先週末、ヴァンフォーレ−FC横浜戦。何とも言えない対決があった。小倉対城である。
この2人は学年にして2年の差。そして、アトランタ五輪予選チーム1次予選での2トップだった。技巧的なドリブルと強烈な左足のシュート能力が売り物の小倉と、ポストプレイが巧く空中戦も強い城は、理想的な2トップと期待された(さらのその後方に超高速ドリブルとスルーパスを駆使する前園が控える)。しかし、この2人が五輪チームの公式戦で組めたのは、1次予選初戦のアウェイのタイ戦のみ。5−0で完勝したこの試合中、小倉は敵のラフプレイで退場。小倉のその後については先日触れた。一方、城は五輪後は順調に成長、A代表のレギュラまで確保し、ワールドカップにも出場するが、その後伸び悩む(こちらを参照)。
これだけ実績あるかつてのスター選手が、2部チームで戦う。何とも複雑な気持ちである。しかし、私はこの2人を「単純に落ちぶれた」とする一部報道には与しない。現所属チームとの契約時点では、2人とも全盛期より、能力が落ちていた事は間違いないだろう。しかし、2人とも老け込む年齢ではない。フル出場できるチームで逆襲を狙っている2人の意欲は相当なものがあるはずだ。
ストライカが経験を積んだ30前後から大化けする事例は過去多数ある。最近では何と言っても中山だが、個人的には80年代後半日本サッカー界を彩ったNKKの松浦の晩年の成長振りが忘れられない。海外でも、ビアホフが注目されたのも30前の事だし、一時エスパルスでもプレイしたマッサーロも30過ぎで代表に復帰した選手。
もちろん、高原、久保ら年齢的にピークを迎えつつある中堅、大久保を筆頭とする若手、それぞれにかかる期待は大きい。しかし、ベテランの域を迎えるこの2人の成長に、今なお期待しているのは私だけだろうか。
2003年06月30日
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