2012年09月25日

ベガルタ、これでいいのだ

 ベガルタは、ユアテックでヴィッセルに苦しみながら勝利。前節の苦杯は残念だったが、ここ4試合で3勝1敗なのだから、上々の結果だ。そして、結果以上に重要なのは、試合内容が非常によい事だ。以前も述べたが、リーグ戦は、まだ8試合も残っている。今は結果ばかりを求める段階ではない。よい内容の試合を行い、チーム全体のレベルを上げる時期なのだ。そして、我がベガルタは、正にその通りの戦いを行っている。大変結構な状況である。
 この日は、開始早々から、連動性のあるプレスで敵を押し込み、幾度も好機をつかんだ。ところが、CKで、角田がマークの田代に一瞬出し抜かれ、見事なヘディングを決められてしまった。しかし、慌てる事なく、次々と攻めを繰り出し、前半のうちに同点にする事に成功。角田の展開から梁が狙い澄ましたセンタリング、赤嶺巧みな位置取りからヘディングを決めたよい得点だった。後半は、ヴィッセルの逆襲速攻に脅かされながらも、 しつこく攻め続け、幾度も決定機をつかむ。そして、あのアディショナルタイム。

 内容面で何がよいかと言うと、全軍における意識統一が格段な事だ。
 組織的守備については、昨期から定評のあるところ。夏場は運動量の欠如や、レギュラの負傷離脱などで、甘さも目立ったが、ここに来てしっかりと修正されてきた。実際、ここ4試合の5失点を思い起こすと、上記の田代弾は角田の対応負け(しかし、野沢と田代だけに、たまにやられるのは仕方ないと言う見方もあろう)、サンフレッチェ戦の1点目は「滅多にない不運」、そして残りの3失点は敵に「お見事でした!」と言う攻撃をされてのものだった。もちろん、ヴィッセル戦の、(オフサイドに救われたが)都倉にやられたような場面を今後起こさないように、几帳面な修正をより徹底する必要はある。 しかし、現状の組織守備を続けていれば、そう失点はしないはずだ。
 そして、すばらしいのは、よく意識統一された攻撃だ。J2時代から得意の湧き出る速攻(ラインを上げてのショートカウンタは特に今期充実しているが)、敵に守備を固められた時の冷静な遅攻、それぞれの選択において、全員の意識がほとんど合っている。だから、先制されたり、守備を固められたりしても、得点を重ねる事ができている。このような丁寧な攻撃を、執拗に繰り返せばよいのだ。
 あのアディショナルタイムの鎌田の冗談みたいなオーバヘッドキックだが、何か当方の手変え品変えの攻撃により、最後ヴィッセルの守備陣が決壊したように見えた。
 失点も得点も水もので、よい守備をしていても失点する事はあるし、よい攻撃をしていても得点できない事もある。しかし、サッカーは確率だ。今のベガルタのように適切な内容のサッカーをしていれば、勝ち点は自然についてくるはずだ。

 何ら楽観的な事を語る気はない。
 サンフレッチェの決勝点。アディショナルタイム、グランパスのミスを突いた速攻、石原が突破が無理だと判断してキープした時に、「後方からあれだけの長駆を行う」とした森脇の判断力と意志の強さは脅威だ。いや、レッズもジュビロもサガンもグランパスもレイソルも、このまま引き下がりはしないだろう。
 しかし、繰り返すが、サッカーは確率だ。今のサッカーを続ければ、最終節終了時点で、ベガルタが一番多い勝ち点を獲得できる可能性は低くないはずだ。これでいいのだ。
posted by 武藤文雄 at 23:23| Comment(5) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
とても安心できる講釈をありがとうございます。
優勝したいですね。こんなに早くチャンスが訪れるとは!
Posted by たろうの尻尾 at 2012年09月26日 03:05
>アジアではそれをダイナミックに個で超えてくるプレーがあるので。


布氏、田嶋氏を批判した手前、ここは「個人で〜」の方がいいのでは?
Posted by at 2012年09月26日 20:29
仙台広島戦の広島の二得点と名古屋広島戦の決勝点はあまりに良いところに偶然球が飛んでいるものと考えます。運の総量は誰もそう変わらないのだとギャンブルの世界で言われますがサッカーという球入れ競技においても同様であるらなばこれからは広島には逆の跳ね返りに翻弄されることも確率的に充分あるのではと都合よく理解しております。
Posted by カヤージ at 2012年09月26日 21:08
ギャンブルにたとえるなら、確かに今年はツモも牌杯も面子にも恵まれてる。
でも、最後を分けるのは勝負度胸,堅実さ(相反するけど),気合いなんかではないかなと。僕らか請け負えるのは気合いの部分(彼らのモチベーションを維持し高める)だけでしょう。
声出してなお上手くいかないなら、足りてないだけの話、もっと出しましょ。枯れたって後悔しない。

頑張りましよう!
Posted by at 2012年09月26日 21:39
カヤージさんへ

いえいえ、サンフはこれまで不運につぐ不運の連続で、不運のドンキホーテといえるほど、不運の大安売り中でした。
しか〜し、ここにきてようやくサッカーの神様が、帳尻を合わせてくれようとしているところなのですよ。
Posted by 笑うくまいぬ at 2012年09月27日 17:01
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