ベガルタは5試合残して3位のモンテディオと勝ち点が15差となった。得失点差は当方がマイナス6、先方はプラス9。つまり、モンテディオが5連敗して、かつベガルタが平均得点差2で5連勝すれば追い越して、J1との入替戦に臨める訳だ。目標はより明確になった。最善を尽くそう(涙)。
J2優勝を決めているフロンターレに対し、今シーズンベガルタはここまで1勝1分け1敗と、数字の上では互角の戦いを演じてきた。しかし、内容を考慮すると、いずれの試合もほとんど中盤でペースを握られ守りに守った試合、悔しいけれど現状の順位に納得せざるを得ないものだった。
しかし、この試合は違った。開始早々の間抜けな失点(大体、キックオフ直後にジュニーニョを前向きフリーで放置するような守備があり得るか?一体、どのような精神で試合に臨んでいるのだ!プロとしては恥ずかしくないのか!!!)の後の話ではあるが。
久々に登場した菅井がDFラインの前で冴え渡る。敵の攻撃を呼んでの早い動き出しから再三のインタセプト、村上と石井の積極的な押し上げに久々にトップ下に入ったシルビーニョの運動量が光る。前半は、何度か止めようの無いジュニーニョの猛威からピンチもあったが、上々の出来で終えた(しつこいが立ち上がり1分を除いてではあるが)。もっとも、最前線のマルクス、ジュニーニョ、我那覇の猛威の分、ベガルタの3DFは後方への位置取りを余儀なくされ、その分中盤は劣勢ではあったが。
ここで後半立ち上がり、ベルデニック氏はここのところ好調の関口を起用。2トップがスピードある佐藤寿人と、技巧あふれる関口と、裏を付ける選手になる。すると面白いもので、たちまちフロンターレの3DFは下がり気味を余儀なくされ、ベガルタが一層ペースを握る。さらに敵DFが引いた事で、より前を向けるようになったシルビーニョが再三前線まで駆け上がり、攻めが厚くなる。
そして関口は絶好調なんだなこれが。鮮やかなドリブルで、再三フロンターレDFを切り裂く。PK奪取の場面(佐藤寿人が失敗)など、敵ドリブルへの応対に定評のある寺田の逆を完全に取っていた。さらに同点ゴール(記録はセドロスキーのようだが、私には寿人が触ってそのままゴールラインを越えたように見えたが、まあどっちでもいいや、本当に美しい得点だったから)を演出した場面も、切れのよいドリブルは冴え渡った。
決勝点を目指し、ベルデニック氏は萬代を寿人に替えて起用(もし、関口、萬代の十代の2トップがフロンターレから決勝点を奪って勝利した時の興奮は創造し難いが)。しかし、必死に前掛かるベガルタをあざ笑うようなフロンターレの見事な逆襲速攻から、決勝点を奪われる。この場面、フロンターレの逆襲は見事だったが、ベガルタ守備陣は人数は足りていたのだから、もう一工夫が欲しい...
その後、定番のセドロスキーをトップに上げての無理攻めをしかけるが、見え見え単調な攻撃ではJ2を独走するフロンターレの守備をこじ開けられる訳はなかった。むしろ、フロンターレ守備陣は関口のドリブルを持て余していたのだから、たとえリードを奪われても、そこまでの攻撃法を継続すべきだと思ったのだが。
それにしても、フロンターレは強い。中でも恐れ入ったのは、中村憲剛。決勝ゴールも腹だたしい事この上なかったが、90分間を通じて心憎いばかりの安定したプレイ振り。3DFの前に位置取りし、ゲーム全体をコントロール。国内のMFでここまでチーム全体を指揮する権限を与えられている選手は、明神、中田浩、遠藤くらいではないか。悔しくて仕方が無いが、あの中村のゲームコントロールが、J1でどこまで成長するかは、来シーズン結構な愉しみとなりそう。
こうなると悔しいのだよ。どうして、関口はもう2ヶ月前に登場してくれなかったのか。もう2ヶ月早ければ、どんなに素晴らしいドラマを愉しめた事か。まあ10代の新人に頼らなければならないところで勝負ありか。このような負け犬の遠吠えも、サッカーの最大の魅力なのだけれども。
2004年10月23日
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私は川崎戦は観る事が出来なかったのですが、<br />
VTRを観て正直衝撃を覚えました。<br />
「なぜこんな選手が仙台に?」と・・・<br />
話を聞けば高校時代に怪我をし中々直らず<br />
本人も不安を感じていた時に獲得を見合わせる他チームを尻目に<br />
仙台の石井さんが諦めないで声を掛けつづけたと聞きました。<br />
上手い選手は今の時代沢山居るでしょうが、<br />
それに加えてスピードと運動量もある関口選手は<br />
シルビーニョも認める「将来の仙台の選手」なのでしょうね。<br />