況ゆえ、一般マスコミの注目も高いのは当然だろう。それはそれで、近々講釈を垂れたいとは思っている。
 ともあれ、今日は男子の展望と言うか、愚痴と言うか、期待と言うかについて、講釈を垂れたいと思う。

1.五輪への考え方

 そもそも日本は五輪にどう臨むべきなのか。2つの考え方がある。

 1つは「しょせん若年層の大会、ワールドカップ(予選)、アジアカップ(予選)と、それらの準備で日程は手いっぱい、予選だけは確実に勝ち、本大会は成り行きで戦えばよいだろう。」と言う考えだ。少なくとも、4年前の北京、日本協会は(さすがに、そうは明言しなかったが)そのような選択をした。そして、多くの国がオーバエージを使う中、日本はアンダー23だけで戦い、相応に健闘したが全敗した。反町監督は遠藤、大久保をオーバエージとして選考しようとしたが、遠藤は病気、大久保は所属クラブが派遣拒否。日本協会はそれ以上のアクションはしなかった(ようにしか、我々には見えなかった)。大変、腹が立ち、不愉快ではあった。
 それでも、選手達には貴重な経験になった。長友、内田、本田、香川、岡崎、さらに細貝、李、今日のA代表の中核がズラリと並ぶ当時の五輪メンバを見ると、北京五輪はいちがいに失敗とは言えないようにも、思えてきたりもするのだが。

 もう1つは、4年前惨敗直後に、エルゴラッソ川端編集長が述べた考え方だ。再度引用しよう。
僕たちはサッカーが好きで好きでどうしようもないがゆえに忘れてしまいがちだが、多くの日本人にとってサッカーはそこまで重要ではないし、スポーツの中に限っても一番の存在ではない。そんな日本にとって、五輪は勝負すべき大会ではなかったか。ここでの勝利は決して刹那の栄光でなく、「日本サッカーの未来」にも確実に寄与するものではなかっただろうか。
 言い換えれば、全てを尽くし、最高の成績を目指そうと言う考え方だ。日程の破綻や選手の疲弊を避けられると言う条件が成立すれば、、こちらが正論なのは言うまでもないだろう。あくまでも当該条件が成立すれば、の話だが。
 もっとも、南アフリカでの好成績により、日本国内におけるサッカーの存在感は格段に高まった。したがって、「当時の川端氏ほど悲観的に考える必要はない」と言う考え方もあるかもしれないが。

 いったい日本協会は五輪にどのように臨もうとしているのだろうか。 関塚氏が「メダルを狙う」と宣言したとか、協会首脳が「オーバエージを使う」と語ったとか、各種報道が渦巻いているのだが。
 私の意見は後で述べる。

2.現状の五輪代表

 今回の五輪代表の情けなさについては、過去幾度も述べて来た。
 特に残念だったのは、国立シリア戦で、縦に急ぎ過ぎる知性に欠ける試合で苦戦をしたにもかかわらず、修正を何もせずに敵地(厳密には中立地だったが)シリア戦に臨んだ事。再び縦ばかり狙い、知性のかけらも感じさせず、シリアに対するリスペクトを欠いた無様な試合で、終盤突き放されて苦杯を喫した。このシリアとの2試合より前の試合の内容も、確かによくなかった。しかし、しつこく繰り返すが、この2試合は、チーム全軍が知性に欠けたやり方で敵のよさを引き出したと言う、日本サッカー史でも「黒歴史」とも言いたくなる、ひどいものだった。
 さすがに、続く敵地マレーシア戦、国立バーレーン戦では、修正がされ、中盤で落ち着いてボールを回すようになった。残念ながら、それまでの連携積み上げが事実上なかったため、この2試合はゆっくりとボールを回し、後は各選手の個人能力頼り、と言う試合となった。いざ、攻撃に入っても、誰がどこに飛び出すとか、スペースを空けて後方の選手が長駆走り込むとか言った連動的な約束事が全くないのだ。それでも、大迫、扇原、酒井宏樹、原口、齋藤、大津、清武と言った各選手が、圧倒的な個人能力を見せてくれて、無事予選突破できた。
 つまり、現状では、この五輪代表は、まだ全く形にすらなっていない。そして言うまでもなく、アジア予選は「個人能力」で勝ち切れようが、本大会はそう簡単ではなく、「組織力」が必要になるだろう。そう、今後の積み上げが重要なのだ。関塚氏にその積み上げが可能かどうかは別にして。

