<修正について>
テキストエディタに書いていた最終バージョンではないものを、BLOGに記載してしまいました。明らかな誤植や編集不足を修正し強引に加藤久を登場させたりした最終版に、変更しました(06年10月7日)
水本に痛恨の失敗経験を積ませる事ができた、これがこの日の最大の成果なのかもしれない。将来、「へー、水本がこんなミスをした試合があるのだ」と、貴重な思い出になる試合になる事を。
サウジ戦もそうだったが、よい内容の試合をしながら、どうしても詰め切れない展開が続き、ちょっとした隙を突かれて敗北。よい展開をしていたからこそ悔しい。
確かにあれだけ準備期間がなく、さらに負傷者が続出の状況で、まだ5試合目で、あそこまでできた事は評価すべきだろうが、歴然とした差を感じた事もまた事実。まあ、仕方がない。相手も強かったのだし。でも悔しいのだ。
キックオフ直前に競技場に飛び込んだもので、「ほー、あの8番は巧いなあ」と最初ノンビリした感想を述べていたのだが、ガーナがちゃんとエシアンまで来て、まじめに試合してくれたのだから嬉しかった。そのガーナとあそこまでしっかりと戦っていたのだ。だからこそ悔しいではないか。
ぶっつけで今野、阿部、水本、啓太の中央に駒野の絞りを加えて、あれだけ連動する守備ラインを、ほんの2、3日の練習で叩き込むのだから、爺さんはやはり凄いなと。これで守備については、阿部、坪井、今野、啓太、闘莉王、水本、加えて外から絞る駒野と、人材は存分に確保された。さらに谷口も青山も福元もいるし(どうも福元の伸び悩みが不安なのだが)、他にも気の利いた守備者は何人か出てくるだろうし、中澤の疲労回復も期待できるし、いざとなったら30歳になって松田も落ち着くかもしらんし。若干、全体的に背が低いのが気になるが、カンナバーロやアジャラや、さらにドーンと古くなるがパサレラにしても加藤久にしても、ヘディングの強さと高さは別物なのだし。
今はまだマンマーク頼りだが、連携ができてきくれば、おそらくゾーンとマンツーマンの切り替えが円滑になるはず、そうすればスイーパの阿部が随時中盤に上がれるようになるだろう。あるいは闘莉王が最前線に(笑)。
、もし敵がアレックスを押し込もうとして、右サイドを突出してきても、駒野(いや今野や阿部をここに置いてもいいし)がサイドバックに下がって全体が左に寄れば問題なし。そう考えると、アレックスはアレックスでいいけれど、ここに松井を置いたり、本田が伸びてきてここに入ることを想像すると、愉しい。
攻撃については、3点気になった事がある。
1つは寿人の動き過ぎ。そのためかどうか、決定機で2回もトラップミスをすると言う醜態を演じてしまった。先発選手の中で、最も得点能力があるのが寿人である事に異論はなかろう。ならば、「いかに寿人に点を取らすべきか」が、チームの主題となるべきだと思う。ところが、寿人は敵サイドバックの攻め上がりのマークから、ウィングプレイから、中盤へのつなぎの参加から、動き過ぎる仕事を余儀なくされた。これは、本人の問題でもあるし、周囲の選手の問題でもあるし、オシム氏の指示の問題でもあろう。上記した守備ラインのこなれが、問題を解決していく事になるとは思うのだが。
しかし、肝心の場面でミスをせずにいかに得点を決めるか、これはフォーメーションや要求されるタスクとは別物のはず。このレベルの相手で見えてきた問題点を、いかに正すか。まずはJでの改善を期待しよう。
2つ目は山岸の消極性。やや左右がアンバランスな3−4−3的なフォーメーションで左のウィング、反対のウィングは点取り屋の寿人、後方のサイドMFはアレックスと言う、非常に難しいポジションに起用されたのは確かだが、ボールの引き出しも消極的だったし、よい体勢でボールを受けた後も逃げのパスばかりだった。もう1回くらいは機会を与えられると思うが、非常に厳しい言い方になるが、少なくともこの日の出来では、「場違い」と言わざるを得ない。あのポストを叩いた一撃が決まっていれば、印象も随分異なっていたのかもしれないが。潜在能力は抜群のものがあると期待される逸材なのだから、とにかく仕掛けて欲しい。
そして3つ目は遠藤の自覚不足。期待されているのは、完全なチームリーダなのだ。ボールを持った時に、絶えず敵の隙を突いて突破を狙う、周囲の選手の特長を理解し活かすべくボールを回す。ところが、この日の遠藤は、およそ甘えたプレイを言ってきた。このポジションには、中村もいる、小笠原もいる、そして今は不振に苦しんでいるが小野もいる。中村は遠藤の1年上、小野と小笠原は同級生。つまり遠藤にとって、若さが武器になる訳でもない。若さと言う意味では、梶山なり本田なり梅崎なり柿谷なりが出てくるかもしれないのだ。彼らが不在の時に存分に君臨しておかねば、遠藤の2010年は無くなってしまうかもしれない。だからこそ、一層の君臨に期待しているのだが。
そして、遠藤のライバルがさらに登場した。憲剛である。
憲剛と交代出場した播戸と共によかった。0−1でリードされての起用。「点を取るしかない」と言う、わかりやすい状況だったのだが。おそらくこの2人が、味方として一緒にプレイするのは初めなのだろうが、ぶっつけで結構連携が取れていた。そして、中盤の憲剛が前線の播戸を狙うと言う攻撃の主軸(「チームとしての攻撃の狙い」とでも言おうか)ができた事で、終盤日本は攻勢を取る。
