予選の前夜は、期待と不安の入り混じった何とも言えない愉しみな気持ちになる。シンガポール戦前夜にも述べたが、思うに任せぬイライラ感を愉しむのが、ワールドカップ予選なのだ。そう考えると、これだけ優秀な選手を抱えているだけに、現状の監督選考が適切なのかと言う事になるのだが(苦笑)。もう、やめよう。明日の試合の応援に専念する事にしよう。
どうやら川口が久々の登場らしい。以前より述べているが、私は若き日の川口が大好きだった。様々な不運が錯綜しているが、何とか復活して欲しい。明日がそのよい機会になるとよいのだが。もっとも、圧倒的攻勢に立つであろう明日の試合では、ほとんど川口を評価する機会はないように思えるが。
期待したいのは、小野、中村のコンビネーションだ。私が2人の連動を最初に愉しんだのは、トルシェ氏就任直後の五輪チームのアルゼンチン戦。完璧な技巧派同士の連動は見ていて愉しい。その後、2人は交互に負傷するなどして、なかなか同じフィールドに立ってくれなかった。ただ、シドニー五輪直後、アジアカップ直前に行われたパリ・サンジェルマン戦で、復調した小野が短い時間に起用され、中村と2人で見せたショートパスのコンビネーションは、言葉にしようがない美しさだった。ジーコ氏が就任し、2人が並ぶ機会は増えたが、周囲の協力も監督の工夫もなく2人の距離は開いたままで、私が期待する連動は見ることができなかった。明日は、厳しいタイトルマッチでその美を愉しめるではないかと期待は高まる。この2人の連動から、何回久保が輝く好機が生まれるだろうか。
だからこそ、稲本に代わって起用される福西の献身ぶりも期待したい。今後、代表チームのフルレギュラとして継続して活躍できるかどうか、福西にとっては生涯で最も重要な試合となるのではなかろうか。
と、様々な期待が錯綜する明日。思えば私はインド代表をたった1回だけ、生観戦した事がある。18年前にマレーシアでメルデカ大会を観戦した時だ。日本とは違うグループだったが、インドは韓国の軍隊チーム(今で言う尚武だと思う)と対戦。頑健な選手を揃えた韓国に対し、インドは技巧で対抗、点の取り合いを5−4で制した。この大会インドはピアポン率いるタイを破るなど充実していたのだ。フィジカルは強いとは言えないが、局地戦での技巧は見事なチームだった。
明日埼玉スタジアムに登場するチームも、おそらく小柄ながら技巧に優れた選手が多数いるのではないか。日本がそれ以上の技巧で、この南アジアの雄を圧倒する事を期待したい。