2014年12月18日

日本サッカー史に残る不運、細貝萌

 少々後手を踏みましたが、アジアカップ選考メンバについて。

 愉しい話をする前に、アギーレ氏が八百長問題でスペイン検察当局から正式告発された件にも触れておこう。
 重要な事は「推定無罪」。現時点では、氏は告発されたに過ぎない。何も天地がひっくり返った訳ではないのだ。日本協会は、アギーレ氏を守り、アジアカップ連覇を狙う代表チームに最大限のサポートを継続すればよい。そして、「推定無罪」であるアギーレ氏を、しっかりとサポートする姿勢を崩さない事が、日本協会のみならず日本サッカー界の、世界中からの信用確保につながる。
 日本協会の現状の対応は、おおむね妥当だと思う。ただし、国によって法律、運用は異なる。スペイン現地の事情を正確に把握した上で、常に「最新状況」の発表継続をすべきだろう。説明責任は重要なのだ。
 現時点で考慮すべきは、アジアカップ最中の出頭義務(あるいは出頭拒絶がアギーレ氏に非常に不利になる事態)が生じるかどうか。関連報道を読む限りは、そのリスクはほとんどない模様。とすれば、上記説明責任を果たしつつも、現場を守りアジア制覇を淡々と目指せばよい事になる。
 もちろん、「推定無罪」ではなくなる「万が一」への準備は必要だが、これはアジアカップ以降の事。水面下で行っておけばよいのだ。

 と言う事で、愉しい話に戻ります。

 それにしても、細貝の不選考については、さすがに予想だにしていなかった。ブラジルワールドカップに続き、このアジアカップも不選考。ブンデスリーガで安定し格段の活躍を見せてくれる、脂の乗り切った28歳のこのタレント。実力と実績の割に、あまりに代表運がなさ過ぎる。過去の日本サッカー史を振り返っても、ここまで悲運な選手は珍しい。しいて言えば、ジーコ時代の明神智和だろうか。ただし、明神は不運極まりなかったが、ジーコはジーコなのだか「仕方がない」と言う考え方もある。それに対し、細貝の場合は、ザッケローニ氏と言い、アギーレ氏と言い、真っ当な監督である。しかも、両氏とも当たり前に準備試合で細貝を選考し、かつ細貝は良好なプレイを見せている。それでも、2大会とも細貝は選考外になってしまった。繰り返すが、日本代表史上でも屈指の不可思議かつ悲運と呼ぶべきだろう。
 実際、アジアカップ制覇に向けて、本当に細貝抜きで大丈夫なのだろうか。中盤は長谷部、今野、遠藤、柴崎、香川、清武。遠藤爺と柴崎は挙動開始点を後方に置くのは問題ないが、敵をつぶすのは本業ではない。とすれば、長谷部または今野が、負傷あるいは出場停止になった瞬間に、中盤選手選考の間口は非常に狭いものになってしまう。もちろん、森重と長友の中盤起用はあり得るのだろうが。
 さらに言えば、ここまでのアギーレ氏の采配を見てみると、中盤の選手の組み替えで戦い方を切替えようとしていた。先般のセレソン戦で、スタメンを田口、森岡、柴崎と言う冗談のような攻撃的布陣として、終盤には森重、細貝、田口と組み替えたのが典型的な事例である。ところが、中盤で守備にある程度以上の強さを発揮できそうなのは、長谷部と今野の2人だけ。
 細貝の不在に、不安は高まる一方である。

 さらに言えば、ここまで起用される度に、戦術的に非常に高度なプレイを見せていた田口も選考されなかった。私は長谷部、今野、細貝、遠藤、香川、柴崎の6人は決定だが、FWを1人減らして田口を起用するものと思い込んでいた。準備試合で、あそこまでややこしい仕事を要求され、それを的確にこなしていた以上、アギーレ氏にとって、田口は特別な存在と思い込んでしまったのだ。
 正確な技術、狡猾な位置取り、粘り強い守備、効果的な攻撃、これらのすべてを所有する田口泰士。今回の痛恨を、今後にどう活かしてくれるか。

 細貝と田口の不選考、清武と小林悠の選考。
 清武の実績と実力は疑いない。ただ、選ぶならば、もっと早く選考すべきだった。このあたりは、初戦に皆川や坂井を起用したアギーレ氏のミスとしか言いようがない。また、ここで清武を選んだ最大の理由は、不振が続く香川への刺激なのかもしれないが。
 さらに、最前線は岡崎、本田、武藤、トヨクバ、乾とタレントが揃っている中での、ストライカ小林悠選考。準備試合でも明確な活躍ができず、しかもリーグ終盤負傷に悩んだ小林悠。アギーレ氏が、細貝と田口を切っても、選考にこだわった事となる。これはとても愉しみ。アギーレ氏は何らかの意図を持って重要な場面で、この狡猾で知的なストライカを起用したいと思っているのだろう。

 いよいよアジアカップが近づいてきている。
 様々な思惑が錯綜するが、過去のアジアカップの愉しさを思い起こすと、ワクワクしてくる。うん、愉しみだ。
posted by 武藤文雄 at 01:47| Comment(0) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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