2006年10月01日

憲剛と播戸

 ただでさえ元々人数を選んでいない後方の選手が不足気味の代表なのに、CBのレギュラの坪井と闘莉王、右DFの加地と3人のレギュラ格が負傷辞退と言うのだからオシム氏の悩みも深かろう。最初の選考では水本1人しかCBが選考されていなかった(もっとも、そのような状況においては阿部がCBに使われるのは間違いないので「1人しか」と言うのは不適切な表現なのだが)。さらに中東遠征で選考されていた伊野波も不在。「いくら地元での親善試合のガーナ戦といい、守備者の控えは不在はまずかろう」と思っていたら、今野、青山、山口と追加召集が発表されて、ヤレヤレ。

 ともあれ、憲剛と播戸がついに代表入りした。インド戦と併せて、いかほどの出場時間が提供されるかはわからないが、期待したい。



 中村憲剛は、今節は(昨日寿人を称えた)サンフレッチェ戦。見事なプレイを見せたが、皮肉にも直接得点に絡む事はなかった。しかし、前半まだ0−0の時間帯にロングスローをサンフレッチェがしのいだボールを拾って、見事なターンから見せてミドルシュート(GK下田がファインセーブ)、後半2−2となった直後右サイドを鮮やかな技巧で突破してポストに当てる、さらに3−3と追いついた直後にミドルシュートが僅かに枠を外した。と、3本決定的に近いシュートを放っていた。さらに、この試合では幾度と無く中村憲のパスから両翼やDFが、前線の選手を追い越す好機を掴む事ができていた。加えて、ペースが悪くなった時間帯、中盤後方でサンフレッチェが攻勢に立つと見るや、渋い守備でよくボールを拾っていた。非常にアタマのよい選手であり、技巧も十分。周囲がよければよいほど、機能し得るタレントである。代表であのゲームメークぶりを堪能できるかと思うと、期待は高まるのだ。



 そして、播戸。先日も言及したが、ここ最近の好調ぶりは見事の一言。あのように表に気迫が出ながら、冷静なストライカはいいよ。もっとも、今節は播戸のガンバはヴァンフォーレに苦杯を喫したのだけれど。0−2の状態で二川とマグノ・アウベスの仕掛けから相変わらずの見事なトラップで抜け出しGKと1対1に、落ち着いて狙うも枠を捉え損ねると言う逸機。その直後、守備の連携ミスから失点し0−3になり、さすがにもうダメか、と思わせておいて、播戸はフルパワーでガンバを奮い立たせる。遠藤と二川が仕掛けた攻め込みのボールが右から左に流れるのに合わせて、振り向きざまに強烈な左足での一撃を決め、まずは2点差に。ガンバはさらに猛攻を重ね、家長が左サイドから中央に切れ込んでシュート、そのこぼれ球を播戸が見事に拾って鋭角のセンタリング、最後は二川が強烈に決めて1点差に。終盤、GKがこぼす所に飛び込みながら押し込み損ねた播戸は、必死に「後方から押された」とアピール。こら播戸、蹴った後に押されたのだから、悪いのは枠を外したお前だ。もっとも、普段からころんでばかりいる選手があの手のアピールをすると見苦しいが、播戸だとつい許したくなったりして。



 まずはオシム爺さんが、この2人に出場機会を提供してくれる事を願いたい。あ、播戸には「腕章」巻かせるってのはダメでしょうか。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(0) | TrackBack(3) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2005-01-01 00:00

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