2004年04月14日

抜け出しかけたジュビロ

 水曜日にJリーグ開催。当然ながらいずれの会場も客の入りは今一歩のようだ。超過密日程の今年だけに仕方がないのかもしれない。しかし、このような無理を各チームに強いる事で、A代表なり五輪代表なりの強化期間を作り出しているのだから、日本協会はよほど襟を正した姿勢を見せる必要があるのだが。



 ともあれ、ジュビロが連勝を重ね、他チームが引き分けを重ねた。その結果、ジュビロが2位のジェフに勝ち点5差をつけ、やや抜け出しかけた感がある。事実、ジュビロのサッカーは素晴らしい。田中誠を軸にした強力な守備、福西と服部の献身、名波の緩、藤田の急の絶妙な組み合わせ、グラウの得点力、そして中山。さらに豊富な控え選手たち。この日レイソルにアウェイで快勝した試合も実に見事な試合振りだった。ここ数年で鍛え抜かれた感がある見事なパスワークを軸にしたサッカーにますます磨きがかかった感もある。しかしながら、抜群の実績があるジュビロが抜け出してしまっては面白くないのだが。

 では、ジュビロは磐石なのだろうか。メンバ構成を見るとそうは思えないのだ。理由は簡単で、チームの老齢化が気になるのだ。昨シーズン安定した強さを誇りながらも、前後期とも肝心なところでマリノスに出し抜かれたジュビロ。中山の負傷による長期離脱と、藤田のオランダ行きが、大きな痛手になったと見る。

 しかし、柳下氏は、辛抱を重ねながら、若い前田と成岡を一本立ちさせ、一昨シーズンまでははっきりした活躍ができなかったグラウをトップストライカに仕立てるなどで、チーム力を上げ遂には天皇杯を制覇した。見事な若返りの成功とも言える。つまり、この強豪は順調に若返りが進んでいたところだった。

 ところが今のジュビロは、負傷癒えた中山と、帰国した藤田が、完全にレギュラに復活し、前田と成岡は押し出された格好になってしまった(もっとも彼らがレギュラを失ったのは、五輪代表に召集されたため、チーム練習が少ない事、体調を崩してしまった事が大きいようだが)。確かに中山も藤田も見事なプレイ振りだ。しかし、この2人の年齢を考慮すると、この復活劇はジュビロにとって決して単純には喜べない事態である事がおわかりいただけるだろう。

 このまま中山を最前線に固定したチームで(短期決戦とは言え)前期のリーグ戦を制する事ができるだろうか。過度にベテランに依存するチームが、このまま勝ちきってしまうのか。2位以下がすっかり混戦になっている現況だが、他チームの奮起を期待したい。
posted by 武藤文雄 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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