2007年05月06日

豪雨の三ツ沢

 連休最終日。帰省先の仙台から自宅に戻る途中で、三ツ沢の横浜FC−ヴィッセルを見に行った。さすがに厚別までは行かれないし。もっとも、三ツ沢と言うところは、全く雨を防ぐ術(属名屋根)が全くないのが潔い。旅行の帰りと言う事もあり、雨具は全く不備。したがい、横浜駅前のスーパーマーケットで購入した雨合羽のみで豪雨をしのぎながら親子で観戦と相成った。
 両軍とも、サイドに攻撃的MFを張らせるボックス型の4−4−2でガップリ四つでぶつかる試合。ただし、双方のメンバ攻勢とチーム連携の成熟には相当の開きがあった。

 中々勝ち点を伸ばせない横浜FCだが、とにかく攻め手がない。
 久保はまだ体調不十分。運動量そのものもないのみならず、高いボールが取れない(マークしていた河本の高さと強さはなかなか、この選手は五輪代表候補になってもおかしくないと思うが)。久保本人もその事をよく理解しており、速くて低いボールを要求するのだが、久保好みのボールを当てられる選手(そのようなパスを蹴る事ができる選手)がいない。
 カズはプレイが始まると広範な動きで変化をつけられるが、仕掛けの絶対数が少な過ぎる。左サイドの滝澤、久保とトップに並ぶ藪田の2人もボールの引き出しが弱い。またセンタリングを上げられる場面となっても、各選手の意識が「久保にどう合わせるか」になっていない。後方からのフィードに対しては、空中戦を勝てなくても、センタリングとなれば久保の能力は活きると思うのだが。
 一方のヴィッセルはやや守備的ではあるが、一度よい体勢でボールを取ると、ボッティとキムテヨンからの展開の精度がよく、有効な攻撃を見せる。このドイスボランチのバランスがいい。ボッティの評判が高かったが、キムの強さと常識的だが安定したつなぎもなかなか(最初メンバ発表を聞いた時は金泰映なのかと思ってビックリしたが、全く別な韓国人選手なのね、でもよい選手だ)。余談ながら、この日は登場しなかったが、このチームはこのポジションに田中と言う機動的な選手もいたはず。結構選手層も厚いな。
 そうこうしているうちに、中盤で根占?のミスをレアンドロが拾い、ボッティが鮮やかなスルーパスを横浜守備ライン後方に通し、フリーで走りこんだ朴康造が先制。
 0−1の劣勢に業を煮やしたか、前半の終盤は山口が精力的に押し上げ、ボランチとトップの距離を短くして、久保に低くて強いボールを当てる事を狙い始める。確かにこのやり方は有効で、久保がシュートまでは行かずともボールを触れるようになり、横浜が好機を作りかける。しかし、好事魔多し。全体が前掛りになったところで、両軍ハーフウェイライン近傍でルーズボールをスライディングで取り合う場面。ボッティ?がスライディングから見事にボールを奪い、そこからの速攻から大久保が全くのフリーで抜け出し、技巧的な得点を決め2−0に。この場面が典型的だが、ヴィッセルは2列目の大久保と朴の動き出しが絶品。
 一方、得点力に悩む地元チームにはつらい2点差となる。

 後半に入り、カズに代えて内田が投入される。内田ならばある程度連続的な仕事ができるので、前半よりは有効な攻めが増える。さらに久保が後方に下がり左右へ展開の好パスをさばく。が、久保がゴールから遠くなればなるほどヴィッセルは楽になる(この日の久保のプレイ振りは、調子が悪かった時の釜本を思い出した、ゴール前では思うように触れないものだから、ちょっと引いて抜群のボール扱いでチャンスメーク。しかし、それでは...)。ヴィッセルも2点差と言う事もあり、3ライン全てを下げて落ち着いて守る。そして、横浜は前掛りになりヴィッセルのカウンタが冴える、と言うお決まりの展開に。
 横浜の浅いラインだが、ヴィッセルの2トップが巧く動き、前半以上に2列目の大久保と朴が裏を突く場面が増えて再三決定機を掴むが、菅野がことごとくファインプレイで防ぐ。
 横浜は難波をトップに投入する。難波はよく動くが、このあたりになると、山口と久保に疲労の色が濃く、ボールは出ない。スタメンから難波、内田を使い、彼らが持つところまで久保に絡ませる方が有効だと思うのだが。さらに横浜は室井をトップに入れパワープレイを狙うが、何ら脅威を与えるには至らず。逆に終了間際、きれいな逆襲から朴がとどめの3点目。

 横浜FCは抜本的な対応が必要だろう。不惑のカズ、30代後半の山口、小村。3人とも素晴らしい節制で、今なお元気ではあるが、この3人に体調が整わない久保の4人をスタメンに起用して、J1で勝つのは極めて難しい。悪い事に、奥(これもベテランだが)が離脱し、さらに攻撃で最も期待できる内田もまだフル出場は難しい状況。外国人が全く戦力になっていない(昨期の外国人選手はトゥイード、アウグスト、アレモン、崔成勇とそれぞれ役に立っていたのだが)のも痛い。菅野の存在が横浜の失点を常識的な範囲に止めているが、一方で破綻を目立たないものにしているために、フロントが執るべき手段、つまり補強を遅れさせてしまっている。
 このまま事態を放置した場合、ほとんど勝ち点を伸ばす事なくJ2に戻る事になるのではないか。
posted by 武藤文雄 at 23:50| Comment(4) | TrackBack(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
河本をお褒めいただきありがとうございます。一応去年、代表候補にはなっているのですが、昇格争いをしているチームからは選ばないとのことで招集はされていませんでした。田中はキムテヨンと比べ、技術が今ひとつでJ1ではボールを奪われてピンチになりがちで、また視野がやや狭いためテヨンのような配球はできず、スタメンを奪われてしまいました。そのキムテヨンは韓国のU-20代表に選ばれ、なかなか楽しみです。
Posted by 通りがかりの神戸サポ at 2007年05月07日 22:20
まったく同感です!
横浜は、早急に、26才前後の選手を補強すべきです!でないと、J2に間違いなく降格です!
Posted by ロナウジーナ at 2007年05月08日 09:42
うー、返す言葉が無いなあ・・・。
とは言え、武藤氏の講釈もそんなに奇抜、斬新な視点というわけでもないし、昨シーズン徹底的にリアリストでありつづけた大砲監督がわかってない訳はないと信じてるんだが。
Posted by kkk at 2007年05月08日 09:52
横浜FC・・菅野がこのままつぶれてしまっては他サポながらにもったいない。。。そんなタマではないでしょうが・・。

J2時代嫌って程止められた菅野をもってしてもあの失点ですもんね・・・。いいセーブしてるのに・・。
Posted by やま32 at 2007年05月08日 21:19
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