2007年07月09日

爺さん、相手をリスペクトし過ぎです

 非常に残念な引き分け。この悔しい結果は、オシム氏の采配ミスと、失点場面直前まで完璧なプレイを見せていた阿部の経験不足によるものだった。しかし...

 前半からスローテンポの日本だが、気温34度、湿度70%。長期に渡る大会で序盤にピークを合わせる訳にはいかない事情を考えれば、仕方が無いところだろう。しかし、気になったのは上下動を期待されて起用されているはずの加地と山岸までが、中村や遠藤と同じスローテンポのプレイに終始した事。これではパスの受け手がいないのでボールは回らない。しかし、技巧と判断力の差は圧倒的なので終始日本ペースで試合は進む。
 山岸は、大柄な身体を活かして前を向く事が巧く、位置取りがよいのは確かだが、どうしてこうも消極的なのか。これだけ強力なMFが後方でボールを回しているのだ、オフサイドを警戒しつつ敵DFの裏を狙えばいくらでもボールは来るはずなのに。代表チームで期待される役割を理解していないのではないか。山岸の仕事は周囲の芸術家達をサポートし、彼らの芸術を引き出す事なのだ。この程度のプレイならば、太田か水野を右サイドに起用し中村を左に回すか、最初から2トップで戦えばよい。
 加地の消極さも残念。敵守備網が加地を相当警戒していたのは確かだが、その隙を突いて傍若無人にサイドをえぐっての加地ではないか。今野のアシスト、見事な守備振りを考えると、駒野が復帰した場合、ポジションは危ないのではないか。

 後半に入り、憲剛がドリブルで前進するようになり、好機が増え始める。先制点直前は、中村、憲剛、遠藤の技巧が完全に敵を圧倒した時間帯。中村との連携後の憲剛の完璧なスルーパスに、今野が長躯で抜け出しセンタリング(アウトサイドと言うアイデアもよかった)。最後は高原のきめ細かい得点力は流石と言うところ。難しい戦いの中、よい得点だった。そして、このような時間帯を増やせれば、どのような難敵からも得点は奪える可能性が高いのも再認識された。
 その後、日本はゲームをスローテンポに落とし一層確実にボールキープ。さらに運動量がある羽生を投入し敵DFラインを下げ、さらに橋本の起用で守備を固める。カタールの強力FWは阿部、中澤、今野、啓太が見事な対応で完封。着実に時計を進めた。

 やられたのは阿部のスクリーンプレイを主審がファウルに取ったもの。私が見た限りでは、ダイビングで敵FWが警告されるのが妥当。しかし、阿部はあの場面無理なスクリーンプレイをしなくとも、川口は着実にボールを取る事はできたタイミング。変に身体を横に捻った事でファウルを取られてしまった。阿部のアジアのタイトルマッチの経験不足が出た場面とも言えるだろう(もっとも、阿部のファウルは敵FWの進行を妨害したものだから、オブストラクションで間接FKが妥当にも思えたのだが)。その少し前に憲剛が不用意なFKを取られた場面も、明らかな経験不足によるもの。中東の選手は狡猾な倒れ方は得意だが、阿部と憲剛同様にアジアでは新参者の豪州の主審まで簡単に騙されてしまった(また豪州の守備選手には、阿部のような知的な位置取りを見せる選手が少ないのも痛かったかもしれない)。
 阿部も憲剛もこの日はよいプレイを見せていた。特に阿部は最終ラインで見事なカバーリングを再三見せ、この場面以外ではマンオブザマッチと呼んでも過言ではないプレイを見せていた。結局、これが経験なのだ。幸いこの試合はリーグ戦、トーナメントに入ってからでなくてよかった。この手痛いミスを取り返す機会はいくらでもあるのだから。

 しかし、このような不運を生んだのは、オシム爺さんの余りに消極的な采配に要因があった。羽生が起用された以降、疲労したカタール守備陣を羽生は蹂躙していた。もし、遠藤か中村に代えて、太田なり巻なり寿人なり矢野なり、脚力のある攻撃選手を起用していれば、カタールを一層追い込む事ができたはずだ。そして、2点目を取って勝負を決めていた可能性も高かったと思う。そうでなくとも、敵DFラインを押し下げる事で、自陣前のFKとなるリスクを軽減できたはずだ。
 ところが、爺さんは動かなかった。カタールのFWを日本守備陣は完全に止めており、リスクはほとんどなかったにも関わらず、より確実に試合を終わらせるために、遠藤も中村も残しボールキープを確実に行なおうとしたかったからなのだろう。確かに難しい初戦で確実に勝ち点3を取るために、慎重には慎重さを重ねる意図はわからなくもない。

