2015年01月21日

余裕のなさが不安(ヨルダン戦)

 日本はヨルダンに2対0で快勝、3試合を無失点で問題なくトップで準々決勝進出を決めた。もちろん、嬉しいし、日本の強さも間違いないのだが、「相当強いのだからこど、もっと余裕を持って戦ったよいのに」と思うのは、私だけだろうか。

 1点目は今大会の強みが存分に発揮された。長谷部の精度が高く速いボールが乾に入り、乾のちょっとした溜めから岡崎が抜け出し強烈なシュート、こぼれを全くフリーの本田が押し込んだ。本田が飛び込んだ時、「またポストに当てるのではないか」と思ったのは秘密だ(そしたら、終了間際、また当ててましたな)。
 2点目は前掛かりのヨルダンの裏を突き、交代出場直後の武藤が清武のパスから抜け出す。よくルックアップして低く強いクロス。香川が鋭く決めた(もっとも、香川のシュートはサイドキックで狙った割にはGKシャフィの正面に飛んだ、これを名手シャフィがこぼしてしまったのだからご愛嬌かもしれないが)。
 文句を言うとキリがないが、いずれもよい崩しからの得点だった。
 90分間のほとんどを日本ペースで戦いながら、ヨルダンが失点を恐れ後方に人数を残していた事もあり、速攻がそれほど機能せず決定機の数は少なかった。けれども、イラク戦に続き組織守備がよく機能、危ない場面はほとんどなく、上記のようにきれいな2得点。
 この3試合で、敵にほとんど決定機を与えず、当方は変化あふれる攻撃を幾度も見せ続けたのだから、結構な事この上ない。現実的に日本の戦闘能力がトップな事は確かだ。

 しかしながら、ここまで1次ラウンドで、無理をする必要があったのだろうか。日程的には一番苦しいグループであり、いかに選手を休ませるか、比較的経験の浅い選手を1次ラウンドで試しておくかが重要なはず。それなのに、アギーレ氏は「一戦必勝主義」を通してしまった。
 そもそも、スタメンを1、2戦と同じにする意味はあったのか。柴崎を起用し乱戦に慣らしておく、太田を使って(右に長友を移し)両翼攻撃を試しておく、豊田によるシンプルな攻撃を他国に見せておく、等色々な手立てはあったはず。もちろん、武藤をスタメンにして強引に突破を狙わせてもよかった。現実的に、そのようなスタメンにしても、ヨルダンに苦戦していたとは思えない。
 さらに試合が進み(内容的にも圧倒し)、ヨルダンのかなりラフなプレイ、イルマトフ氏の退場者を出さない配慮によるヨルダンへの甘い判定、後半開始早々の岡崎に警告を出すと言う氏としては珍しいミスジャッジ等が錯綜した試合で、岡崎(イラク戦で負傷していたと聞く)も遠藤爺も終盤まで引っ張る必要があったのだろうか。よほどの不運に遭遇しなければ、この2人がピッチから去っても、ヨルダンに点を奪われるリスクはなかっただろう。それよりは上記したような控え選手をどんどん起用して2次ラウンドに備えると共に、レギュラを休ませればよかったはずだ。まして、1枚目の交代カードで、清武を起用し(過去2試合途中交代していて消耗も少ない)乾を交代させる意味があったのだろうか。

 余談ながら、ヨルダン選手がラフプレイでファウルを取られる度に不満そうな表情をするのには失望した。4年前のアジアカップで健闘した以降、ワールドカップ予選でも日本に相応の抵抗を見せ、順調に強化が継続してきたはず。この日も気合が入っており、日本に対して激しいプレイを見せたのは結構な事だ。しかし、明らかなラフプレイで笛を吹かれたにもかかわらず、名主審のイルマトフ氏に不満を見せているようでは進歩はない。往年のイングランドの名手、レイ・ウィルキンス氏がせっかく指導しているのだから、選手達にはもっと矜持をを見せて欲しかったのだが。
 さらに余談ですが、アギーレ氏とウィルキンス氏は現役時代、戦った事があるのだろうか。誰か詳しい人がいたら、教えてください。。

