2005年08月25日

3人の若手ストライカ

 諸事多忙を理由に更新をサボっているうちに、世の中は進んでしまい、昨日はJ1第20節。しかし、どうしても19節について書きたかった事があるので、いささか気の抜けた炭酸飲料のような講釈を。

 

 やはり平山相太には何かがある。 

 平山がシュータとして抜群の才を持つ事は過去も再三述べてきた。平山は敵陣の近くで使えばよいのだ。

 しかし、彼のヘディングの巧さのみを切り出し単なるポストプレイヤとして機能する事のみを期待する監督が、平山の特長を無視した起用法をするのに散々心を痛めてきた(そう言った監督が若年層年代と言え、代表チームを率いているのだから悩み深かったのだが)。

 平山が大学を去り、オランダに向った経緯を邪推する気は無い。しかし、新たなクラブでシュータとしての抜群の潜在力を見せ始めたのは事実。大いに期待したい。ちなみに、ヘラクレスの監督ボス氏(実に知的な選手だったな)が、入団決定時に平山の足のシュートの巧さを指摘したらしい。わかる人にはわかるのだな。



 そしてカレン・ロバートの爆発。

 ワールドユースでの、この選手の献身振りは本当に素晴らしかった。特に1次リーグ最終戦、リードされた日本が終了間際に無理攻めをしかけ、逆に逆襲速攻を許した際に、長躯して自陣に戻り敵の強シュートをヘディングでクリアした場面は感動した。

 そのカレンだが、ここまでもJリーグでよく点を取っていたが、先週末にマリノスを撃沈させた2発の見事なこと。考えてみれば、カレンの所属するクラブには、得点能力とチームへの献身と言う意味ではこれ以上無い偉大な先達がいる。カレンには、この先達が元気なうちに、盗めるもの吸収できるもの全てを学んで欲しい。さらに、この先達が今のカレンの年齢の頃と比較すれば、格段に今のカレンの方が能力が高いだけに、期待は高まろうと言うもの。先達が30歳前後で身につけた位置取りの抜群の巧さをカレンはいつまでに身に付けてくれるのだろうか。



 さらに前田俊介の勝負強さ。

 この選手の技巧とそれを活かしたシュートの巧さは、既に疑いのないもの。そして何より素晴らしいのは、その巧さがしばしば試合終了間際の一番苦しい時間帯に発揮される事。

 そして、嬉しいのはそのシュートの1つ1つに、明らかな意図がある事だ。つまり、前田の場合、ボールを受け(ドリブルシュートの場合はボールを持ち出し)シュートに至る流れを見ていると、前田がどのようなプレイを狙っていたかが理解しやすい。それだけ、考えたプレイをしていると言う事だ。だから、試合終了直前と言う難しい時間帯でも、考えているだけに冷静にプレイする事ができて、よく点が取れると言う事ではないか。例えば、先般のアントラーズ戦の決勝ゴールだが、直前に大岩が退場になり敵が9人にない、サンフレッチェが相当有利になっている事を冷静に把握していた雰囲気だった。

 ワールドユースの豪州戦の同点ゴールなど、「あれはオフサイドだった」と発言できるあたりにも、この選手の冷静さが感じ取れる。

 

 これだけ優秀な若手ストライカが3人もいる。今更、この3人をもっと有効活用していれば、オランダでもっとよい成績が...と言った野暮はもう言うまい。それよりも、彼らのうち1人でよいから、ここから2,3段階くらい大化けし、ドイツ行きのメンバに入ってくれれば、これほど結構な事はないのだが。
posted by 武藤文雄 at 23:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 若年層 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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