メンバ発表するジーコ氏と共に記者会見に臨んだ平田氏と田嶋氏に伺いたい。本当にこれでよろしいのですか。
平田さん、今回の東欧遠征をはじめとする強豪との交流は、貴兄を筆頭とする日本協会の事務部門の素晴らしい仕事の成果だと思います。せっかくの貴兄たちのアレンジが、このような準備のチームに消化されてよいのですか。
田嶋さん、ここ十年来の日本サッカーの世界での好成績は、貴兄を筆頭とする日本協会の技術部門の素晴らしい仕事の成果だと思います。せっかくの積み上げられたノウハウが、肝心のA代表チームで全く活かされていない現状を耐えられるのですか。
先日来再三疑問を呈している事をまた述べるのは何ともむなしい。しかし、いくらシツコイと言われようが、不思議でならないのだ。本当にA代表周辺の方々はこれでいいと思っているのだろうか。
ただ、思い当たる要因がなくもない。大東亜戦争における日本軍の失敗を思い起こすのだ。特にあの戦争で最も悲惨な作戦と言われるインパール作戦においては、机上検討でも作戦の失敗は自明だったにも関わらず、陸軍内の人間関係による遠慮や、撤退を進言する事で勇気がないと非難される事への懸念のために、作戦が強行され、幾多の方々が生命を落としたと言う(戦争史分析の名著と言われる失敗の本質を参照しました)。
「たかがサッカーに戦争と言う非常事態を喩えにするのはいかがか」と思われる方がいるかもしれないが、最近のA代表チーム周辺を見ると、どうにもこのような思いを持たずにはいられない。
かくも優秀な平田氏にも田嶋氏にも、日本サッカーのために真の勇気を発揮していただけないものだろうか。
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)
戸部 良一 寺本 義也 鎌田 伸一