 さらに今野がイラク戦の終盤負傷したと言う。恐れていた事態が現実になってしまった。この日、長谷部はかなりラフなタックルで削られてしまった。また、森重が敵との交錯で一時ピッチ外で治療を余儀なくされた。現実的に長谷部が壊されたら、代わりにCBを起用し、森重をアンカーに上げるのだろうか。ところが、その森重も壊れかけたのだ。
 過去も散々愚痴を語ったが、細貝も田口も選考しなかったリスクが顕在化してしまった。いや、別にこの2人でなくてもよい。ベテランの阿部勇樹でもいいし、高橋秀人と言う手段もあったはず。若手の遠藤航もアジア大会でこのポジションで頑張っていた。とにかく3枚目の守備的中盤選手を選んでおきたかった。
 このチームはCBのバックアップは昌子、塩谷、植田と3枚もいる。またFWの控えでは清武、武藤、豊田より序列が低いように思える小林悠もいる。けれども、これまでのアギーレ采配を見る限り、この4人が起用される可能性は、負傷者が出ない限りは非常に少ないと見る。
 そう考えると、「やはりもう1枚守備的中盤選手が欲しかったな」と、今さら無い物ねだり。

 案外と。
 アギーレ氏は、顔に似合わず、小心者なのだろう。1対0でリードし、あれだけペースを握りながらも、遠藤爺や岡崎の交代に躊躇するくらいなのだから。
 この小心振りが、ロシアでプラス方向に働く事を祈るばかりである。

 と、まあ色々文句を語ったが、日本が優勝候補最右翼である事は間違いない。韓国も豪州も、日本よりもっと余裕のない戦いを余儀なくされ消耗している。ある意味で一番厄介なウズベクは、中国に苦杯し別ブロックとなっている。
 文句を言い続けながらも、着々と日本は勝ち進むのだろうな。
posted by 武藤文雄 at 01:20| Comment(6) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
八百長疑惑でマスコミが騒いだせいで、リスクを選択しづらい状況になっているのかもしれませんね。
ファンとしては腹立たしい限りです。
Posted by at 2015年01月21日 10:23
乾の早期交代にしてはカードを考慮してのことでしょう。
レフェリーが後半やたらファウルを厳しく取るようになりましたからね。
退場を恐れたのはやむを得ないことかと思います。
Posted by at 2015年01月21日 20:40
ウィルキンスとアギーレは1985年のアステカトーナメント、翌年のワールドカップ前の国際親善試合で二度対戦しています。
アギーレはいずれもメキシコのキャプテンとして出場。
ウィルキンスは本大会がではモロッコ戦で退場して、それ以降は若手にポジションをとられた記憶があります、
Posted by ultrajin at 2015年01月22日 19:28
アンカーをできる選手をもう1人選ぶべきだったというのは同意します。
今のメンバーで長谷部、今野、森重以外にアンカーができそうなのは、
ギリギリ遠藤ぐらいでしょうかねえ(で、本田をインサイドハーフに)。
それで守備が安定するとは思えないのですが。

3戦目に主力を休ませるようなスターティングメンバーを選ばなかったのは、
チームの勢いを消さないためにも良かったことだと思います。
初めから遠藤out柴崎inでも何とかなったのでしょうが、
試合開始前まではリスクが高過ぎるかなと感じてました。
彼我の戦力差を見誤ってたと痛感しています。

個人的には、武藤を交代でCFに入れたのは良かったと思います。
1回だけあったかなと思いますが、今回貴重な追加点をアシストできたのは好材料でしょう。
Posted by at 2015年01月22日 22:54
不安的中しちゃいましたね
Posted by at 2015年01月24日 05:18
敗戦だとアップが遅くなっちゃうんですね・・いつもながら。楽しみにしてるんですが・・・
Posted by at 2015年01月24日 10:57
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