2004年02月18日

ありがとう久保

 久保が抜け出した瞬間、過去の幾多の試合を思い出した。優位が伝えられたチームが、無様な試合を演じ、苦杯を喫する際に、最後の最後に決定的チャンスを外す事が多い事を。

 ところが、私は間違えていた。久保のトラップが実に正確。私が見ている位置は、オマーンゴールの中心と背番号9を結んだ延長線上だった。久保が落ち着き払ってシュート。ボールのコースは正確無比にサイドネットに向かい、いかにも久保らしい振りの速いキックにGKがタイミングを取り損ねた事も見えた。もはや、遮るものがない事はわかっており、何があってもゴールになる事もわかっていた。しかし、サイドネットにボールが到達するまでは、本当に長かった。開始早々の柳沢のヘディングを好捕され、このロスタイムに至るまでの90分間が、アッと言う間に過ぎていったのとは、対照的だった。



 久保よ、本当に、本当に、本当に、ありがとう。

 

 それにしても酷い試合だった。(体調が悪かったと言う情報もあるが)山田が事実上プレイに参加しておらず、事実上10対11の試合。

 見るからにぶっつけ本番でコンディションが悪い海外から呼び戻したスターたち。海外組以上に運動量に乏しいトレーニングを積んだはずの国内組。上下動の連続がないため、1度ボールコントロールに手間取ると、パスの出し所がなくなり、日本得意の高速パスワークが回らない。

 それでも、個々の選手の技巧と判断能力で、好機を作れるのだから、話はややこしい。しかし、中村のPK失敗以降、選手達に相当なプレッシャがかかったのか、ラストパスとシュートの精度を欠き、決めきれない。

 そのまま、90分間が過ぎ去ろうとしていた時の、久保の一撃だった。

 

 考えてみれば、昨日「イライラを愉しみたい」などと、暴言を吐くから、サッカーの神様のお怒りに触れ、存分に愉しむ羽目に陥ったような気もしてきた。要はバチが当たったのである。それにしても、この90分間のフラストレーションの後の歓喜、もう最高ではないか。厳しい処罰を提供してくれたサッカーの神様に感謝。でも、しつこいと言われようが、それ以上に久保に感謝。
posted by 武藤文雄 at 23:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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