2014年10月17日

おぼろげに見えてきたアギーレ構想

 日本はブラジルに0対4、何とも味わい深い完敗でした。雑感をいくつか。

 スタメンを見た時に「おお、とうとう岡崎が腕章を巻くのか」と、ちょっと興奮した。しかし、腕章を巻いていたのは川島。ちょっとガッカリした。内部事情は知らないし、興味もない。ただ、必ずしも定位置を確保しているとは言えない川島と、完全なエースの岡崎。このあたりの主将の選考は、結構重要だと思うのだけれども。まあ、岡崎びいきの戯言として。

 なるほど、アギーレ氏が狙おうとしているサッカーが、おぼろげに見えてきたように思う。基本的には4-3-3(と言うより4-1-4-1)と選手を並べ、中盤の選手を組み替える事で、様々な戦い方をできるチームを作ろうと言うのだろう。実際ここまでの4試合のスタメンの中盤の3人は
ウルグアイ戦:森重、細貝、田中
ベネズエラ戦:森重、細貝、柴崎
ジャマイカ戦:細貝、柴崎、香川
セレソン戦 :田口、柴崎、森岡
 この4試合を見ても、常にタイプの異なる選手の組み合わせ。ここまでバラバラな事から、ようやくアギーレ氏の意図が忖度可能になってきた。セレソン戦の終盤の「森重、細貝、田口」と言う並びと、スタメンの「田口、柴崎、森岡」を比較するだけで、笑えてくるではないか。
 それにしても、田口、柴崎、森岡である。さすがにこの3人の構成でセレソンと戦おうとしているのには呆れた。3人ともJを代表するトップスタアだが、「これで守備が機能するのだろうか」と心配となる組み合わせ。ところが、田口をアンカーにしてそこそこにはバランスが取れた守備をしてくれた。攻撃時もこの3人らしいパス出しを岡崎が粘り強くキープする事で一応形を作れていた。失点時は、ジエゴ・タルデリが後方に引いた所に付ききれず完璧にやられたが、前半崩された回数はそうは多くなかった。細かな修正や、ボールを持った時の勇気に課題はあったが、これだけ国際試合未経験の選手達がぶっつけの布陣で相応に戦い、岡崎を軸に好機を複数回つかんだのだから、それはそれで評価すべきだろう。あくまでも相対評価ではあるが。
 そして前述した通り、交代を繰り返し、終盤に至り気が付いてみれば、森重、細貝、田口と言う並びになっていた。これはこれで、スタメンとは全く逆で、「どうやって攻めたらよいのだろうか」と心配になる組み合わせ。ところが、これはこれで、それなりに機能した。森重がディフェンススクリーンとして機能し、田口が丁寧に拾い、細貝がよく持ち出し、3人がそれぞれの個性を発揮して、本田、武藤、柿谷につないだのだ。まあ、0対4になってから、この布陣で戦う意味があるのかはさておき。
 やはり残念なのは香川の脳震盪。ジャマイカ戦の起用方法を見ても、中盤の「3」については、アギーレ氏としては香川を軸に考えているのだろう。その香川抜きで、セレソンと対峙する事になったのだから。え、「香川がシンガポールに帯同していても、本田や長友と同様にベンチだったろう」って!

 もちろん、ネイマールに対する守り方に疑問を感じたのは確かだ。前を向かさない事、視野から消えないように見張る事、最初に抜け出そうとする時身体を当てて加速させない事、前を向かれたらファウル覚悟で厳しく行く事、前を向いたネイマールにボールが出ないように厳しく自由を押さえる事。こう言った当たり前の事に厳しさが欠けていた事は否めない。
 ウルグアイ、ベネズエラン戦で凡ミスからの失点が続いた事と合わせ、アギーレ氏がこのあたりを、いかに修正していくのか。これはこれで愉しみにして行きましょう。

 色々な人が文句を言っている、「ジャマイカ戦で経験の浅い選手を試し、セレソンにはベストで戦うべきだったのではないか」について。うん、私もそう思う。
 おそらく、アギーレ氏は、日本のサッカーを過少評価しているのだ。あるいは気が弱いのだ。「就任以降、最初の2試合を1分け1敗で終えた。相当の幸運に恵まれない限り、ブラジルには勝てない。さすがに就任4試合で1勝もできないのはまずい。」と考え、考え得るベストの布陣で、ジャマイカ戦に臨んだのではないか。冴えない試合ではあったが、ジャマイカ戦は無事勝利。そして、その結果、ブラジル戦は経験の浅い選手を並べたテストが可能になった、と言う事ではないか。
 結果、田口、森岡、太田、小林は、日本代表初スタメンを、いきなりセレソン戦で体験できる事になった。森岡と小林には厳しい経験となったが、田口や太田は存在感を発揮できた。今後、このJのトップスタアである4人が代表に定着すれば、おそらくこのセレソン戦は「歴史的トライアル」と記憶に残る試合となるのだろう。そうならなかったら、それはそれ。「歴史的無駄遣い」も愉しいものだ。まあ、ネイマールの美しい4得点は、それはそれで歴史だな。
 いや、休暇をちゃんととって、シンガポールに行けばよかった、と悔しがっているだけです。

 同じフォーメーションで選手を代える事で戦い方を切り替える。大胆に実験(ラボ)を繰り返す。日本を過小評価(あるいは気が弱い)する。うん、懐かしいな。16年振りか。
posted by 武藤文雄 at 00:49| Comment(5) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
アジア枠が減るかもというニュースで喜んでいる阿呆な日本サッカーファンの方が憂鬱だ。
Posted by at 2014年10月18日 08:17
お久しぶりです。週末の惨敗で現実逃避をしておりました。エントリの記事から逸れるのですが【何故、浦和は仙台のホームで勝てないのか?】岐路につく途中の車中、皆でアレコレ考えたのですがいかんせんお通夜状態でしてw
仙台側の人間だからこそ見えてくる、わかることもあるかと思いますので是非ともお話を聞かせていただきたく思います。
Posted by at 2014年10月20日 05:11
>実際以上にJを貶める。
>まるで日本のサッカーだけがダメな印象を強調。
>それをチェアマンまでが同調する。
>何が嬉しくて、このような偽りを放送するのか。


武藤さんこそ、今さら何を仰っているのですか?
それこそ、日本のサッカーの伝統じゃ御座いませんか!
Posted by at 2014年10月22日 19:35
村井チェアマンとNHKサンデースポーツのことは、きちんとエントリーを立てたらいかがでしょうか。

知らない人も多いと思われますし、ツイッタの情報量は不十分で、どれだけ集めただけも中途半端ですね。
Posted by at 2014年10月23日 19:59
村井チェアマンは間違ったことは言っていない。
方向性は間違っていない。

日本人がヨロヨロやってるのが、Jリーグだから。

昔からサッカーファンで有名な村上龍だって、さんざん主張してきたじゃないか。

武藤文雄氏はともかく・・・

「国内厨抹殺!海外サッカー至上主義!よろよろやってんじゃねーぞ!」と、佐藤ミネキ氏を擁護していて煽っていたUG荒木武秀氏が、村井チェアマンをどうして避難できるのでしょう。
Posted by at 2014年10月26日 08:36
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