2005年11月27日

アジアのイタリア

 北朝鮮の若者がここまで質の高いサッカーをできるのは、近い将来の我々にとって極めて明るい話題と言えよう。小柄ながら安定した技術、献身的な活動量、伝統の裏を突く意欲、いいチームだった。でかくて強いばかりの選手がラフプレイを繰り返す次期五輪開催国よりも、格段に将来が期待できそうだ。この大会は東アジアの伝統国がトップレベルに復帰するキッカケとなるのではないか。

 試合終了後の選手たちの喜び振り。大体、1次予選から我らの若者たちが、あれだけ歓喜するだけの厳しい試合を闘えたのだけでも、結構な事だ。

 どうでもいいが、中年男がインタネット配信をパソコンで観ながら絶叫するのは、あまり格好のいいものではないな。ともあれ、数cm角の画像を2時間堪能させていただいた次第。さすがにあれだけ画面が小さいと、各選手の視線の向きが追えないのが、ちょっと辛い。

 ともあれ、福元である。読みの良さと身体の入れ方の巧さは絶品。幾度かピンチを迎えたようにも見えたが、ペナルティエリア外からの精度の悪いロングシュートを除いては、事実上ピンチは無し。Jリーガとして、他の選手との格の違いを見せ付けた。その存在感を含め、ちょっと井原を思い出したりして。贅沢を言えば、もう少し中盤の組み立てに参加して欲しかったのだが。このような伸び盛りの選手は、北京は当然として、ドイツを意識して欲しいくらいだ。

 攻撃ラインの選手がいささかバタバタしていたのは気になった。ハーフナー息子と若森島は頑健派の道を歩むのだろうが、その他の攻撃ラインの選手はこれからファンタジスタを目指すのだろう。まあ、連中が化けるのはこれから。小野はさておき、中田も中村も、そしてもちろん小笠原も松井も、この段階ではワンノブゼムだったのだから。皆、これからが勝負なのだ。

 吉田靖監督は私と同い年。三菱で知的な攻撃選手として活躍した名手。ただ、私としては、早稲田大時代に右ウィングとしてプレイし、逆サイドから現フロンターレ監督の関塚が飛び込んできたコンビネーションの記憶が強いな。既にJで実績を上げている同年代のコーチが多い中、(一時にはレッズのコーチとしても活躍した記憶があるが)日本協会ご用達コーチとして今後いかに実績を作り上げていくか。



 言ってみれば、イタリアが難しいタイトルマッチで、ハンガリーとかポーランドとか、かつて栄光を掴んだ事のある強国に苦戦しながらも、絶対負けないようなやり方で、確実に勝ったと言う試合だな。まあ、いいでしょ。
posted by 武藤文雄 at 23:52| Comment(2) | TrackBack(1) | 若年層 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
TBさせていただきました。<br />
ホントとりあえず結果が出てよかったです。<br />
クラブユース出身の選手が主力なだけに<br />
負けてしまったら「高校サッカー信者」に何言われるか知れたもんじゃないですし(^^;<br />
前監督がチーム平山にしてしまったばっかりに<br />
他の選手の能力が生きないサッカーに終始していただけに<br />
このチームには個人的にかなり期待しています。
Posted by トラマ at 2005年11月28日 17:55
私もこの試合は興奮しながら観ました。<br />
<br />
画面サイズが小さかったという事ですが、WindowsのMedia Playerをお使いですか?<br />
<br />
そうだとしたら、ALTキーとENTERキーを同時に押すと、ディスプレイのサイズで見られます。<br />
<br />
小さくする場合はESCキーで元に戻ります。<br />
<br />
私はこれを娘から教わったおかげで、PCの画面いっぱいのサイズで観られました。<br />
<br />
今後ネット中継なども増えていきそうですし、是非ご活用下さい。<br />
<br />
ブログ、楽しみにチェックさせて頂きます。
Posted by yuki at 2005年12月04日 17:06
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

U-18勝利!
Excerpt: とりあえず勝ってよかったです。 押される展開は予想してましたが ある意味予想通り
Weblog: 自記公開書
Tracked: 2005-01-01 00:00