本書は、その河治氏の初めての著作との事。欧州選手権決勝のスペイン対イタリア戦を、キックオフから試合終了まで、新書本1冊を使って丹念に記録している。そして、題名通り、勝敗の分岐点となった場面を「勝負のスイッチ」と名付けた上で14個抽出し、その際にボールを保持していた選手が何を選択したか(3択を常に提示した上で)を読者に問うている。そして、その選択は成功だったか失敗だったか、を執拗に追っている。
以前から、時々述べた事があるが、90分の(あるいは120分の)サッカーの試合を、いかに記録するかは、私を含めた多くのサッカー狂の課題。そして、河治氏は、本書でそれの新しい方法に挑戦した訳だ。
氏はその挑戦に成功したと思う。スペインの序盤の圧倒的攻勢、シャビとイニエスタの知性と妙技。先制された後のイタリアの反攻、ピルロに支えられたデ・ロッシの上下動。それを凌いだスペインの決定打、ジョルディ・アルバの鮮やかな前進。後半立ち上がりに見せたイタリアのさらなる抵抗、ディ・ナターレとバロテッリの古典的イタリア風強力2トップ。そして、すべてを台無しにするチアゴ・モッタの負傷。これらの名場面を、活き活きと思い起こす事ができた。
1試合を執拗に記述した本は、過去も数冊あった。本書は、そこに「勝負のスイッチ」を導入した事で、節目節目を新鮮に思い起こさせる事に成功している。
氏の手によるスペインの名手たちの選択を読み続ける事で、昨今世界を席巻しているスペイン代表、あるいはバルセロナのサッカーを、改めて整理できた想いがある。
このサッカーを「ポゼッション」と呼んではいけないのだと。
イニエスタが、シャビ・アロンソが、ジョルディ・アルバが、それぞれ選ぶ「勝負のスイッチ」を反芻すると、それが「いかに危険な」選択だったかが、改めてわかるのだ。彼らは、平気で狭いスペースにパスを出す、あのイタリア守備陣が待ち構える狭いスペースに。彼らのそのリスクあふれる選択は、自らの技術と判断力への絶大なる自信と、そのパスを受けるシャビやシルバの技術と判断力を信頼し切っているからこそ、選択できるものだ。これは「ポゼッション」ではない。
「何を今さら当たり前の事を」とおっしゃる方が多かろうが、改めて本書を読み、それを認識した次第。
本書で唯一残念だったのは、この試合を題材に選択した事そのもの。
確かに、この試合そのものは大差がついたものの、内容面でも決して一方的なものではなかった。そして、本書でそれらの記憶を呼び起こされるのもまた愉しかった。
けれども、何をどうとりつくろっても、この試合の勝負を分けたのは、体調不十分のイタリアに負傷者が2人出て、赤紙が出た訳でもないのに10人で戦わなければならなくなった事による。つまり、いくら丁寧に分析しても、「勝負のスイッチ」は運不運によるものだったのだ。
たとえば、2年前のワールドカップ決勝、スペイン対オランダによる「120分間の腹痛劇」を、この本のように採り上げていれば、格段におもしろかっただろう。欧州選手権ならば、準決勝で「弱者が強者をなぶった」イタリア対ドイツなど、よかったのではないか。もちろん、欧州チャンピオンズリーグのカンプ・ノウのバルセロナ対チェルシーで、何故「あり得ない奇跡」が起こったのかを題材にするのも一興だったと思う。いや、昨年のアジアカップ決勝、あるいは先日のブリスベンの豪州戦ならば、我らの英雄の「勝負のスイッチ」を堪能できる。こう言った均衡した試合を、この手法で採り上げて欲しかったと思うのは、私だけだろうか。
氏の次回作に期待するものである。
>>249>>250>>255
アウグス党首こと、大島和人たんは
大勢と反対のことを言って自分の賢明を誇示する人。
昔っからそうですよ。
272 :名無し for all, all for 名無し:2012/10/27(土) 00:11:26.13 ID:vhYN7APZ
>>271
分かって無いことに首突っ込んで欲しく無いな。
ブログの試合評も選手名とスコアの羅列。
あれじゃ色々無理だろ。
少なくともラグビーに関しては論外以下
446 :名無し for all, all for 名無し:2012/10/25(木) 12:25:15.18 ID:NwilqPhX
http://www.independent.ie/sport/rugby/japanese-rugby-stuck-in-a-time-warp-blasts-coach-3271164.html
エディーが大学ラグビーをぼろ糞に言ってるわ。
1950年代の代物で、ラグビーですらないって言われてるよ。
以前、ジュニアジャパンの合宿に大学生を呼んだら、余りの細さに
「お前らは15歳の高校生か!」と怒ったこともあったな。