2019年03月24日

まだ、後3年あるのですから

 日本0-1コロンビア
 おもしろい試合だった。

 共に、ワールドカップの上位進出を目指す、けれどもベスト4は厳しいかな、と言う地位。当方はホームだが3年後を見据え、吉田麻也、長友佑都、酒井宏樹、原口元気、大迫勇也と言った中心選手を招集せず。先方は、ほぼベストのメンバのようで、コパアメリカに向けた準備の一環。ただし、監督が変わったばかり、それも新監督があのカルロス・ケイロス氏。
 キリン殿が支援してくれる国内国際試合は、非常に位置づけが難しくなってしまっている。欧州でW杯やユーロの予選以外に公式国際大会を始まったことで欧州の代表チームの招聘が難しくなっていること、遠路はるばる来日する相手国のコンディションで試合内容が左右されること、日本協会の貴重な強化費用獲得の源泉の一つであること、我々サポータが日本代表の試合を楽しむ貴重な機会であることなどが、錯綜しているためだ。
 ともあれ、このコロンビア戦は、戦闘能力が伯仲した、実におもしろい試合となった。先方の真剣度、格段の戦闘能力、ケイロス氏の日本代表への知識、こう言った要素が加わったためだろうか。

 前半、コロンビアが中盤で軽率なミスパスを繰り返したこともあり、日本は再三ショートカウンタから好機をつかんだ。そして、南野拓実、堂安律、中島翔哉が強烈なミドルシュートを放ったものの、崩し切れず。
 後半に入り、コロンビアが選手交替でうまくペースをつかんできて、ほとんどボールをキープできない時間帯を作られ、微妙なPKで先制される。その後、中盤に起用された小林裕希がよくボールを触り、交代で起用した香川真司のキープ力、乾貴士のドリブルなどを加えて攻め返すが、崩し切れず。好機はそれなりに作れたが、決定機の数は明らかにコロンビアが上。また、失点するまでの後半20分間通して相手ペースを打開できなかったのも残念。ホームと言うことを考えれば、完敗と言うしかない展開だった。
 ともあれ、上記した通り、当方にとってはアジアカップを終え、3年半後に向けて、いわゆるラージグループを作る段階。新監督の下、短期的にコパアメリカを目指す先方とは状況が異なる。ホームとは言え、相手は強豪コロンビア。0-1での敗戦と言う結果は悲観するものではないだろう。

 ただし、細かい部分では、相変わらず森保氏のやり方には気になる点があった。
 鈴木武蔵のワントップへの抜擢。昨シーズン後半長崎でよく点をとり、今シーズン札幌に移籍し開幕以降よく点をとっている。リーグ戦で調子のよい選手を代表の親善試合で起用するのは、乗っているタレントに活躍を期待する納得できる采配だ。しかし、このタレントの特長である、裏抜けの速さや体躯の強さを活をねらう場面は、あまり見受けられなかった。強いて言えば、カットインした中島翔也のクロスをフリーでヘディングでねらった場面くらい。少なくとも、森保氏が周辺の選手に対し、武蔵の活かし方を、明確に指示していたようには見えなかった。それにしても、武蔵には、あのヘディングをしっかりとミートして欲しかったのだけれども。
 アジアカップ前の北川航也の起用方法を振り返っても、同じ印象がある。直前のベネズエラ戦やキルギス戦、北川は大迫や南野と並べて使われることはほとんどなかった。そして、アジアカップに入って、大迫の体調不良時に突然スタメンで起用され、ほとんど機能しなかった。
 森保氏に対して厳しい言い方をすると、武蔵にしても北川にしても、ぶっつけ本番で使ってみて、うまく結果が出るのを、ただ待っているように見えるのだ。
 
 柴崎岳と中島の使い方も相変わらず微妙なままだった。
 選手入場時に、柴崎が腕章を巻いていたのには少々驚いた。この日のスターティングメンバには、東口順昭、昌子源、山口蛍と、柴崎と同等以上の経験を持つ選手が起用されていた中で、森保氏は柴崎に主将を託したわけだ。いかに、氏の期待が大きいかがわかる。実際、この日の柴崎は、前を向いてボールを受けることができれば、再三鋭いパスを繰り出していた。
 ただし、この日の柴崎もアジアカップ同様に、曖昧な位置取りで、うまく組み立てられない時間帯も少なくなかった。特にコロンビアに圧倒的に押し込まれた後半立ち上がりから20分までの時間帯は、すっかり「消えて」しまっていた。と言って、ここぞと言う場面で、ロシアワールドカップの時のような信じ難いロングパスを通してくれたわけでもない。これは柴崎本人がチーム内でどのように貢献するかと言う意識、森保氏が柴崎の働き場をどのように設定するかと言う役割分担、それぞれが曖昧なままだからに思える。ここは、アジアカップ決勝での苦杯からの改善を見せて欲しかった。中盤後方は、この日堅実なプレイを見せたベテラン蛍、終盤起用されてよくボールに触り攻勢を支えた小林。さらには、大島僚太、遠藤航、三竿健斗、守田英正と、中堅どころによいタレントが多いだけに、森保氏の采配が問われるところだ。
 中島のプレイを見るのは楽しい。コロンビアの屈強なDF2人に囲まれても、切れ味鋭いドリブルで抜け出すことも再三。鋭いミドルシュートや、見事なラストパスも見せてくれた。ただ、相変わらず、周囲との連携は怪しいところがある。中島が敵陣に入ったところでボールを持ったところで、後方から左オープンに佐々木翔が攻め上がったところで、強引に内側に切り返して敵DFにボールを奪われ、2人で置いて行かれる場面があった。また、相手の遅攻時に位置取りの修正が遅れ、佐々木が敵と1対2を作られ、そこから崩されてしまうことが再三あった。一方で、独特のポジションからうまくボールを奪い、一気に速攻を見せる場面もあったのだけれども。
 この選手には、ある程度の自由を提供する方がよいのかもしれない。だったら、周囲の選手に対し、中島を活かすためのプレイを要求すべきだと思うが、森保氏は何か成り行きに任せているように見えてしまうのだ。

 まあ、ワールドカップ本番まではあと3年ある。まだレギュレーションが決まっていないようだが、日本が予選に本格参戦するのも、来年半ば以降だろうから、これにもまだ1年ある。今年は、コパアメリカと言う格好の経験を積む機会もある。あまり、慌てて細かい話を気にする必要もないのかもしれない。
 A代表と五輪代表を同じ監督に任せるやり方を採用するのは、20年振り。20年前と比べると、圧倒的に選手層も厚くなり、経験も積んだ日本サッカー界。当時のトルシェ氏の七転八倒を思い起こしながら、森保氏の強化を楽しむのも悪くないだろう。
posted by 武藤文雄 at 23:06| Comment(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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