ドイツは頑健で、みな技術も優れているが、アジリティでは日本が優れる。さらに後述するが、攻撃のアイデア、守備の組織、それぞれについて、日本は大会に入り格段の進歩を遂げているから。
もちろん、戦闘能力的にも遜色はないが、コンディション面でも日本は相当有利だ。まだまだ続く東アジア独特の高温多湿な残暑。この気候に不慣れな国の選手達には、週2試合は相当きついはずだ 。さらに、開催国特権とでも言おうか、1次リーグを1位抜けできた事もあり、日本の試合はすべてナイトゲームで、試合間隔も空いている。実際、ドイツは準々決勝のノルウェー戦をまだ日が残っている時間帯に戦い、しかも試合間隔も短い。
有利な条件を活かしてうまく勝つのも、「強い」チームの条件となる。堂々とした勝利を期待したい。
さて、韓国戦。世界大会のかなり上の方で、日本が韓国と戦うのが、当たり前になりつつあると言う事なのだろう。何のかの言って、大変結構な事である。
前半の日本の攻撃は鮮やか。1点目は、田中ヨーコのクサビを受けた西川のスルーパス、これはよい連係だった。そして、それを敵CBが自分のプレイイングディスタンスにもかかわ らず空振り、脱け出した柴田は、あわてて飛び出したGKの鼻先で冷静にシュートを決めた。
すぐに同点とされるも、圧迫をかけ、複数本の惜しいシュートを放った時間帯。縦突破に猛威を振るう田中ミナが敵DFの前をよぎる低いクロス(敵の逆を突くよい判断だった)、柴田が狙い済ましたシュートを決める。
その後危ない場面もあったが、チーム一丸となって防ぎ、3点目を決める。これは田中ミナがタッチ沿いに開き、後方から高木が内側にオーバラップすると言う高級な連係。ゴールエリアまで切れ込んだ高木のマイナスのクロスに、西川がつぶれ、後方で我慢していた田中ヨーコが冷静に詰めた。
後半は2点差のビハインドを追う韓国が攻め込もうとするが、日本は全員が引 いて冷静な守備。ほとんど危ない場面を作らせずに、時計を進め、そのまま3対1で押し切った。
このような守備的でいやらしいサッカーもできる事に素直に感心した。選手の戦術遂行能力は、相当高い。
また、1次リーグでは、各自が個人能力を前面に押し出す強引な攻撃が目立っていた。しかし、この日はアイデアあふれ、しかも敵守備網を切り裂くような連係を見せてくれた。
このあたりは、試合を重ねる事で、若い選手達に着実に経験値が積まれていると言う事だろう。
もちろん、課題もあるさ。
失点直前の田中ヨーコは、見事な切り返しで敵を抜き去り、そのまま前進、あ韓国DF 3人を引きつける事に成功した。ここで味方に展開できれば最高だったのだが、強引な突破を狙い、ボールを奪われてしまう。結果、田中ヨーコからのパスを受けようとして前進していた選手達は、皆逆をとられ、韓国の逆襲速攻を許してしまった。いわゆる最悪の取られ方である。
それでも、日本の守備陣は、丁寧にウェイティング、敵FWを右サイドまで追い込んだ。ところが、右サイドバックの高木は、あわててボールを奪いに行き、縦に半身抜かれて好クロスを上げられてしまい、あえなく失点。もちろん、ボールウォッチャになってしまった中央にも問題はあったが、サイドをあそこまで簡単にえぐられてはいかん。しかも、戻ってくる選手で、人数は揃いつつあったのだから。
後半、韓国の前掛かりを冷静にいなしていた時間帯、前方に出てくる敵の裏を突き、逆襲(そして追加点も)を狙いたいところ。ところが、田中ミナが常に、持ち味でもある強引にオープンから敵陣に向かう内寄りのドリブルを狙ってしまい、逆にボールを奪われる事例が多かった。
田中ヨーコも、高木も、田中ミナも、「若さがゆえの甘さ」露呈したと言う事だろう。
構わないと思う。
彼女達の目標は、ワールドカップの2連覇であり、リオでの金メダルだ。そのために、今欠点がある事は、何も問題はない。
たまたま3人を採り上げたが、この3人は「得点」と言うわかりやすい実績も残してくれているし。
そう言った欠点も残しつつ、あまりある長所を持つこの魅力的なチームもあと2試合。
どんな試合を見せてくれるか、たっぷりと愉しみたい。
藤田が酒井さん 猶本が宮本さん
じゃあ 柴田が小林さんかというと ちょっと違うな
日本サッカーは進歩してるな 明日が楽しみだ
田中陽子選手が敵のマークを外す動きをしていたのが凄かったです。
あーゆー動きって、あの年代の女子ができるもんなんでしょうか?
彼女はサッカーセンスも素晴らしいものを持っているようですね。
あと柴田選手は日本代表10番を連想させますね。
ドイツは強い。
けど、勝って欲しい。