やはり、サッカーは愉しい。
久々の参加で、サッカーの愉しさを堪能させていただいた。
毎週末の少年団の練習でも、子供チームと試合はする。6年生くらいになると、もう俊敏さではかなわないが、小学生相手だと体重差は決定的。ガキのスピードについていけなくとも、身体を当てる事で、それなりに圧倒できる。
しかし、おじさん(おじいさん)どうしでは、そうはいかない。双方とも、スピードは劣化しているから、振り切られはしないが(それでも、「あなた、本当に50代ですか?」と確認したくなる、スリムで俊敏なおじさんもいたけれど)、身体は当ててくる。大人同士の身体の当て合いは当然互角となるから、重要なのは、以下の優先順位を考慮して、適切なプレイを選択する事となる。
1)相手のプレッシャ前にダイレクトパスをする(それがシュートだったりドリブルだったら、なお素晴らしい)
2)相手のプレッシャをよく見て、相手の届かないところにトラップし、よりよい位置によるチームメートにパスをする。
3)相手のプレッシャがきつければ、スクリーンしてキープする。
お互い、スピードがなくなったどうしが、ヨタヨタとこれらのプレイを連続するのが何とも愉しいのだ。そして、この優先順位は、毎週末ガキどもをからかいながら、教えている事そのもの。最前の選択肢を目指すが、敵の抵抗があればそうは行かない。それでも、事前の駆け引きをしながら、瞬時の判断で最前が叶わないならば、次善、三善を目指す。この駆け引きが堪らなく愉しい。
どんなにスピードが劣化していても、ボールを受ける前に極力敵陣に正対し、フェイントをかましてからボールを受ける。敵のプレッシャが厳しく、前を向ききれないと判断した瞬間に方針を変更、ターンしてボールをキープ、所謂「回る動き」で、逆サイドに展開を図る。このような駆け引きが継続される。持久力も、瞬発力も、すっかり劣化してしまい、若い頃ならば届いていた30mのパスが通らない。特に利き足でない左足のパスの精度は情けない。
それでもなじんでくると、敵の意表を突くべくノールックパスを狙えた(受け手の味方が私を信頼していないから通らない)。わざと引いてスペースを作っておいて、飛び出しダイレクトシュートを狙う(筋力が落ちていて、押さえが利かず宇宙開発)。敵DFの隙を突き、スローインからドリブルで抜け出せた(落ち着いてGKを外すシュートを狙ったつもりが、GK正面を突いてしまい悲しい)。
うん、サッカーは愉しい。
余談ながら、チームメートには、某J1トップチームの社長であるT先輩もいらっしゃる。高校時代の合宿、我々の練習に来て下さるT先輩の指導は、本当に厳しかった。いや、怖かった。私より十歳ちょっと年上の彼は、守備ラインでボールを持つと、中盤でウロウロしている私に対し、「こら武藤!ボール、呼びに来い!」と。いや、怖いから必死に受けに行くのだけど、17子の魂54まで。気分はちょっと、中村憲剛。
つらいのは心肺機能の劣化。うまく後方からのパスを受け、前をしっかりと向いて、前線に相応に精度の高いパスを出す。「やれやれ」と思って休むと「ハッ」と気が付く。前線で孤立しているチームメートをサポートしなければ。慌てて、サポートに寄り、リターンを受ける。しかし、その前進で息が完全に切れてしまい、ボール扱いがおろそかになりミスをする。
せめて、15m程度の疾走は繰り返せるようにならなければ。と、深く反省し、「夜中でも走り込みをしよう」と、心に決めた。と、思っていたら、階段を満足に上がり下がりできない。久々のサッカー、どうやら軽い肉離れを起こしてしまったみたいだ。
いや、難しいものだ。でも、難しかろうが、間違いなく言える事がある。
やはり、サッカーは愉しい。
現役の時に比べると、ボールを受ける前のルックアップや、ファーストタッチのアイデアが、格段に上手くなってたね。(というか、ゼロベースからの上達(笑))。
また楽しみましょう。