ともあれ、過ぎてはしまったが去る5月15日は、Jリーグ開幕15周年だったのだなと。ちょっと驚くのは、Jリーグ開幕はほんの最近の印象が強いのだが、既に自分のサッカー狂歴の中ではもう半分近い年月になると言う事だ。
この年齢になり、ほとんどマンガと言うものを読まなくなって久しいが、さすがにモーニングに連載しているGiant Killingだけは、毎週気にかけている。実は上記の驚きを明確に感じたのは先日このマンガを読んでいた時。マンガの中の話だが、ベテランのサポータが嬉しそうに、主人公である監督の現役時代の思い出を、若いサポータに語っていた。15年の月日はそれぞれのクラブにそのような歴史を刻むものだなと。
正直な事を言うと、私はJSLを解散してJリーグを作る事に何がしかの精神的抵抗を感じていた。80年代半ばからJSLで見る事のできるサッカーは十分に面白いものだったからだ。清雲栄純氏が作り上げた岡田武史と宮内聡を軸にしたアジアチャンピオンの古河、カルロス・アルベルト・ダシルバ氏が率いたペリクレス−ラモスー戸塚哲也の読売。競技場で試合を観れば面白いのだし、選手はほとんどプロなのだし、このままのリーグ戦でよいではないかと思ったのだ。
確かにチームが首都圏に偏在しているのは問題だったので、ホームタウン制度(もっともチーム決定時にはフランチャイズと言っていたな、この違いはすごく大きいが本題からそれるので別な機会に論じよう)を積極的に導入するのは賛同できた。しかし、フタを空けてみれば、首都圏に5クラブがやはり偏在。さらにその首都圏の割り振りもいい加減で、読売は川崎をホームにと言いつつ明らかに全国区、横浜に日産と全日空が配されしかも全日空は九州を「特別活動地域」としていた。あげく古河に至ってはホームタウンの候補地だった習志野から追い出され(本来はそれだけで除名処分?になってもおかしくなかったはずだが)ようやく市原に本拠を構えながら東日本全域を準活動領域にすると言う怪しげな態度。実際、読売ほど酷くはなかったが、これら3クラブも当初は必ずしも地域密着には熱心とは言い難かった。首都圏と言う難しい地域ではあったが「何が地域密着だ」と言う思いがあり、「これならJSLのままでよいではないか」とすら思ったものだった。
また、それとは別にJSL屈指の強豪だったヤマハは政治的?に脱落(本件については昔このような文章にまとめた事がある)。本当に強いクラブが加入を認められなかった事が非常に不満だったのだ。
まあ、そんな事を考えていたので、素直でない私は15年前に全てを飲み込んでJ開幕を迎えた訳ではなかった。熱心にサポートするクラブもなかったし。
しかし、私は間違えていた。間違えていた事を10年前に反省したのがこの文章。そして、あれから10年、さらに状況は飛躍的によくなっている。10年前に書いたのは、単に代表強化にJリーグが寄与したと言う内容に過ぎないが、今はもっと凄い事が起こっている。それは多くのクラブが完全に地域に根付いた事だ。我が故郷で隔週ごとに愛するクラブが大観衆の前で戦っているのを初めとして、日本中にプロのクラブが展開し、強いクラブのサポータも弱いクラブのサポータも毎週毎週阿鼻叫喚を愉しんでいる。
そう考えると、本当に自分は先見性のない男だと思う。10年前にその先見性を称えた御仁は、それだけで大きな存在なのだから、晩節を汚している現状を見るに忍びないのだが。このままの状態を継続すると、東京五輪での得点以外の美点は誰も語らなくなる事に気がつかないのだろうか。どうしてもこの話題になるな。
ともあれ。
Jリーグがこれからどのような発展をするのかはわからない。今後も経済的に苦しむクラブが出たり、再びフリューゲルス消滅のような人災も起こるかもしれない。けれども、我々はJリーグを知ってしまった。これほどの快楽を一度皆が味わった以上は、我が国には必ずJリーグがあり続けるはずだ。
GIANT KILLING 5
綱本 将也

早くマジで23区(特に東東京)にJクラブができて欲しいと、あの漫画をみると余計に思うのですが。
23区本拠地でJを目指すクラブの一覧。
東京23サッカークラブ(東京都1部。江東区)
東京ベイフットボールクラブ(東京都2部。江東・品川・中央区)http://tokyobay.exblog.jp/
城北ランシールズ(東京都3部。北区)http://www.lanshields.jp/
他にもあるかも。応援に行きませう。
そんなクラブでも毎週毎週阿鼻叫喚です。とても愉しんでいる、とまでは余裕が持てません。
J2は降格がありませんが、地域リーグは昇格がないと消滅してしまう危機感が・・・。
「Jリーグは今思春期なんだよ。ちょうど反抗期だ」
と言っておりました。
だから親(協会・代表)と最近はうまくいかない。
いつまでも実家に頼ってばかりいられないと自立の志に燃え始めている今この時期に、
よき遊学先(ACL・世界W杯)よき師(オシム)と環境が揃っているのは幸運だ、とも。
あんまり巧い事を言うものだから、ついここに書いてしまいました。
祝15周年。
http://www.lunch-ds.com/ (ランチデリバリーサービス城北ランシールズ)
新世代科学研究所 所長 関根浩孝
http://plaza.rakuten.co.jp/lanshields/
私は板橋民主商工会に所属していますので宜しくお願いします。