 また、関塚氏はJで安定して活躍しているタレントの一部を選考せずに、かなり大胆な選手選考を行って来た。しかも、負傷や海外流出がない限り、新たなメンバはあまり選考しないと言う方針を継続しながら。ある程度メンバを固定する考えは、それはそれで妥当と言うものだろう(後から後から新しい選手を呼び続け、結局まとめ切れず情けないサッカーを見せた、8年前のアテネのチームを反面教師にしている可能性もあろう)。
 もっとも、関塚氏が期待した中核メンバが、順調に成長してくれればよかったのだが、残念ながら一部の選手はそうならなかった。五輪代表では常時使われながら、今なおJでも定位置獲得どころか、ベンチ入りさえままならない選手すらいるのだ。一方で、関塚氏が重要視して来なかったが、ここに来て欧州のクラブで定位置を確保したり、Jの上位チームで中心選手として機能している選手も出てきている。
 ただし、このように選手の成長の見極めが難しいのが、若年層代表強化の厄介なところ。私は上記した縦急ぎ過ぎや、反省欠如や、シリアへのリスペクト不足については、関塚氏を厳しく糾弾したい。けれども、選手の成長見誤りについては、責めるのは気の毒だと思っている。若年層とは言え、代表チームなのだ。選手個々の能力を伸ばすのは、あくまでも単独チームであるべき。代表チームは、個別の連携を磨いたり、タフな国際試合での経験を積ませる事しかできないものだ。まして、若いタレントの将来性を判断するのは、とても難しい事だ。繰り返すが、見誤りについては、仕方がないと思う。ただし、明らかに成長していない選手に拘泥してきたのはいかがかとは思うが。

 したがって、確実にメンバ入りしそうな選手を予想するのが、非常に難しくなっている。現実的に、権田、酒井宏樹、鈴木大輔、扇原、清武、大迫あたりまでは、確実に選ばれるような気がするが、他の選手は皆微妙な気がしてくるのだ。
 さらに、オーバエージ選考を考えると、ますます選考メンバが予想できなくなってくる。オーバエージ起用そのものは、冒頭に述べたように「五輪にどう臨むのか」で判断される事だろう。けれども、ロンドンで相応の好成績を残そうと言うならば、しかるべきオーバエージ選手を使う方が、勝つ確率が高まるのは自明の事だ。例えば、今回のチームはセンタバックに人材を欠く感があるので、まずはそこにオーバエージタレントを起用するのは、現実的な判断と言うものだろう。ついでに言えば、この世代は、センタバックを除く他のポジションは(関塚氏が不選考の選手を含め)、いずこにも相当なタレントがいる。したがって、どこをオーバエージで補強するかも、かなり議論が分かれよう。
 しかも、香川がいる。言うまでもなく、香川はロンドン五輪世代。この世界屈指の攻撃創造主は、オーバエージではなく選考可能となる(ワールドカップ予選との二股が現実的かどうかはさておき)。そして、香川が選考対象になった瞬間、このチームの攻撃的MFは超激戦区となる。私が上記の「確実なメンバ予想」に、原口、齋藤、東、大津と言った、予選終盤関塚氏が重宝した選手を入れてないのも、このためだ。香川が加われば、清武以外の選手の地位は安泰ではなくなる。もちろん、ここには、大前、水沼、高木俊のようなJで堂々と活躍しているタレントも豊富だし、宇佐美、宮市、高木善ら海外で活躍する選手も多い。
 いや、他のポジションも結構ややこしい。ボランチに関して言えば、関塚氏は扇原、山口、山村、山本康裕らを固定して使ってきたが、ここにはJで最も実績があると言っても過言ではない青木、負傷から復調しつつある米本、さらには今期好調のエスパルスを支える村松などのタレントが百花繚乱。ここも、確実に選ばれそうなのは扇原くらいに思える。
 まあ、人材豊富なのだから、文句を言ってはいけない。結構な事だと前向きに捉えよう。

