2003年09月16日

鹿島の夜を忘れない

 この年齢になると少々の事があっても驚かない。

 ただ清水氏のベガルタ最後の采配となった試合を観戦できた事、そしてその試合の内容が素晴らしかった事は、自分にとってはとても幸せな事だと思っている。清水氏がのべ5シーズンに渡り、私の愛するチームの采配を振るい、チームの経済力から考えれば望外の結果を残してくれた事、そしてチームの地位向上により我が故郷を「サッカーの街」に変えてくれた事、それぞれは感謝の言葉すらない。そして、先週のアントラーズ戦は、その清水氏が作り上げてくれたチームの、言わば集大成とも言える試合だった。

 チームと監督には別れが付きものである。贅沢を言えば、これだけの成果を上げた監督なのだから、将来に渡り相互が発展的に関係を持てる別離を望みたかったのだが。



 ベルデニック氏との契約詳細は不明だが、氏の手腕と実績に疑いはない。それだけ経済的に余裕があるならば、それはそれで結構な事だと思う。しかし、疑問が数点ある。

1.それだけの経済力があるのならば、シーズン当初から守備ラインにより強力な若手日本人を補強する事はできなかったのだろうか。例えば、三田、駒野、今野、菊地など。先日の金殷中獲得費用と併せ疑問は高まる。

2.もしリーグ中途で監督を含めた戦闘能力が不足と判断し、追加投資をして監督交替をするならば(私は監督解任反対の論陣を張ったが)前後期の間が監督交替の機会だったのではないか。

3.2の時点で監督留任を決定した後のベガルタの試合内容は悪くない。勝ち点こそ上げられていないが、1度決めた留任を覆す材料は何なのか。さらに言えば、私の見るところ、後期、内容は改善されても勝ち点があげ切れていないのは、監督の手腕と言うよりは選手の質の問題。1部残留と言う短期的目標に対して、必要なのは選手の補強ではないのか。

4.上記の通り、ベルデニック氏の手腕、実績には疑いはない。しかし、氏はジェフでもグランパスでも、ある程度時間をかけたチーム作りを行っていた。あと10試合を残すだけの短期決戦に、向いている監督なのか(一部報道によると来日が遅れるとの事で、それも大いに気になる)。



 と、まあ不安を述べても仕方ない。決まった事なのだから。おそらく監督代行の石井氏は、極端にチームをいじっては来ないだろうし、チームの調子は悪くないのだから、監督解任のショックがよい方向に出て、勝ち点を堅実に確保できる事を期待したい。そして、ベルデニック氏が、短期決戦を勝ち抜く能力をも具備した妖術師である事を。
posted by 武藤文雄 at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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