とは言え、2人ともやや敵陣に急ぎ過ぎていたのも確か。憲剛は絶えず敵陣を狙って無理なパスを繰り出していたが、たまに外を使うとか、自分で外に流れるとか、強引に前線に進出するとか、長谷部のドリブルを使うとか、もう一息の余裕が欲しかった。播戸も、勝負どころでちょっと立ち止まるとか、たまには我那覇と前後の位置関係を変えるとか、羽生と左右の位置関係を変えるとか、何がしかの変化をつけて欲しかった。
ともあれ、悪くない試合だった。結果を除いては。
ホームの有利さはあっても、明らかに見えたガーナとの差。今、ガーナと中立地で10回試合をしたら、せいぜい2勝3分け5敗くらいの差があるか。でも、上記した改善や積み上げを繰り返せば、3勝4分け3敗くらいには、十分持ち込めそうな気がした。問題は、2010年でベスト8以上に行くためには、5勝3分け2敗くらいまでは、持って行かないと厳しい事。
そのためには、今日登場した17人あるいは登場できなかった選手達の何人かが、本当にスーパーな選手になるまで成長する事が必要なはず。
2006年10月05日
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キリンチャレンジカップ 日本 0−1 ガーナ
Excerpt: キリンチャレンジカップ2006日本 0−1 ガーナ《日本》GK:1 川口能活(cap) DF:4 水本裕貴 6 阿部勇樹 20 今野泰幸 MF:8 三都主...
Weblog: ミューズとソフィア
Tracked: 2005-01-01 00:00
阿部勇樹という存在
Excerpt: 仕事が忙しく、ガーナ戦は生観戦どころか、録画を早回しで見ただけになってしまいました。やはり新しい代表メンバーの面々の国際経験の無さを露呈した試合でしたね。ガーナ選手と一対一ベースでほとんど勝てず、相手..
Weblog: 六国見山★鵠沼海岸
Tracked: 2005-01-01 00:00
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もちろん共に代表に足る選手だと思っていますが、今回はクラブの方でも少し調子が下向き加減かな、というところだったこともあり、ちょっと巡り合わせが悪かった感があります。次に期待したいです。
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それだけ武藤さんの見解を期待しているということで。。。。<br />
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今後も楽しみにしています。
その突込みが少ないといえば確かですが、裏には三都主がいたわけで、守備面が心配だったのだと思います。<br />
もう一度チャンスがあれば、もっと突っ込んでいく部分を期待したいですね。<br />
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早く海外組が合流してほしいものです。
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本田とか梶山の素質はナイジェリアユース組並なので<br />
あと2年でA代表レベルにまで上げていきたいです。<br />
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小笠原や小野はこの4年の停滞が致命的になっている気が。<br />
求められている質が違いすぎるので本山はもう代表には入れないと思います。<br />
サントスと遠藤はもういいです。加地も。<br />
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小笠原がいれば寿人も生きたと試合後に考えた後<br />
4年前にオシムだったら、と悲しくなりました。<br />
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遠藤は三浦淳や山田暢のように飛びぬけた能力がありながら<br />
それに甘んじて満足してしまい、代表レギュラーに成長しきれなかった選手だと思います。<br />
20歳時の彼らの可能性は素晴らしかったのに試合で走る事を怠ったためにこの程度の選手に。。。<br />
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ワールドクラスの選手は走るんですよ。<br />
バッジョだってストイチコフだって、カウンター攻撃となれば毎回50mは走ってましたよ。<br />
若い時のフィーゴなんて、毎試合ヘバるまで走っていました。<br />
守備で走っていないかもしれないけれど、その分攻撃ではちゃんと走る。<br />
遠藤、今回もゴール前まで走りこんだの1回だけでしたよね。。。。
同じく、すばらしいので紹介しておきたいサイトです。既知だったらすいません。<br />
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http://blog.livedoor.jp/znet/
ましてやznetなど。<br />
ふざけているし、縁起でもない!?<br />
それとも本人なんですかねぇ
変なアンチがいることでも有名なようです