あの熱狂的な大観衆の応援(スタンドの雰囲気は、間違いなく日本と並んでアジア屈指)。
イランの見事なサッカーへの感嘆(選手の能力も、間違いなく日本と並んでアジア屈指)。
後半の同点に至るまでの日本の創意工夫あふれる攻撃への興奮。
一方、場違いな選手、不出来な選手が放置され、修正もされない事への切歯扼腕。
イランの選手たちの「勝利への執念」への尊敬。
同点以降、引分でよいのに、巧く試合を進められない事へのいらだち
不満は残るが、アジア同士のタイトルマッチとしては最高峰の内容。
声を枯らした応援。
悔しくて悔しくて仕方が無い気持ち。
これほど愉しめる娯楽が他にあるだろうか。競技場の熱狂、試合内容の高質、必死の応援、同点の歓喜、終盤のいらだち、敗戦の苦痛。過去の観戦試合の中でも屈指の忘れ難い試合だった。
自分が愛するチームが当事者となる試合がゆえのエンタティンメント。これだけ興奮する試合はそうは観られない。本当に行ってよかった。でも悔しい。
と言う事で試合の詳細については別途。ただ一言、高原の馬鹿野郎。敵DFがあそこまで身体を張ってきているのだから逃げるな、男だろう。身体を敵DFに当ててでも、とにかくボールを落ち着かせなければ話にもなりゃせんわ。ジーコはやさしいから(あるいはちゃんと試合を見ていないから(笑))、もう1回チャンスがあるらしいが、埼玉でテヘラン同様無様なプレイを見せたら、俺は許さん。
悔しくて悔しくて仕方が無いが、予選全体から見ればこの敗戦はそれほど痛いものではない。2抜けできるレギュレーション、最強のライバルに敵地でやられただけの事(だからと言って、悔しさには変わりないが)。水曜日のバーレーン戦にしっかりと勝つだけの事だ。平壌で北朝鮮に勝ったバーレーン(この試合は、先般のアジア予選4試合で最も意外な結果...他の3試合は皆ホームチームが勝っている)だが、元々戦力的には当方が圧倒的な優位にあるのに加え、先方は負傷者が多数。丁寧に勝てば、相当の確率で勝利が計算できる相手なのだから。
帰国後、異様な危機感をあおる各種報道には、物凄い違和感を感じる。
違和感と言えば、守備ラインの人数議論も同様。イラン戦前にフォーメーションを公言した間抜けさはさておき、敗因は守備ラインを4DFにしたためではない。宮本と中澤のセンタバックは、失点場面以外は、しっかりとイランの2トップを押さえたいた。1失点目は転んだ加地の責任だが、あの場面はセットプレイ。守備ラインの人数は関係ない。決勝ゴールは、主審が後方からのタックルをファウルを取らないのはわかっていたのに簡単にボールを奪われた柳沢のだらしなさと、引分でよい試合なのに意味不明で前進していた三浦淳の判断ミス。試合内容に課題が無かった訳ではない。繰り返したい。敗因は4DFにしたからではない。
それにしても、本当に愉しい旅行だった。極上のサッカー、イランと言う国の歴史の素晴らしさ、イランの人々との愉しい交流。素晴らしい4日間を過ごす事ができた、両国の代表選手たち、旅を共にした仲間たち、そして「Iran Two, Japan One」と終始我々を挑発してくれたイランの皆さん、本当にありがとうございました(詳細はまた別に)。
PS.ブロードキャスターについて
どうやらほんの一瞬の登場のようでしたね(当方映像未見)。実はブロードキャスターの取材の方が、本旅行序盤に私たちに密着取材をされ、相当映像は撮られたのです。過去本サイトで散々講釈を垂れた「サッカーの代表試合ほどの娯楽はない」とか「今回のテヘランは20年前の香港を上回る熱狂を期待」とか「4年に1度のワールドカップは『どう負けるか』が大事」とかをまくし立てました。さらに敗戦後は「負けると悔しくて悔しくて仕方が無いが、それもまた快感」とも。同行された担当の方は、当方の講釈を大喜びで聞いて下さり映像にも撮ってくださいました。ただ「負ければ、時間が相当短くなるので、ほとんど出ないと思います」とおっしゃっていました。と言う事です。
おかげで一発で武藤さんだとわかり、すぐ飛んでいけました。<br />
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というわけで読者のみなさん、武藤さんって、すっごく難しいこと、怖いこと、アグレッシブなことを書かれることもありますけど、実際はすごーく優しそうで、可愛い目をされた紳士でしたよ!(笑)
>これほど愉しめる娯楽が他にあるだろうか。<br />
確かに。これ以上の娯楽はあまり浮かびません・・・。個人的には、攻撃の起点と重要な守備のポイントを加地がやっていたことがかなりのマイナスに見えましたが・・・。1点目はともかく、2点目の見送りなど・・・。そういった意味では敗因と4バックは無関係では無かったかと・・・。そして監督の敗戦の弁「田中誠が出られたら4バックにはしなかった。」には呆然とさせられました・・・。<br />
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