2003年06月22日

遠くの日本代表より、近くの少年団

 コロンビア戦を前に、色々と語りたい事はあるのだが、今日は日本サッカーの頂点とは正反対の底辺行事−坊主のいるチームの地区対抗カップ戦−について。

 大会のレギュレーションが非常にややこしいので割愛するが、とにかく予選グループで2試合行い、その成績がよい2チームが決勝進出できる。決勝で勝って優勝すると、県の地域大会への参加権を獲得できる。今日の我がチームの参加者は3,4年生で22人。予選グループの2試合では、全員を少なくとも、1試合の半分は出場させつつも、勝利を目指すと言う、いつもいつも難しい要求をクリア、2連勝で決勝進出に成功した。

 決勝戦の相手は、先日来、何回か試合をしているが、毎回のように負けている強豪チーム。小学校中学年ながら、技巧的で周りがよく見えるMF2人を軸に、両翼から攻め込むのが特色。この決勝戦、子ども達もどうしても勝ちたいと盛り上がる。私もコーチとしての僅かながらの意地がある。普段から何も教えないコーチだが、若干守備的に戦う術を子ども達に教授して試合に臨んだ。

 子ども達は本当によくやった。序盤に不運なハンドを取られたPKを、GKがよく防いだのが皮切り。終始、押されていた展開だったが、とにかくよくゴール前で粘った。しかも、嬉しかったのは20分ハーフの短い試合時間が進むにつれ、1人1人がカバーリングの感覚を身につけてくれた事。お互いが声を掛け合い、「俺はこっちだ、お前はあっちだ」と、ちゃんと守るのだ。さらに前線に残っている俊足のドリブラを使って再三逆襲速攻。速攻をかける度に、3試合目で疲れ切った身体に全員が鞭打って押し上げる。終盤には何回かチャンスをつかみ、1度は我がFWのシュートがポストに当たる決定機。

 試合は両チーム攻め切れず、0−0のままPK合戦にもつれ込む。PK合戦がまた凄絶な戦いになった。5人ずつが蹴って4−4のサドンデス。6人目の愚息のキックは正視に耐えなかったが、ちゃんと決めてくれた。その後もサドンデスは継続。後蹴の我がチームの8人目が失敗して、勝負はついた。敗れた子ども達はしばらく動けなかった。

 サッカーは子どもを大人にすると言う。今日の試合を通じて、改めてこの格言を確信した。少なくとも、今日戦い抜いた両チームの子ども達は、男に向かって間違いなく成長した。おっと失礼、敵チームには女の子が1人いた。右サイドバックの彼女は終盤の我がチームの執拗な左からの攻めを、巧みに止めた。彼女にとっては淑女への一歩。
posted by 武藤文雄 at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 底辺 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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