3試合連続PK戦とはご苦労な事だ。微妙に順番やキッカーを変えたのは韓国戦の反省か。ただ、寺田の一本目はやはりゴールキーパの勝ちなのではないかと思ったが、シリア関係者は腹が立っているだろうな。
ともあれ、大会終了。内容や戦い方に不満は残るし、何より韓国に負けるのは悔しいが、
(1)ワールドユース出場権を確保した
(2)若い選手が厳しい試合経験を積めた
(3)韓国に負けると言う失敗経験も積めた
と言う意味では、日本にとってよい大会だったとも言えるだろう。
さて、カタール戦、韓国戦それぞれの私の文章に対して、相当多くの方が様々な意見を言って下さった事に感謝します。ありがとうございました。そして、それらに対して回答できなくてごめんなさい。以前も言い訳したが、皆様のご意見に丁寧に回答する、精神的及び時間的余裕がとても取れないのです。
ともあれ、色々な意見をいただいた。お互いに敬意を持ちながら、自説に確信を持って「俺はこう思う」を言い合うから、サッカーは最高の酒の肴なのだ。もし、私の雑文がそのような適切な議論のきっかけになったのならば、幸いなのだが。
ただ、私の考えは変わっていない。カタール戦にせよ、韓国戦にせよ、DFやボランチが横に展開する時間的余裕がある時も平山を狙うロングボールを多用した事、そのような状況下でにも関わらず苔口や中村の前進が遅れた事、いずれも大熊氏の試合前の指示が「引く事、平山を狙う事」だったと推定する証左だと思う。無論、選手個々の判断力の問題もあり、大熊氏が「押し上げるべし」と考えた時も選手たちが、「単調な方の選択肢」に走ってしまった事もあったろう。しかし、あの2試合を見る限り、判断力も技巧も肉体能力も、極端に日本が劣っているようにはとても見えなかったのだから、やはり「監督の初期指示」に疑問が残るのだ。
そして、今日のシリア戦。前2試合よりも敵からのプレッシャも、精神的なプレッシャもそれぞれ弱かったため、圧倒的な攻勢を取れた事、それにも関わらず、決定機をそれほど作れなかった事、その2点から、より重要だった過去の2試合に対し、大熊氏が極端な守備的なやり方で臨んだ気持ちが理解はできた。
「とにかく、ワールドユースには出なければならない」と言う凄まじいプレッシャ(考えてみれば、6回連続出場って凄いよね、でも我々からすれば、出場権獲得ならずと言うのは想像の外だな、もはや)。一方で、大熊氏は前線の攻撃力に不安があったのだろう。自らの出身チーム所属の切り札的存在の梶山の不在も大きかったかもしれない。そこで、あそこまで極端な「引く指示」をしたのではないか。
私はその「引き過ぎ」が、逆に苦戦を招いたと言う説。逆に「引いた事」と「選手たちが精神的プレッシャをプラスに転じてPKでカタールを振り切った」と捉える考え方もあるかもしれないが。
さて、ワールドユースに向けて。
まだ国内には梶山も増田も萬代もいるし、今のJリーグならば続々と新しいタレントも出てくるだろう。今大会大熊氏を批判したが、彼は紛れも無く「闘う術」を知っている監督だと思う。おそらく、オランダまでには帳尻を合わせてくれるのではないか。
しかし、平山の不振は本当に心配だ。後方からの単調なクロスに競り勝てない事が心配なのではない。大体、韓国戦の2点目、サイドから入ったここぞと言うクロスには完璧に勝っていたし。問題は、以前から不安視してきた事、「自らの仕事を『得点する事』と認識しているのか」と言う事だ。
この日も、せっかくペナルティエリア直前で前を向きながら、他の選手にパスを出す場面が散見された。また、確かに平山の「高さ」は魅力的だ。でも、「高い」だけだったら、過去にも同等の能力を持つ選手はいた(例えば原とか)、しかし昨年のワールドユースや今年の高校選手権で見せたような、シュートの巧い選手は、滅多に登場しないのだ。とにかく、この男は自ら得点を狙うべきなのだ。
2004年10月09日
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U−19 アジアユース3位決定戦 日本vsシリア
Excerpt: テレビ朝日アナウンサーが執拗に繰り返す「絶対に負けられない戦い」が終わり、 続く「勝ち負けの問われない試合」も終わった。 消化試合だと日本のユースチームは強い。強いと言うと語弊がかなりあるけれど、 ..
Weblog: big flag 〜友人Sの長征 学習塾経営編〜
Tracked: 2005-01-01 00:00
この世代に「平山」がいたことが、結局、監督の足かせになってしまった。<br />
「平山」と心中することが、義務づけられた「世代」が幸福なのか不幸なのか・・・・。「平山」を戦術にしてしまった監督(協会)の評価をどうみるか。人それぞれなのでしょう。<br />
過大な期待は時に不幸を生む・・・。
まあ熊さんもぶっちゃけ梶山待ちかと。<br />
いない選手に過度の期待をするのはタブーなのは分かってますが、<br />
梶山を大したことないと言うよりも他の才能の台頭を望むべきでしょう。<br />
今は表舞台にいないかも知れないですけどね。