3.五輪代表指揮は、どのような人が適切なのか

 関塚氏に散々文句を言い続けている訳だが、では五輪代表の監督は、どのような人材が適切なのだろうか。

 シドニーではフィリップが見事なサッカーを見せてくれた。そして、あの成功の幻影を追う人が多いのは理解できる。しかし、あれは12年前の事。J1のチーム数は少なかったし、地元ワールドカップを控え代表強化最優先で、フィリップに必要な強化時間を潤沢に提供できた時代の事なのだ。あれだけ、たっぷりと強化期間を提供しながらも、フィリップは「時間がない、日本協会は俺のために最善の努力を尽くしてない」と散々文句を語っていたが、あれはあれで愉しかったな。もちろん、本大会ベスト8を合格点とすべきかと言う意見もあるだろうが、アトランタ以降で2次トーナメントまで勝ち残ったのはシドニーだけなのだし、私はあの成績を評価している。また、メンバ選考の疑問(控えとして、宮本、西と多様性の低い選手を選考した事、オーバエージの服部が負傷離脱した代わりにポジションは近いがタイプが全く異なる三浦淳を起用した事など)もあったけれど、このあたりのヘマもいかにもフィリップらしかった。
 アテネでは山本氏の自滅が懐かしい。フィリップに対して提供した時間よりは短かっただろうが、日本協会は山本氏に、多くの強化合宿と、有料国際試合を提供した。しかし、山本氏は、それらのことごとくを「テストごっこ」と「勝負への未執着」で浪費した。「代表チームと言うものが、強化期間を提供されればされるほど、弱くなる」ケースがある事を、日本サッカー界が学ぶよい機会ともなった。このフィリップの成功と、山本氏の失敗は、「監督の手腕の差」をわかりやすく説明する格好の教材とも言えたな。
 北京。監督を務めた反町氏は、山本氏のような協会御用達コーチとは異なり、プロフェッショナルとして経歴を積み上げ来た指導者だった。地方の小クラブアルビレックスをJ1に昇格、定着させた実績はすばらしい。そのため、就任時の期待は大きかった。ところが、選手個々の特長を活かす事より、強引に自分好みの配置に選手を並べる事を重視。貴重な強化試合である敵地韓国戦を2軍相当のメンバで戦ったり、Jで相当実績のある選手を控えとして大学生の起用に拘泥するなど、不適切な強化が目立った。結果、たったの1試合も「お見事!」と言う試合を見せずに、北京でも全敗してしまった(オーバエージ不選考については上記参照)。ただし、これも上記したように(結果論ににも思えるが)最終的に北京で戦った選手の多くが大化けしているのだけは間違いないので、五輪代表としての反町氏の評価は難しいのだが。
 そして、今回のロンドン。関塚氏は実績は反町氏をさらに上回る。フロンターレでACLベスト8に残ったのを筆頭に、幾度もJでも上位に食い込んだ名将だ。しかし、その期待に反して、上記のように、およそ知性に欠けた、情けない試合を継続している。過去の鮮やかな実績と、シリアとの2試合で見せられた間抜けな采配振りの落差は、あまりにも大きい。もっとも、関塚氏自身の出身がJSLの本田技研で、学生時代から関塚氏が師事していたのが、故宮本征勝氏だった事は、あの縦に急ぐサッカーと、とても関連あるようにも思えてくるが。憲剛との邂逅がただの幸運、と言う説を述べる方も案外と多い事と合わせ、まあ、戯れ言として。

