どんなゲームでも、日本が韓国にやられるのは悔しくて仕方がない。しかし、一方でやられるにはやられるだけの理由があり、その理由が何年も慣れ親しんだ隣国の老雄にあるとなると、何とも言えない快感を含んだ悔しさになるから面白い。
もちろん、申台龍の先制のフリーキックは見事だった。しかし、それ以上に私が膝を打った場面があった。まだ0−1だった後半立ち上がり。ジュビロが右サイドを崩し河村が好クロス、逆サイドに流れたボールを服部が再度好クロス、一和CBがはじき返したボールがペナルティアーク上にフラフラと上がる。ジュビロの右左への揺さぶりは強烈で、あと一歩で完全に崩れそうな状況だった。その浮いたボールに最も近かったのは名波。ただし、服部のクロスへの対応で一歩前に出過ぎており、体勢がやや悪く、ボールへのアプローチが遅れる。それでも、名波がキープできそうな状況だった。ところが、そこで名波に身体を寄せてきたのが申台龍。見事なショルダチャージ後、僅かな隙を見逃さず身体を入れ巧みにキープし味方FWにつなぐ事で、この決定的ピンチを防いだ。
この場面、両チームのMFの大エース(共に背番号7)が、決定機でぶつかり合った訳だ。そして、悔しい事に、名波(体調がベストではなかったようだが)は、申に完敗した。この場面を観た時に「今日は負けたな」と確信を持った。
その後、金大儀に国立のバック側左サイドから崩されると言う、悪夢としか思えない記憶を呼び戻され、ジュビロは完敗してしまう。でも、私は金大儀の一発以上に、あの後半立ち上がりの申台龍のキープで勝負ありと思ったわけ。申は長年、韓国のトップに君臨してきたタレント。冒頭でも述べたが、古くから知っている隣国のタレントの、老獪なプレイにやられるのは、何かしら嬉しい気持ちを含んだ、煮えくりかえるような悔しさである。
余談ながら、李城芸には驚いた。全く、ノーマーク、無名の守備的MFだが、藤田が完敗。あそこをどうしても敗れなかった。やはり、恐るべし韓国である。アントラーズが、格の違いを見せ付けて、大連を下しただけに、いっそう韓国の恐ろしさを味わう事ができた。まずは、土曜のアントラーズ−一和が愉しみだ。
2003年02月16日
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバック








