掟破りの長期休暇を取ったものの、やはり夏休みも取りたいと言う事で、本業でアタフタしていた。そして、土曜日ながら取引先との打ち合わせなどをこなし、さらに地域の少年サッカーの打ち合わせなどがあり、帰宅したのは20時過ぎ。「ようやくこれで休める」と思いつつ、インタネットでベガルタの試合を追いかけながら(久々の地元快勝に安堵、ベガルタ周辺については、また別な機会に)、何気なくTVをBSに合わせる。
すると、アビスパ対トリニータをやっていた。「おお、この両チームをじっくり見るのは久々だなあ、でも随分マニアックな試合をやるものだ」と、喜びながらも不思議な思いにとらわれていた。けれども、しばらく考えて、「NHKやるじゃないか」と思い直した。そう、この試合は日本サッカー史上初めての、トップリーグにおける九州ダービーだったのだ。ちょっと、いや、相当羨ましかった。毎年4試合ずつ足の引っ張り合いをしている隣県の宿敵と、いつかJ1で戦いたいものである。
ともあれ、野次馬としてこの試合を愉しむとなると、両軍の気鋭の若手に注目する事になる。北京の候補選手が、西川周作、福元洋平、中村北斗、田中佑昌とズラリ。まあ、西川のスーパー振りは先日の中国戦でもよくわかっていたし、北斗もこの試合で豊富な活動量を見せていた(もっとも、北京的見地からすると、北斗には内田と言う手ごわいライバルが登場していているのだが)。むしろ、気になっていたのは、昨年のアジアユース1次予選では(唯一のJリーグレギュラと言う事もあったが)、圧倒的な存在感を見せ付けていた福元。最近不調が伝えられ、レギュラから落ちる事も再三と聞いていたからだ。実際、後半を見ただけだが、福元自身のプレイはそうは悪くなかった。ただ、タイプとして3DFのストッパよりも、4DFでカバーリングしながら敵を押さえる方が向いているような気はしたが、これも経験だろう。ともあれ、少し安心。それにしても、水本、青山、福元と、3枚Jで完全なレギュラがいるのだから、反町氏も楽な仕事だな(笑...これについても近日述べたい)。
と、ノンビリTVを観ていたのだが、2点目にはビックリ。
1−0でリードしていたトリニータが、アビスパの攻撃をクリア。こぼれたボールをMFがヘッドで拾い、ハーフウェイライン近傍で、本日の主役梅崎司が前を向いてドリブルしたのがスタート。梅崎は高速ドリブルで前進しながら、首を左右に素早く振り回す。このルックアップにより、梅崎は当然周囲を完全に把握できたし、アビスパ守備陣は梅崎の意図が読みづらくなる。
そして、梅崎は左に流れたトップのラファエルを選択。梅崎のキョロキョロも奏功したのかもしれない、アビスパDFの対応が瞬時遅れ、ラファエルは余裕を持ってボールを受ける事ができ、落ち着いてペナルティエリアやや外に走りこむ梅崎にリターン。梅崎は、ほぼGKと1対1でボールを受ける、飛び出すアビスパGK水谷。梅崎のトラップはやや大きいように見え、水谷がブロックできるかに見えた瞬間、梅崎はもうワンタッチしてボールを右に流す。そこには、梅崎の後方を必死にフォローしてきた俊足の松橋がいた。梅崎は後方から走りこむ松橋も見えていたのだ!松橋の仕事は無人のゴールにボールを流し込むだけだった。
動きの中で技巧を扱える選手は多数いる。少なくとも昨年の北朝鮮戦時点での梅崎は、技巧的に過ぎない選手だった。しかし、現状の梅崎は、周囲を把握してその技巧を発揮できる選手にまで成長してきた。しかも、まだ19歳なのだ。これは大変な選手になり得る素材ではないか。梅崎は、近々行われるアジアユース2次予選及びワールドユース本大会での活躍は当然の事として、北京の攻撃的MF候補である水野、梶山、家長、本田らの争いに割って入ってくる事だろう。
以前にも、「西川と福元を育成したトリニータの若年層強化については感心している」と書いた事があるが、さらに第3の男まで登場した。そして、ここにはシャムスカ氏がいる。恐るべし、トリニータ。
2006年08月12日
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一方、私は福岡のとある選手のファンというか友達なのですが…。辛い試合でしたね。残留できるのかなあ。
シャムスカ氏の抜擢で若手がイキイキとプレーしていました。<br />
シャムスカ氏の抜擢で若手がイキイキとプレーしていました。<br />
蛇足的なツッコミなのですが、九州ダービーというのはどうかと・・・。<br />
イタリアでは基本的に同じ都市の対決です。せめて同じ県ぐらいにとどめておかないとJリーグのほとんどの試合が本州ダービーに・・・。<br />
それは冗談ですが、本来の意味から逸脱してディフェンシブな中盤の選手をすべて「ボランチ」と呼ぶのと同じ愚かさのようにならなければいいですね。<br />
あと最高権力(独裁?)者をメディアもファンも「キャプテン」などとは呼んでは絶対にいけないはずです。<br />
ミスキックだと思ってるのですが(苦笑)<br />
その前提に立っての話になってしまいますが<br />
一瞬「ミスった」と躊躇いを見せた後、その後の展開を<br />
読みきって再び全速力で走り始めた姿にこそ<br />
非凡なものを感じました。<br />
それに相手からボールを上手く「隠す」選手は数多くいましたけど<br />
相手を「抜くために一旦隠す」選手は山瀬、松井以来かなって感じもします。
<br />
海峡ダービー(レッジーナ=カラブリア州とメッシーナ=シチリア州)なんてのもありますね。<br />
<br />
今季の同都市ダービーはミラノとローマだけですね。実現しない組み合わせとしてはトリノやジェノヴァもありますが…。<br />
同州のダービーもエミリア・ロマーニャ、トスカーナ、ロンバルディア、シチリア等々ありますので、「基本的に同じ都市の対決」ということもないんじゃないかなあ、と。
『同都市内にあるチーム同士の対戦』<br />
なので、デルビークラシコとかは変なんですよね。厳密には。<br />
ただ、<br />
『さあ!今日は同都市内にある負けてはいけないライバルチーム同士の対戦(優勝を狙うライバルチーム同士、でも可)だ!!!』とか言うより<br />
『ダービーだ!!』と言った方が伝わり易いから<br />
これはこれで仕方ないんでしょう。<br />
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ちなみに山形VS仙台をダービー扱いにされてるのは華麗にスルー。というか何か打つのも嫌。
<br />
(詳しい方フォローお願いします)
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まあ、名古屋と磐田を「東海ダービー」なんて言ってる方々を苦々しく思う気持ちは大変よく分かりますがw<br />
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福岡×大分に関して言えば、「ダービー」と言う程では無いかなというのが、当事者側の正直な感想。チームの成り立ちや運営から、特に大分側から福岡をライバル視(敵視)する気持ちはかなり強いですが、昔ならいざ知らず今の(J2降格後方針を変えた)福岡はそこまで大分に対する敵対意識は無い様です(その様な歴史を持った選手がいない)。<br />
寧ろ福岡×鳥栖こそ「九州ダービー」と呼ぶに相応しい熱を持ったカードだと思います(実力差に関係無い試合結果がよく出る)。まあ、鳥栖は大分にも噛み付いてきますけどw
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オシムそして武藤さんの眼力に感服します。<br />