 重要な事は、我々は反町氏、関塚氏を超えるカードは、ほとんど持っていないと言う事だ。小林伸二氏の輝かしい実績は、「予算の少ないチームを光らせ続けて来た事」にあり、五輪代表のように「豊富なタレントの取捨選択」とは異なる(でも、私自身は小林氏が率いる、日の丸のチームを1度観てみたいとは思うけれど)。もちろん、アトランタで久々に五輪出場を成し遂げ、本大会でブラジルを破った西野氏ならば、と言う声はあるだろう、「五輪で今度こそ」と言う復讐戦的な意味を含めても、興味深い。もちろん、中国で奮戦中の岡田武史に任せれば、帳尻を合わせてくれる事は間違いないだろう。
 外国人監督の招聘も一手段だが、強化時間がほとんど取れない中で、果たして成果が挙げられるものなのか。と言って、A代表と五輪代表の日程が錯綜する現状では、ザッケローニ氏に(かつてのフィリップのように)両方を見てもらう事も現実的ではない。また、外国人監督が皆優秀とは限らない事は、ジーコが体現してくれたではないか。
 けれども、「岡田氏、西野氏、小林氏でなければ」と語る時点で、日本サッカー界は優秀な監督をほとんど輩出できていない事になってしまう。たとえば、隣国の韓国は各種の代表チームで自国の監督で日本よりましな成績を挙げる事もある。また尹晶煥と言う気鋭の若手監督も出てきている。韓国と比べて、我が国はよい監督が育ちづらい土壌でもあると言うのだろうか。悩ましい問題だ。え?!、てぐ(以下、自粛)。

 そうこう考えると、私はあのシリア戦を見て「関塚氏更迭」を唱えたものだし、不安は無数にあるけれど、もう任せるしかないと思う。予選を突破した以上、今さら西野氏でもあるまい(西野氏自身が、こんなリスクの高いシゴトを引き受けてトクかどうかと言う問題もある)。そして、関塚氏がシリア戦的なやり方を繰り返したら、それまでの事だ。(たとえ中村憲剛と関塚氏の邂逅がまったくの偶然だとしても)、複数年Jで相当な実績を残した関塚氏なのだ。もし、シリアとの2試合のような明らかな失敗があったとしたら、我々のサッカー力がまだまだ低いと言う事なのだろう。

4.では、どうしたらよいのか

 ところが、困った事に、準備の時間はほとんどない。
 貴重な強化の機会と見られているトゥーロン国際大会は、Jリーグとバッティングしており、直後にワールドカップ予選も始まる。トゥーロンにオーバエージの選手、A代表選手を連れて行くのは、相当難しそうだ。だいたい、既に五輪代表の中核選手は、当然ながらJ各クラブでも中核に近い選手達。五輪世代選手の召集でさえ、一悶着ありそうだ。もちろん、五輪本大会もJとバッティングしている。もし、国内でプレイしているオーバエージ選手を連れて行くとなると、当該クラブには相当な迷惑をかける事になる。
 言うまでもなく、海外クラブ所属選手の召集も、ややこしい事になるだろう。一部報道で、FIFAが五輪出場にも、アジアカップなどの大陸大会と同様の強制権を提供するとの話もあるが、実際の運用はどうなる事か。
 そうこう考えると、唯一まともな強化期間は、ワールドカップ予選でJが休みとなる5月末から6月上旬までの期間となるが、A代表選手が参加できないのは言うまでもない。困ったものだ。

 では、どうしたらよいのか。以下、私案である。

 私はリアリズムを徹底して「できる範囲で最善を尽くす」が正解だと思っている。ここで「できる範囲」と書いたのは、ワールドカップ予選への影響と、Jリーグの被害を最小限に止める事を優先せざるを得ないからだ。具体的には、上記述べた五輪本大会、従来の慣例で1クラブからの選抜は3名との不文律があるが、オーバエージ選手を供出したクラブは最大2名とするのが適切ではないか。
 そして、日本協会(具体的には原博実強化担当技術委員長)が、五輪に向けた方針とその背景を、丁寧に外部に対し説明するのが重要である。「我々にとって五輪はとても大事な大会だが、一方でワールドカップはそれ以上に重要、そしてJの安定的開催も五輪と同等に重要である。そして、ブラジルでの上位進出のためにも、ロンドン五輪は『できる範囲で最善を尽くし』メダルを狙いに行く」と。とにかく、こう言う時は、もっともらしい正式声明を出すのが肝要なのだから。

