2015年02月05日

さようなら、アギーレさん

 短いお付き合いだった。
 「采配を除いて」非常によい監督である事が明確に判明していただけに残念だ。あれだけ、気が弱く采配面で課題が多いにもかかわらず、見事なチームを作りかけたアギーレ氏。ロシア大会で上位進出を目指す日本代表の基盤作りに最適な監督に、せっかく出会う事ができたのに。

 個人的には「推定無罪」原則を、日本協会が貫かなかった事は、いかがかと思う。事前には検討のしようがない今回の八百長騒動。残念ではあるが、しっかりと契約を結んだ仲間に降りかかった疑惑。事実はどうあろうが、「推定無罪」原則を日本協会が丁寧に主張し続ける矜持を持ち続ければ、サッカーに限らず日本史に残る快挙になると期待していたのだが。
 告発が受理されて強化云々がと言うが、大仁会長もいい加減、面倒くさくなったのだと思う。足を引っ張るマスコミ、我々はそのレベルの代表チームしか所有できないのだ、と諦める事も一つの経験だろう。

 アギーレさん、ありがとう、そしてさようなら。

 で、後任について。
 巷で「日本人監督を」と言う意見を述べるジャーナリストの方々が多いが、いかがだろうか。
 南アフリカ大会前に繰り返された岡田氏へのバッシング、と言うよりは誹謗中傷の嵐を考えると、日本代表監督の基本要件に「日本語が読めない事」を挙げた方がよいと思うのだが。

 ただし思考実験として、日本人監督を検討するのは、酒の肴としてはとても愉しい。実際、日本人を暫定監督として起用する可能性もなくはないだろうし。
 過去、幾度も講釈を垂れてきたが、「戦闘能力の低いチームをそこそこ勝たせる」能力と「戦闘能力がそれなりのチームを勝ち切らせる」能力は異なる能力なのではないかと思っている。日本人監督として、前者の代表が小林伸二氏、石崎氏、反町氏、城福氏あたり。後者で実績あるのが、西野氏、森保氏、長谷川健太氏。前者と後者の中間的存在が、関塚氏と我らが手倉森氏。ついでに言うと、後者で別格の実績があるのが、岡田氏と佐々木則夫氏。
 そして、日本代表監督に要求されるのは後者なのだ。反町氏の北京五輪代表での失敗、関塚氏のロンドン五輪でのそこそこの成功も、それを示唆している(まあ、2人とも予選の戦いぶりは本当にひどかったけれどね)。そして、上記にリストアップした日本人監督たちで、現在フリーなのは城福氏のみ。氏のヴァンフォーレでの成功と、FC東京での失敗を考えると、「やはり違うな」と考えてしまう。もっとも、このような評価は、甚だ主観的と言うか、好みの問題なのですがね。成功しようが失敗しようが、小林伸二氏に日本代表選手全てを手渡して、どのような鮮やかな采配を振るってくれるのだろうかと、思いをはせたい気持ちもあるんですよね。

 では外国人監督。こちらが、スポーツ新聞辞令をリスト化してくれている。もっとも、このリストで、真面目に検討されるべきは、オリベイラ氏くらいだろう。ただ、氏は既に64歳。この激務を託すには少々お年を召し過ぎた感もある。そこをどう判断するか。
 そして、この中途半端な時期ゆえ、フリーで良好な監督が市場にそうはいないだろう。

 ここは慌てるべきではないだろう。ワールドカップ1次予選で何かしらトラブルが起こる事はあり得ない。暫定監督として原専務理事または城福氏を指名する。戸塚哲也氏でもいいけれど。そして、半年先を目途に外国人監督を探す。城福氏なり戸塚氏を暫定監督とした場合は、彼らは当然本格監督を目指すだろうから、それはそれで成果を期待し、候補に加えればよい。

