いよいよ五輪予選が幕を開ける。どうにも反町氏には厳しくなる私だが、20年前ならいざ知らず、香港が相手なのだから、少なくとも明日に関しては何の心配もいらないだろう。せっかくだから、過去の五輪1次予選を振り返ってみる。
88年のソウル五輪までは、アジアからは五輪にフル代表チームが出る事ができたので、ある意味で全く異なる大会と考える事べきだろう。したがい、議論はバルセロナ五輪を起点にする。
と言う事でバルセロナ予選。この予選はJSLがプロ化に向かう過渡期に行われた。下川、石川康、永山、名良橋、名塚、藤吉、神野と言ったJSLで活躍しているプロ選手と、澤登、原田、小村、相馬、藤田、名波、永井、文丈と言った大学生チーム所属選手を組み合わせると言う非常に難しい時代だった。しかも主将の澤登が大学チーム所属なのだから。それでも1次予選はインドネシア、台湾、香港とのホーム&アウェイで5勝1敗(1敗がよりによって香港なのですねえ)。2次予選については、書き始めると怒りが止まらなくなりそうなので割愛。
続くアトランタ予選。Jリーグ開幕以降、初めての五輪予選。豪華絢爛な攻撃ラインに期待は高まった。既にA代表の中核が約束されていた前園。そして小倉と城の2トップ。さらには幻のスーパースター山口貴之。知的なドリブラ森岡茂(彼をウィングバックに起用する発想の貧しさが当時は悲しかった)。1次予選の初戦、当時ドリームチームとまで自称したタイと敵地で戦う事になった。結果は完璧な試合で5−0で完勝。小倉が壊された事を除けば完璧な試合だった。そして、この日またも負傷した小倉は選手生活中ずっと負傷と戦い続ける事になった。この小倉と城が完璧に機能したタイ戦については、また機会を改めて講釈したい。そして、負傷に苦しむ小倉に代わり、このチームに中田英寿が加わるのは約1年後の事である。
シドニー予選。トルシェ氏は1次予選を完全にテストの場として利用。次々にメンバを入れ替えた。東京ラウンドは、トルシェ氏は山本氏に采配を任せA代表のコパアメリカに行ってしまった。まあ、この1次ラウンドの「テスト」は凄かったが、トルシェ氏は最後にしっかりと結果を出した事が重要だ。この予選で何が悔いが残るかと言うと、小野が壊された事。それもフィリピン選手の極めて悪意あるタックルだったから腹が立つ事この上なかった(予選も終盤になり、フィリピンの選手はリーグ戦を戦い続ける事そのものに疲労していたのだと思う、当時からシード方式があればあの悲劇はなかったのではないかと思うと残念)。
アテネ予選。ミャンマーとホームで2試合と言う変則的な予選となった。この時は前年のアジア大会で準優勝するなど、既にチームの骨格は出来上がっていた。せっかくの骨格を「テストごっこ」で監督が自ら壊していくのは、この後の話になる。そのような意味では、未だ骨格を作る事ができていない(と言うより自ら放棄している)反町氏は、山本氏より劣る事になるのだが。
以上振り返ってきたが、過去4回とも何ら1次予選は問題にならなかった。しかも、今回は、総当りリーグ戦で2チーム抜けの方式であり、日本の予選敗退は全く考えられない状態(面白いのはサウジ、豪州のいるグループだけがやたら厳しい事)。ただし香港、マレーシア、シリアと、それなりに抵抗が期待される国との対戦が続く。選手達は、厳しい国際試合で、やや力の落ちる相手から確実に点を決めると言う経験がたっぷりつめるのが、今回の1次予選だ。
再三講釈を垂れてきたが、日本サッカー界全体が育んできた優秀な選手を適切に競争させながら配置し実力通りに本大会に出場する事。そして本大会では、創意工夫を含めて勝ち進む事。その結果、各選手に経験を積ませて成長させ、1人でも多くのA代表選手を送り出す事。それが反町氏の仕事だ。そのためには、現状では奇策は一切不要なはずだ。
まず香港戦。豊かな発想と高度な技巧で敵陣を次々に打ち破る試合を期待したい。
2007年02月27日
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東南アジアや南米のチームがよくやるように
ゲームの結果を諦めた時点で
明らかに日本選手を壊しにくるプレーが始まりました。
そんな徴候が現れた時には、次のプレーで誰かが
「そんなプレーは許さないぞ」というお仕置をすれば
それ以上にはならないんですがね…
昔はいましたよ、藤島とか…
誉められたものじゃなかったです。
相手のプレーが荒くなってきているのに
相手に対して後ろ向きでボールをキープして
ファールを貰おうとしていたから。
ヨーロッパでもこんなプレーしたら
確実に削られます。なので正対して
相手のプレーに対処するべきでした。
アトランタ予選のタイでの試合を当時タイに駐在しておりまして、現地タイスパンブリーで観戦したことを懐かしく思います。
この日現地はものすごい猛暑で日差しもきつく、スタンドに座っているだけでクラクラしそうなほどでした。この暑さは日本に不利な戦いになることを予感させましたが、予想外?なほどの圧勝。周りで観戦していたタイ人も最初は威勢がよかったのに途中からは続々と帰路につく始末。それは日本人としては気持ちがよかったことを覚えています。
スタジアムからの帰りのあしがなくて困っていると、駅まで乗せてくれたタイ人のやさしさも忘れられません。『日本はすばらしいチームだ!』としきりにほめてましたね。