 しかし、カタールはそれほど強いチームではなかったのだ。

 爺さんは、先日発刊された自著「日本人よ!」(とても面白い本だが、この題名は何とかならないものか)で、自らが敵チームに対して再三用いる「リスペクト」と言う言葉を詳説している。「リスペクト」の定義は「すべてを客観的に見通す」と言う事なのだそうだ。敵がブラジルだと過大評価し、敵がイエメンだと過小評価してしまうと例を挙げている。そして、「リスペクトし過ぎて負けてしまう事もある」くらい「真のリスペクト」を知るのは難しいとも述べている。全くおっしゃる通りだと思う。
 そして、この試合は典型的に敵を「リスペクトし過ぎた」失敗例だと思う。アジアの列強に日本は100%勝てる訳ではない。しかし、カタールクラスならば、相当高い確率で勝てるはずだし、今日の試合でわかった通り、個人能力の差は歴然としている。と言う事を認識し、敵を圧倒する事を考える方が「客観的な見通し」であり、勝利の確率は高まったはずなのだ。

 大変、大変失礼な事を申し上げます。爺さんにとっても、この失態は「よい経験」になるのではないでしょうか。所詮1次リーグでの事。アジアのレベルを過大評価し過ぎるべきでない事を爺さんは認識したはずです(さらに主審の異様な判定も)。もう爺さんもヘマはしないでしょう。
 この悔しい引き分けにより、我々は一層3連覇に近づいたのではないか、と。
posted by 武藤文雄 at 23:19| Comment(51) | TrackBack(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かに、「リスペクト」ですねえ。
守備でも攻撃でもしかけないで安全第一。
つまり攻撃ではドリブルして突っ込まないでパスの相手探しやら、守備では「飛び込まないで適度な間で対応」するやら。
攻撃時にドリブルすれば相手は集まってくるんですがねえ。で、集まればスペースが開くんですが。。。

まあ、結果については不思議と悔しくない。
「これがアジアカップさ」と達観しちゃって余裕かましてる自分がいるんですが、いいことか悪いことか。。。
Posted by あらら at 2007年07月09日 23:34
この授業料が高くつかないことを祈ります。


試合内容がグダグダだったと言う論調が多いようですが、
暑さを考慮して上手くボール回しをしていたと思います。
ただ、ゴール前に飛び込む人数の少なさが気になりますね。
高原一人か、たまに山岸(交代後は羽生)が飛び込んでくる位だったような・・・。
Posted by BNBN at 2007年07月09日 23:39
山岸については、オシムさんと武藤さんの見解がこれからも交わることがないくらいに全然違うんじゃないでしょうかね。
ちなみに私はオシム派です。
山岸、きちんと裏も狙っていましたし、動き直しもありましたよ。
特に後半交代前はほぼFWの位置取りで、引いて受ける高原に対して前で盛んに動いていました。
今野を前に出すこともできていました。
あれでボールが出てこないのは山岸だけの責任ではないでしょう。

個人的には、これだけの力量差がありながら武藤さんの言う技巧や芸術を試合を通して発揮できない両中村・遠藤にちょっと不満でした。

最近の武藤さんは、そういう点でちょっと色眼鏡かなと感じます。
いや、武藤さんは昔からそうで、私が気付いていなかっただけな気もしますが。
Posted by at 2007年07月10日 00:06
山岸は良かったんじゃないでしょうか?羽生も良かったし。
確かに、ボールは動いていたし日本ペースで試合は進みましたが、
加地の前進も少なく、リズムも一定で、エレガントとは言えない
試合内容だったと感じました。
個人的な感想としては…
一番の不満は、バイタルエリア付近での遠藤の消極性でしょうか。
得点の前後数分間で、3回くらいは自分で打てたのに、打たずに
カットされる、クロスはクリアされる…。
見ていてイライラしてました。
Posted by at 2007年07月10日 00:27
>「日本人よ!」(とても面白い本だが、この題名は何とかならないものか)

昔からサッカーの本を読ませ買わせようとすると、どうしてもこういう書名や惹句になる。


今度の湯浅氏の新刊本もそうでした。

>一番の不満は、バイタルエリア付近での遠藤の消極性でしょうか。
>得点の前後数分間で、3回くらいは自分で打てたのに、打たずにカットされる、クロスはクリアされる…。

