2014年03月15日

4年目の大化け?

 87分、攻勢をとりながらも崩し切れなかったベガルタ。どうしても点を取りたい時間帯に、当然のように赤嶺を起用。代わりにピッチを去るのは大黒柱の梁勇基だった。スタメンで起用され、良好な動き出しから幾度も好機に絡んでいた武藤雄樹は、そのままピッチに残った。
 結果は出なかった。試合は結局0対0の引き分け。しかし、アーノルド氏が苦しい終盤に、梁ではなく武藤を選択した事実は大きい。武藤雄樹と言うフットボーラにとって画期的な試合となった。

 前半は芳しい内容ではなかった。
 相変わらず、前線でボールを受けると強引にウィルソンが単身で前進。この攻撃は、開幕以降の2試合でもアルビレックス、アントラーズに通用しなかったが、ガンバの守備ラインにも大きな脅威にはなっていなかった。さらにウィルソンが相当無理をするので、止められた瞬間に止まってしまい、いわゆるファーストディフェンスが機能しない。そのため、分厚い攻撃とならず、相変わらず苦しい展開だった。
 ただし、守備はよかった。序盤こそ、トップの倉田と、中盤を遊弋する遠藤爺を捕まえられずに危ない場面が多かった。けれども、この日トップ下に先発起用された武藤の前線からのプレスが機能し始めると、ガンバに前線によいボールを入れさせずシュートを許さない。そうこうするうちに、ウィルソンを孤立させずに武藤がサポートできるようになり、前半終盤には攻撃も機能し始めた。

 後半に入り、状況はさらに好転する。
 武藤があちらこちらに顔を出せるようになり、後方の選手からの精度の高い縦パスが武藤に収まるようになってきたのだ。さらに武藤は、ボールを受ける前からよく考えた受け方をするので、一発でターンを成功させるなど、幾度も前進に成功する。そうなれば、当然ウィルソンの負担も減ってくるし、より敵ゴールに近いところでボールを受けられるようになる。この2人に梁と太田が、さらには後方から両翼に進出する菅井と二見が、それぞれ絡む事で攻撃も分厚くなった。そして、幾度も幾度も好機をつかむが崩し切れず、悔しい引き分けに終わった。
 後半の守備は、前半以上によかった。ウィルソンと武藤を核弾頭とする攻撃が機能したのみならず、石川直樹と渡辺広大がしっかりと押上げ、富田と鎌田が見事な運動量でチーム全体をコンパクトに維持。さすがに遠藤爺の好技は持て余したり、後半から登場した米倉の前進に苦戦する場面はあったが、実に見事な組織守備を見せてくれた。
 陳腐な言い方になるが、「唯一なかったのはゴール」と言う試合だった。

 もちろん、まだまだ改善点は多い。
 無失点に終わったのは、東口、岩下、丹羽が固めるガンバの中央のプレイ振りが素晴らしかった事もある。特に後半半ばのウィルソンの単身突破をスライディングで止めた岩下、武藤の前進を憎らしい程のウェイティングで抑えた丹羽、そして幾度も落ち着いたセービングを見せた東口(この日、ザッケローニ氏はユアテックに来臨したと言うが、東口を見るのが目的だったのではないか)。
 けれども、ベガルタの攻撃が単調だったのも確か。梁以外の選手が、どうしても前に急ぎ過ぎで、岩下に読み切られた感も否めない。あれだけ攻勢をとれたのだから、時間帯によってはもう少しゆっくり攻めて、ガンバの守備陣を引き出したかった。そう言う意味では、後半に太田に代わって起用されたマグリンティに期待がかかる。落ち着いたキープも、強引な突破も、冷静なつなぎもできるニュージーランド代表選手。梁とは違うスローテンポの崩しができるタレントだと思っているのだが。
 人材も揃ってきている。僅か数分の起用だったが赤嶺の体調もよさそう。もちろん、柳沢も中原もいる。両翼をえぐるために佐々木、ノリカル、石川大徳も控える。コンパクトなサッカーに不可欠なGKの展開能力については、関は明らかに昨シーズンまでの守護神林を上回る。今日のガンバ戦で、基本的な戦闘能力は確保された。
 もちろん、これからのベガルタが順風満帆とまでは言わない。今日よい内容の試合ができたからと言って、それが継続できるかどうかは別な話。まずは次節に今日のレベルの試合ができるかどうかが、最初の課題となる。次節はNACKスタジアムでのアルディージャ戦、私も今シーズン初めての生観戦が叶いそうだ。何とも愉しみだ。

 ともあれ、今日は武藤雄樹だ。
 愛するクラブに同姓の若者が加入し、早くも4期目となった。過去3シーズン、厳しく批判してきたが、残念ながらこの選手は、俊敏で技巧も中々だが、判断力やチームメートからの信頼に課題は多かった。けれども、今日のプレイは素晴らしかった。上記したように、幾度も幾度も顔を出し、鋭いターンと突破から幾度も好機に絡んだ。今日のプレイを見せてくれれば、梁もウィルソンも武藤を信頼し続けてくれるはずだ。冒頭に述べたように、アーノルド氏は「梁ではなく武藤がピッチに残る」選択を行った。この試合に関しては、私もアーノルド氏の選択に全面賛成だった。
 ようやく、ようやく、武藤雄樹は大化けしようとしている。同姓の若者を歓喜と共に応援できる日が近づいてきている。
posted by 武藤文雄 at 23:27| Comment(1) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
同姓の選手がいてうらやましいです。見る時の気持ちの入り方が全然違ってきますよね。

今年のベガルタは、新監督と世代交代も意識しながらの一年になります。
その意味でも、今節のガンバ戦は一つのメルクマールかと思います。
武藤や二見たちの奮闘が、新たなサポーター獲得にもつがなるはずです。

観戦に来ていた手倉森さんも少しは安心できたかな?
まずはJ1残留!
Posted by たろうの尻尾 at 2014年03月16日 00:42
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