それにしても埼玉スタジアムは遠い。ようやく帰宅したが行き来だけで疲れてしまった。まあ、それに対する愚痴は自らの居住地の問題なので、ここまで。
まあ、7点取って完勝したのだから、文句を言ってはバチが当たるだろう。とは言え、いくつか雑感を。
1.久保の存在
久保は1点目の難しいシュートを決め、驚異的な打点の高さのアシストで2点目を導いた。3点目の中村の直接FKも久保への反則から。我々はカズ以降久しぶりに、確固たるストライカを入手したのだ。単身突破が可能な肉体能力を考え合わせれば、往時のカズ以上の期待もできるかもしれない。トルシェ氏の課題は「いかにして点を取るか」だった。一方、ジーコ氏の課題は「いかにして久保に点を取らせるか」なのだ。
2.中村の魔術師度
まだまだ不満がある。なるほど、この日は直接FKを決めた得点の他にも、4点に絡んだ。2点目の久保の空中戦の頂点に合わせたパス、4点目の玉田に通したロングパスなど、全盛期を髣髴させるものだった。しかし、まだドリブルの切れには不満があるし、ロングパスを仕掛ける際に敵のプレッシャが厳しい時も大丈夫かとの疑問もある。一層の精進を期待したい。
3.埼玉スタジアムの鈴木
3−0とリードしたのだから、久保の交替は妥当、そして替わりに出るのが鈴木なのも異論は少なかろう。鈴木はいつものように実にタフなプレイを見せ、(何とも言いようの無い)得点を上げた。おそらく、鈴木は玉田に、食事をご馳走する事になろうが。この男は、よほどこのスタジアムと相性がよいのだろうか。ああ、あれからもう2年経った訳だ。
4.玉田の持ち込みと度胸
上記の鈴木の得点。玉田は、中村の50mクラスのロングパスを右オープンで受けた後、見事なトラップで中に抜け出し(玉田の素晴らしさはトラップからシュートへの流れが円滑な事だ)、敵DFをさんざんいなしてから見事なシュート。いやお見事。ただ、ボールの軌道の変化がどうも妙だなと思っていたら、上記の「埼スタ鈴木」とは。
5.小野の君臨
直接得点の起点となったのは6点目の小笠原への加地のラストパスを導くボールだけだったが、小野がこの日も全軍を率いたのは歴然たる事実。宮本交替後は腕章も巻いたし。勘違いしないで欲しいが、私は日本代表の主将の最適任者は中田だと確信している。しかし、小野の腕章姿も悪くないと言っているだけである。
6.福西への愚痴
なるほど2点目は、飛び込むタイミング、シュートの冷静さ、いずれも見事だったと思う。しかし、私が最も期待した「小野への献身」と言う意味では不満が残った。中盤でスローテンポでつないでいる時に、妙にスピードの変化をつけようとしたのも気になった。そのような「変化」は小野と中村(と小笠原、そして中田)に任せればよいのだ。丁寧にボールをさばき、敵の攻撃を身体を呈して止めると言う役割を、明確に見せて欲しいのだが。
7.中村腕章事件
小野が交替した時、近くにいた福西は、小野から腕章を受け取る。福西は、中村にその腕章を着けさせようとするが、中村は露骨に嫌がる。照れていたのだろうか。それでも、福西は厳しく語ったのだろう、「腕章を巻くのはお前の仕事だ」とか。福西の判断は正しい。ようやく、中村が腕章を巻く。そのようなモタモタを終えて、中村が顔を上げる。すると、小野と交替で入ったのは藤田だった。中村は嬉しそうに、腕章を外し藤田に渡す。
何はともあれ、中村が日本代表の主将を務めた、ほんの数秒間を大事に記憶にとどめたい。
2004年06月09日
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姿勢をみせてほしかった。オマーンがインドに70で勝ったので余計、そう思います。<br />
キャプテンマークの点に注目して書きましたが、やはり鈴木は埼玉スタジアムの男という点が一番なるほど!っと思わされました。もう2年も経ったのと考えると深い物を感じる一人でございます。
いいときの彼を知っているだけに。<br />
もっとFWを追い越す動きが<br />
欲しいんですけど彼にそれを求めるのは無理な話なんでしょうか?<br />
でもそういう動きができないといよいよセリエAでやっていけないと思うんですが<br />
イメージが湧きません。<br />
着いて行きたいと思わせるものって<br />
彼の場合、何なんですか?<br />
人をまとめようって姿勢とか、<br />
誰よりも先に立ってまで頑張ろうとか、<br />
いちばん見えづらい人では。<br />
センターバックは誰がいいんでしょ。