「ヴェルディはまあ監督がアレだ、もう浮上はない。昇格争いは、ヴィッセルとレイソルと横浜FCとベガルタの4クラブに絞られるはず。そして、やや選手層が薄く、30代後半のカズや山口を軸にする横浜FCはいつか落ちるはず。とすれば、最悪でも入替戦出場の3位には入れるだろう。自動昇格もよいけれど、入替戦を戦うのもまたよいではないか。いや、そこまで行けば、まあサポータのナニで勝たせる事もできるだろうし。」
と、まあこのBLOGで語っている講釈を、そのまま口頭に移したような強引な理屈を吹聴していた訳。
でも、横浜FCは落ちなかったのだ。
一方でスコンスコンと落ちて行った我がベガルタだが、これについては別途(ちなみに28日発売予定のサッカーマガジンに、板垣晴朗氏によるベガルタの今シーズンの総決算が掲載されます、仙台を拠点にベガルタのピッチ内外を堅実に追っている板垣氏らしい落ち着いた視点での、見事な総決算ですので興味ある方は是非)。
何故、横浜FCは落ちなかったのだろうか。
一言で言えば監督の高木琢也氏の卓越した手腕と言う事になるだろう。そもそも、J2第1節が終わった時点での前監督更迭劇が行われた際は、横浜FCフロントは「日本中のサッカー関係者の笑い者」と言う風情だった。事実、私も唖然とした。しかし、私を含めた先見性の無い人間達と異なり、横浜FCフロントの慧眼鋭かったと言う事なのであろう(やや棒読み)。
高木氏の凄みをいくつか具体的に述べてみよう。
第1に見事な守備組織の整備。それもシーズンを通しての固定メンバではないのだから恐れ入る。早川、小野、鄭、そして山口の4人はほぼフル出場だが、トゥイードの離脱などメンバは結構入れ替わった(早川、。終盤戦に補強したベテラン小村を含め、どのような組み合わせでも巧く機能したのだから、高木氏は守備網の構想のみならずその維持にも成功した事になる。しかも52節、もとへ51節の長丁場において。見事としか言いようがない。
第2に補強選手の活かし方。横浜FCフロントはシーズン半ばに次々と的確な選手補強を行った。アレモン、崔成勇、滝澤、小村など。正直言って傍目から見ても、「巧い!」と言う補強だったのが、よい補強もそれを使いこなす監督あってこそ。ある程度巧く勝ち続けているチームに、これだけ実績あるタレントを増強すれば、普通はチームがギクシャクするものだが、鮮やかに各選手を使い切った。カズと城とアレモンをバランスよく使って機能させるなんて、並の監督ではできないよ。
第3にカズと山口をとうとうリーグ終盤まで壊さずにかつ健全に使い切った事。大ベテランと言うのは、機能さえしていれば、若い選手のよい模範となり、チーム全体の精神的支柱となる。しかし往々にして、負傷で離脱する事が多く不在の時の戦力確保が問題となる。また、チーム事情によりレギュラから外れたりすれば、不満が表に出る事もありチームの雰囲気を崩す事もある。この扱いの難しい両者を、同年代の高木氏が御したのだから大したものだ。大体、氏はかつての代表のチームメートのカズより若いのだから凄い。
同世代で日本代表のFWを争った長谷川健太氏と言い、30代の優秀な監督が登場してきた事は、実に頼もしい。
それにしても、菅野はいい。
もう1つ、社長の奥寺氏の存在。現役時代からの蓄積、経験は言うまでもない存在。このような経歴のある人が、「経営者」として成功体験を積む事は、大変困った状況にある日本協会にとっても非常に重要な事だ。
さて、年間最優秀監督には、高木琢也を選ぶか、大木武を選ぶか、愉しい酒の肴だな。
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菅野は確かによい感じです。試合前のキック練習を見てその精度にびっくりしました(でも J1 レベルでは当然の技術かも)。<br />
年齢もとても若いので、もしかしたら早いうちにどこかの代表クラスに…と期待してしまいます。<br />
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それにしても補強は本当に見事でした。小村とかは緒戦の神戸戦からバツグンの働きでしたよ(あの試合は負けましたが…)。<br />
アレモンは京都に戻されちゃうかなー。城もいなくなるし、来年は FW のいい補強が必要かも。<br />
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そして最後に。僕は三ツ沢でなければ見に行きませんからね!(笑)<br />
逆に言うと、J リーグ理事会で昇格が認められずに J2 に留まったとしても、三ツ沢開催なら今まで通り見に行きますよ!
ありませんけど、金の使い方が上手いフロントは<br />
良いです
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引退後解説者に転身した高木氏ですが、平易な言葉で実に論理的な解説をするものだなと驚いていましたが、今考えるとそれも監督業に求められるスキルなんですよね。<br />
この時期で現役時代以上の成功を期待するのは早すぎるでしょうが、将来有望な青年監督の出現はうれしい限りです。
高桑解雇はノリヲ復帰の伏線なのか?