エリート合宿など、様々な新しい試みが行われる、日本協会の若年層強化。今度は、ストライカ育成特別合宿が行われたと言う。各種報道が気にはなっていたのだが、愛読書サッカーマガジンで、丁寧な報道がなされていた。
この合宿を行う必然性の説明に関しては、若年層の大会で最近優秀な成績を収めたスイスでこの手の合宿が行われているとか、単独チームでは「他にやる事があるから」(ストライカ育成に手が回らない?)とか、論理的に私には理解できない説明がなされている。ともあれ、色々な試みを行ってみるのは、悪い事ではないと思う。問題は費用対効果なのだが、この手の試行は、費用対効果の計測(定量化)が難しいと言う問題があるのが悩み。
ちなみに、宿敵韓国は、コンスタントに強力なストライカを育成しているが、どのような強化をしているのだろうか。スイスから学ぶのもよいが、黄善洪、崔龍洙などを育成したコーチから学ぶのも有益な手段だと思うのだが。
さて、このようなスペシャリティを育成しようとする計画ならば、論理的に準備された教育プログラムの他に、「偉大な先達」の経験談の学習があってよいと思う。このストライカ合宿のコーチ陣。現役時代「ストライカ」と言えるタレントだったのは、吉田弘氏と永島氏。ストライカと言うタイプではないが名FWだったのが高橋真一郎氏。3人がそれぞれ、若き俊英たちにどのような指導を行ったのだろうか。特に、吉田弘、高橋真一郎の2人は、80年代の日本サッカー界を鮮やかに彩ってくれた選手だっただけに、若い選手たちに適切な実技指導をしてくれたのではないかと、期待は大きい。ついでに言うと、どうせならば、「経験」レベルの教育ならば、釜本、原、カズと言った歴代屈指のストライカを、指導陣に加えたらどうだろうか。
余談(自慢話):
この「ストライカ育成合宿」の指導陣の中核を担っているのは、鈴木淳氏。実は、彼に対しては苦い思い出がある。26年前の高校時代、高校選手権県予選。私が所属するチームは、淳がいるチームと対戦。終了間際、淳のドリブル突破から3、4人まとめて抜かれ決勝ゴールを決められ敗れた。あの試合引き分けていれば、県のベスト4に残れて、TVに出る事ができた。今なお人生の痛恨事であり、私がもっともTVに近づいた一瞬でもあった。
2003年11月06日
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