2013年10月09日

間違いなくCリーグに負けていた事

 少々古新聞だが、レイソルのACL苦杯について。
 多くの方々が、要因として、過密日程と広州の資金力(それに伴う強力な外国人前線選手の獲得)を挙げている。その2点が直接要因だったのには同意する。ただし、敗因とは少し違うが、レイソルの苦杯と我がベガルタの1次ラウンド敗戦を振り返ると、少なくとも我々がCリーグに明らかに負けていた事が思い起こされる。そして、私はその「敗北」が、気になって仕方がないのだ。

 とは言え、この日程ではどうしようもない。「敵地遠征前のアルビレックス戦の日程をずらせなかったのか」と言う議論があったが、あの1試合の調整でどうこう言える話ではない。少なくとも、リヤド往復が入った時点で(そして、リヤドでの勝ち抜きはとても輝かしいものだったが)、調整不能になっていたのだ。これだけ過酷な日程を強いられ、さらにベストメンバ規定で縛られているのだから、現実的に対応は不可能だったのだ(ネルシーニョ氏が、あまりターンオーバを好まないタイプだった事が、事態を一層悪化させた感もあるけれど)。
 過去幾度も語ってきたが、国内トップチームの日程は、明らかに破綻している。そして、その破綻を解決するために、抜本的な改革を行わない限りどうしようもない所まで来ている(それと正反対な対策を実施しようとしている事のツッコミは、本題ではないので、今日は一切行わない)。
 今はただ、レイソル関係者に「お疲れ様でした、そしてありがとう」と語るのみである。

 広州の前線選手の質の高さに嘆息する向きも多いようだ。本当かどうか知らないが、コンカの年俸は10億円を超えるとの噂もあった。確かによい選手だった。
 しかし、広州の選手達は、メッシでも、ルーニーでも、クリスチャン•ロナウドでもない。こう言った本当のワールドクラスの選手は、たとえ組織的で合理的な守備網が築かれていても、一瞬の隙を得点に結びつけてしまう。たとえば、2010年南アフリカでのオランダ戦のスナイデルの一撃などが、その典型だ。けれども、コンカにせよ、ムリキにせよ、そこまでの選手ではなかった。
 もし、ベストコンディションでレイソルが臨めていれば、組織的で几帳面な守備網を180分間継続できた事だろう。そうしていれば、レイソルは相応の確率で失点を最小限に留める事ができていたのではないか。そして、選手の体調が悪く、組織戦が機能しなくなればなるほど、個人能力差が勝負を左右し始める。そこで、コンカ達にやられてしまったのだ。レイソルの敗因は、カネがなかった事ではなく、体調を整えるだけの日程が提供されなかったために、資金力差をカバーできかなった事にあると見ている。

 と、議論したところで、今日の本題。冒頭に述べたように、勝負を分けた要因とは別に、Cリーグに我々が完敗した事が気になっているのだ。
 それは観客動員だ。
 レイソルが広州に引導を渡された試合、観衆は4万人を超えていたと言う。3月に我々が南京で堪能した江蘇舜天戦、こちらは45,000人近い敵サポータが熱狂的な応援をくり広げていた。平日のナイトゲームに、Cリーグのトップチームは、あれだけの観客を集める事ができるのだ。
 もちろん、そのような大競技場の所有も重要だ。競合する娯楽との比較も必要だろう。近隣地域の総人口も異なるかもしれない。けれども、はっきり言える事は、レイソルもベガルタも、平日の重要な国際試合に数万人の観衆を集める能力を持っていないと言う事だ。そして、私はその理屈が全く説明できない。どうして、Cリーグはあのような大観衆を集める事ができるのだろうか。たとえば、これが欧州や南米の「サッカー観戦が完全に定着した国々」ならば、わからなくはない。それとも、中国はそう言った強豪国同様、「完全定着」国なのだろうか。そうだとすると、中国代表チームがあれだけ無様な試合を連発している事が不思議になる。あれだけ、知性に欠け、力任せの愚かしいサッカーを、「完全定着」国民(言い換えると、平日のクラブの国際試合に集まる数万人に限定してもよいかもしれないが)が許容するとはとても思えないのだが。
posted by 武藤文雄 at 00:46| Comment(5) | TrackBack(0) | 海外 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。
観客動員の件に関して私はこう思います。
 日本ではサッカーの人気が低い訳ではありません。日本代表のホームゲームとなればどのスタジアムも満員に近い観客動員になりますし、テレビの視聴率も年間を通して相当に高いレベルの数字をたたき出すモンスターコンテンツに成長しております。
 その日本代表に広州恒大を当てはめると説明がつくのではないでしょうか。日本の中にはあまり広いとは言えない国土の中にほぼ単一民族が生活しています。もちろん、クラブチーム感のライバル関係などはありますが、基本的には他地域と対立する事無く、純粋に日本代表を応援しています。対照的なのがスペインで、スペインの場合はカタルーニャを始め自治権を持った州がたくさんあり、各地域のチームへの誇りに関しては相当なものがあります。中国も広い国土と多数の民族、異なる文化を抱えている事もあり、スペイン寄りの地域間のライバル心が非常に強い国です。その中の地域のチームは単一の文化、グループの代表として戦っているためにそのような現象が起こるのではないでしょうか。
 また、中国の代表チームの弱体化もそれに拍車をかけていると思います。W杯の予選では早々に敗退が決定し、対外的に応援する価値のある強いチーム、それが広州恒大ではないでしょうか。
Posted by まっく at 2013年10月09日 02:20
既に出てるけど広州人気は民族意識とか超ビッグクラブの立ち位置という面が後押ししてて、日本でやるとしたら賛否が分かれる。あと広州はアウェイの観客数も屈指だけど、あれはタダ券で現地のサポーター招待してる面がデカい
Posted by けう at 2013年10月09日 03:07
Cリーグの動員は北京、広州が3万前後で、残りのチームは15000前後が平均です。
そしてチケット代は無料同然に安い(1試合\300とかザラ)のに、あまり客は入っていません。
ではなぜACLだけあれほど客が入ったのか?
それはオーナー企業+地元政府による動員の効果が大きいのです。
サッカーで国際試合に勝つ、というのは共産党にとって非常に判りやすい成功です。
故にジャブジャブ金もつぎ込むし、利益度外視で物事を進めるのでしょう。
目に見えてバブルが弾けない限りは、中国にとってACLでの投資は続くものと思われます。
Posted by hdm at 2013年10月09日 03:20
普段はガラガラ、反日イベントとして盛り上がれる日本戦(クラブ含む)だけは客が入る
それだけの事に「CリーグにJは完敗」はちょっと強引過ぎませんか?
「Jはアジアで負けてる、大競技場が無いからだ」という方向に話を持って行きたいサッカー関係者の詭弁ではないかという邪推すらしてしまいます
Posted by A at 2013年10月10日 10:14
最近の武藤文雄は切れ味がないな〜と思っていたら、金子杉山病の兆候が出ていたか・・・。
Posted by at 2013年10月10日 23:34
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