 サッカーに堪能し、40余年が経った。日本代表監督について、このような経験が積めるとは思いもしなかった。これはこれで、サッカーの魅力なのだろうな。たとえば2025年あたりに、今回のアギーレ氏退任劇を振り返った際に、どのような評価となるか。愉しみに10年後を待とうか。
posted by 武藤文雄 at 00:29| Comment(11) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
城福氏がFC東京で失敗とはどういうことですか?
ナビスコカップ制覇で結果も残しましたしやってたサッカーは当時は魅力あるものとして持ち上げられていたと記憶しています。少なくとも内容を批判する声は少なかったはず
降格したシーズンに関しては退団、怪我人続きで苦しい陣容だったと記憶しています。長友選手もワールドカップ後に移籍してしまいましたし
それに9月には解任されてるので降格の責任を全て城福氏に擦り付けるのも変かなと
Posted by at 2015年02月05日 01:25
アギーレ監督の退任はすこぶる残念です。残念すぎます。
こっからさ十年くらい迷走しそうな予感がばりばりです…orz
杞憂に終わって欲しいのですが…
Posted by むさきち at 2015年02月05日 01:55
「日本語が読めない事」と言う要件はあったほうがよいですね。その場合、少なくともピクシーは要件を満たさないことになります。
ピクシーの大ファンである私ですが、日本代表監督はやってほしくないです。
Posted by いつも読んでます at 2015年02月05日 08:38
「推定無罪」というのは、「有罪が確定しない限り刑事罰は受けない」ということですよ。裁判を抱えた人物とは距離を置くのが一般人としてはごく当たり前ことでしょう。ましてや、晴れがましい舞台に出ることのある人にとっては。

専門用語を勝手な理解で振り回すのは大人として恥ずかしいと思いますが。
Posted by TM at 2015年02月05日 14:57
TMさん

私は全くその方向の専門ではないので、強くは主張できないのですが、下記のWikipediaでは「狭義」だけでなく「広義」もあるとあります。狭義の意味だけだとTMさんの書かれている通りなのですが、広義の意味も含めれば武藤さんの使い方も間違っていないのでは?
もちろん、Wikipediaの記述が絶対正しいとも断言できませんが、一般的に広義の意味でも使われているとは言えそうですね。

http://ja.wikipedia.org/wiki/推定無罪
Posted by いつも読んでます at 2015年02月05日 16:30
原氏の責任と進退についてはどのようにお考えですか?
Posted by mau at 2015年02月05日 18:27
いつも読んでますさん、ご丁寧な異議ありがとうございます。ひきかえ、私の書き込みはちょっと攻撃的過ぎましたね。その点、反省しています。

「推定無罪」をそういう厳密でない意味で使うことがあるのは Wiki を見なくても感じています。武藤さんの論旨がもし「まだ有罪って決まっていないんだから今首を切らなくても良い」というライトなものであれば、それは一人の意見として尊重しますし、突っ込みもしません。

でも、武藤さんの書き方が「こういう言葉があるんだから今の時点で首にするのには非常識」、という主張のように思えたので、そういう風にこの言葉を振り回すのはどうかなと思った次第です。
Posted by TM at 2015年02月06日 14:33
とはいえ、片山祐輔容疑者にそのまま仕事を続けさせる訳にはいかないので、今回のことは仕方ないでしょうね。
今欧州で起きているのは、前からみんな知っていた不正を暴くキャンペーンなので、協会も選手も本当に不運でしたね。
日本人監督かというより、しばらく欧州南米出身者は避ける方がええのかな。
アギーレはほんとに「いい監督だったなあ」。
Posted by アイスフェルト at 2015年02月08日 00:08
え?ってか松本サリン事件の河野義行さんかもしれないのだが……。
 
ついでに『「ニュースでやってるしやっぱりアギーレは八百長やったんじゃないの」とか言ってる情弱はとりあえずこれを見ろ』のご検索をば。
Posted by トルェフスイア at 2015年02月09日 21:57
次期監督は日本人がいいのでは、と考えます。
Jでの指導経験のない外国人監督では日本独特の
・監督と選手の垣根さえ越える下克上の文化
・手段と目的の混同による滅びの美学
・チームの勝利より自分らしさを飽くなき追求
・スポンサーとの関係
と言った文化的な問題をクリアできないからです。
岡田さんは太平洋戦争の失敗さえ研究してこの辺をクリアしましたが、外国人にはちょっと厳しいのでは。

Posted by キシリッシュ at 2015年02月11日 17:46
いかにも、日本独特の「失敗の本質」じみた話だが、単に本田圭佑のことだろ。
厄介な金髪ギョロ目野郎だが、オーヴァージェネラリゼーションは、いかがなものか?
Posted by ↑のお方 at 2015年02月12日 12:21
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