 そして、オーバエージには精神的な大黒柱1人、A代表の準レギュラクラス2人を選ぶ。
 精神的な大黒柱とは、過去圧倒的な実績を挙げている選手、具体的には楢崎、闘莉王、長友、明神、遠藤、憲剛、岡崎、本田と言ったあたりだ。当然、この大黒柱が腕章を巻き、チームの全権も把握する。長友、岡崎、本田を選ぶ場合は、将来のA代表での幹部候補と言う意味もある。そして、ザッケローニ氏がやせ我慢を継続し、闘莉王をA代表に選ばないならば、闘莉王が五輪に回るのが一番現実的だろう。それならば闘莉王を、ワールドカップ予選中に行われるであろう強化合宿に参加させる事も可能になる。闘莉王ならば、名誉(と莫大な成功報酬)のために、きっと積極的に戦ってくれるだろう。
 一方準レギュラクラスは、今期のJで好調な選手、森重、高橋秀人、伊野波、豊田、柏木、山田大記あたり、角田、関口、赤嶺も、検討されていいよね。現実的に、今回のアンダー23はセンタバックに人材を欠く感があるので、闘莉王、伊野波、高橋(あるいは森重、角田)と、後方の選手を3人揃えるのがよいようにも思える。
 また上記私が提示した方針とは矛盾するが、闘莉王と吉田麻也をセンタバックに並べる手段もあるかもしれない。これはこれで、強力な布陣となるし、ブラジルへの強化布石にもつながる。

 上記したように、FIFAが五輪出場の優先権を提供するとすれば、海外クラブ在籍選手の召集は随分と現実的になる。その場合の問題は、オフをどう取らせるかと言う事になる。原氏を中心に日本協会は、各選手の所属クラブと細かく連絡を取り合っていると言うが、どうなるだろうか。
 香川は別格の存在であり、何としてでも召集したい。香川をメンバに加えられれば、日本協会の本気度も明確になる。次に、ドイツで完全に定位置を確保している酒井高徳(こちらもA代表から声かかる可能性があろうが)も左サイドバックとして、是非メンバに加えたい。その他の、指宿、宮市、高木善、大津、そして宇佐美は、国内の他のタレントとの競争と言う事になろう。このあたりは、同世代にライバルも多いのだ。

5.全てはこれから

 過去と比較しても、今の日本のアンダー23世代の選手の個人能力は(ややセンタバックに人材を欠く感があるものの)かなり高い。そして、何より香川がいるのだ。さらに、弱点のセンタバックはオーバエージでカバー可能だ。
 私は、工夫次第では十二分にメダル以上を狙えるとは思っている。金メダルとなると、相当難しかろうが、これも幾多の幸運があれば不可能ではないかもしれない。戦闘能力で日本を明らかに上回りそうなのは、ブラジルとスペインくらいだろう。全英代表がどういう精神状態で臨んでくるかが、大会の趨勢を左右しそうだが、多くのケースでこのような政治問題を抱えたチームはうまく行かないものだ(もちろん、全英代表がよいチームであれば、これはサッカーの将来を変え得る新しい息吹となろうが)。そして、ウルグアイ、メキシコ、スイスあたりは相当強いだろうが、過去の世界大会を思い起こせば、十分に抵抗できる程度の差しかないはずだ。北京大会でも、オランダは大して強くはなかったではないか。そして、スペインと同グループと言う事は、決勝までスペインとは戦わなくてよいと言う事だ。
 もちろん、少なくとも現状のチームのままでは、最終ラインは弱々しいし、攻撃の共通理解も、まだまだの状態だ。相応の積み上げがなければ、1次リーグ敗退の可能性も多いだろう。そして、残念な事に、準備期間は限られている。これらもまた事実だ。

 全てはこれからなのだ。そして、メンバ編成はさておき、「できる範囲で最善を尽くす」事と、「方針と背景の説明」が、何よりも肝要だ。少なくとも、北京ではその説明が曖昧で、何かフワフワした雰囲気で大会に臨んでしまったのだから。
 限られた時間でも、やれる事はたくさんあり、それらをやれば、十分によい結果も可能だろう。
 改めて、原博実氏に期待するものである。
posted by 武藤文雄 at 23:21| Comment(8) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
てぐ氏が代表率いてる画は想像できません ふふ
Posted by at 2012年05月05日 07:30
五輪にどういう姿勢で臨むか?の説明こそが
日本社会が一番苦手とする…というか誤魔化そうとする
ポイントのような気もして…。
だからこそ自分も原さんに期待します。

あと女子代表の講釈も心待ちにしています。
Posted by at 2012年05月05日 13:47
グループリーグをスペインに次ぐ2位突破すると、決勝トーナメント初戦で当たるのはブラジルが濃厚なので、くじ運の無さを感じますね。
世界のトップ2カ国と対戦する機会があることは、プラスだと思うけれど・・・。

私も「出来る範囲内で最善を尽くす」という考え方に賛成だけれど、ヒロミと関塚監督が予選突破をするまでにオーバーエイジの活用に関して、意見のすり合わせをしていなかったこと、その為にJリーグの日程調整やJクラブに根回しを行っていなかった為に、ベストメンバーは招集できない事は大きな問題だと思うんですよね。

私は、ヒロミの調整力、交渉力を評価していないのだけれど、JOCに100名の予備登録選手の登録とメディカルチェックを申請し、断られた為に大幅に人数を減らして、再登録をするという事があったけれど、他国の状況を見ていると、JFAが費用や事務的手続きを代行する事は出来なかったんだろうか?と、疑問は残りますね。

明確なビジョンや哲学があり、それに則って、チーム作りをし、大会に挑むのならば、考えは違っても尊重するつもりです。

しかし監督やJFAの言動を見ていると、そのようなビジョンや哲学は考えられず、場当たり的なチーム作りをし、大会に挑もうとしているように見えるので、その点が不満ですね。
Posted by デュース at 2012年05月05日 17:53
「個の力」という言葉を回避する武藤氏
「決勝トーナメント」という言葉を回避する武藤氏

この二つは一致するのか否か?
Posted by 小林伸二さんは牧内の生霊に祟られて今ボロボロみたい・・・ at 2012年05月05日 23:47
名前が長めの人は、結構ギリギリだと思う。
Posted by ロベウト・バッソ at 2012年05月06日 00:56
>それでも、選手達には貴重な経験になった。長友、内田、本田、香川、岡崎、さらに細貝、李、今日のA代表の中核がズラリと並ぶ当時の五輪メンバを見ると、北京五輪はいちがいに失敗とは言えないようにも、思えてきたりもするのだが。

というのは、アテネの失敗。ならびにA代表がジーコだったことも大きな要因だと思います。

茂庭照幸
那須大亮
菊地直哉
徳永悠平
三田光
青木剛
角田誠
近藤直也
池田昇平

良い指導者に恵まれれていれば、この中から2,3人はA代表の常連になれていたと悔やまれます。
そして現在の、今野、吉田、栗原あたりに固執しなくてすんだと思うのですけどね。
Posted by ネラ at 2012年05月08日 07:50
いつも楽しく拝見しています。

本日はちょっとお願い。

今回も関塚氏に関して触れられていますし、印象的だったのがジーコのころのコラム。
そう、監督論をお願いしたいのです。

実際に試合を行うのは選手でありながら、監督が変るだけでチームはがらりと変わります。
今期はガンバが目も当てられない状況。川崎は監督が変る事で何やら上昇機運。
如何に監督が大切かと思わされたりしますが、そうなるとバルサやレアルが監督を変えても強いのはフロントに監督を選考する目がある、あるいは伝統的な基準があるのかと思ったりします。

監督とはチームにとっていかなる物なのでしょうか?。
良い監督像とは?。
求められる資質とは?。
技量、資質の判断のポイントは?。

実はアップルほどの大会社でさえトップによってがらりと変わるということで、実社会に共通する課題なのかと思います。
そう考えると遠大なテーマ化と思うのですが、せめてサッカーの監督とは、ということで是非とも講釈をお願いしたいと。

期待しております。
Posted by ぱぱくま at 2012年05月09日 19:43
現会長なのか、次期会長なのか、またまた秋冬制の提案ですよ・・・と。
Posted by at 2012年05月09日 19:46
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