その湯浅氏の新刊おあつらえ向きのシーンだったが、「日本人」としてしまうことで、かえって自己充足的な呪縛になってしまう陥穽に、当の湯浅氏をはじめサッカーメディアの多くは気づいていない。
Posted by 五反田西口 at 2007年07月10日 00:40
爺さんという表現、あまり好きになれないのですが・・・リスペクトが足らないんのではないでしょうか?
Posted by lemon at 2007年07月10日 00:41
技術的に不満はあるけど、あの布陣で山岸いなかったらもっとグダグダになるのでは?
1トップにするなら、遠藤、俊輔どちらか下げて
運動量や突破力のある太田、水野を入れた方が良い。
プレーイメージがパスだけの選手はうんざりだ。
梅崎早くA代表に来てくれ
Posted by carpe at 2007年07月10日 00:45
オシム監督は以前から水を運ぶ選手の重要性を再三再四述べていましたけれど、
実際にご自身がやっている選手の並べ方はまさに水が足りないように見えるんですがどうでしょうか・・・
Posted by at 2007年07月10日 00:56
武藤さんこんばんは。
あの時間での失点は厳しいものでしたが、
こんなもんじゃないでしょうか?
あれだけ引いた相手に崩して点を決めた事、
懸念されたカウンターをほぼ完璧に抑えた事は
評価できる部分かと。
前時代では想像もできなかった守備力の向上です。

次からの2戦はもっと効率よく支配できるようになると思います。
Posted by 山口 at 2007年07月10日 01:01
出身が鹿児島なので、同郷の遠藤は応援しているのですが・・・

皆さんのおっしゃるとおり、ちょっと消極的でしたよねぇ。。

クリアボールを拾った中村ケンゴ(?)からのボールを高原にヘディングさせて抜け出そうとしたプレーはアイディアもあり、らしかった、と思いましたが。

阿部のファウルは、テレ朝のスローを見る限り、オブストラクションではなく、ボールの無いところでのタックルでした。

阿部がボールの軌道上でコースをふさいでいたため、少し右側から相手が回り込もうとしたため、ショルダータックルしていました。
もちろん、ショルダー・タックル自体はファウルではありませんが、ボールと離れすぎていたため、取られた様に見えました。

ラフ・プレーに対する基準は厳しい(あまり取らない)様でしたが、どちらかに偏るでもなく、自身の基準に沿ったジャッジだったと思います。

*逆に終了間際のカタール10番に対するレッドはちょっと厳しいと思いました。
確かにボールから離れた橋本へのスライディングでしたが、あれは橋本がボールをとめた後、1.5mほど前ボールを置いて飛び込んだためで、それが無ければせいぜいイエローでは?
橋本の動きを予測できていなかっただけで、それほど悪質なプレーとは思えません。
Posted by 満ちろう at 2007年07月10日 01:27
阿部君がCB専門家でないことが他チームにバレましたかねえ。
あの場面、ボールに対してプレーするかのような素振りをみせつつスクリーンをしながら、なおかつ相手の出方を見て、押されるようなら倒れそうになって時間を稼ぐ、というのが正解だったのでは...
相手も元はウルグアイの選手だし、中盤で見せるような身体のぶつけ合いは禁物でしょう。
ここでポイントは「倒れそうになる」ことで、川口がキャッチングする時間を稼ぐだけでよい。ほんとに倒れたらシミュレーションを取られる。昔ビスマルクが得意だったね。

それにしても今野よ、壁に入ったら押されてコースを空けるなよなあ...
Posted by yoshida at 2007年07月10日 01:37
「大変、大変失礼な事を申し上げます。」
この一節はいいですね。
これから全エントリの冒頭に決まり文句としてお書きになってはいかがでしょうか。
面白いと思います。
Posted by GJO at 2007年07月10日 01:37
UAE戦では快速坊主坪井を出してほしい
Posted by ポロリーノ山田 at 2007年07月10日 01:59
>これから全エントリの冒頭に決まり文句として

たまに書くから面白いのでしょう。
Posted by kkr at 2007年07月10日 02:10
山岸はよくはないでしょう
少なくとも2回は完全な決定機はずしたし
羽生も決定機はずしてたし
どうして千葉がなかなか勝てないかを象徴していたと思いますけど
Posted by at 2007年07月10日 02:45
今現在、オブストラクションのファールってありません。
ボールに行っていない不当なチャージで、直接フリーキックの反則です。(ボールを全然見ていないで相手を見ています)主審の目の前でした。勝てた試合でしたが、これからこれから。

LAW 12 − FOULS AND MISCONDUCT<Direct Free Kick>
● charges an opponent

第12条 ファウルと不正行為<直接フリーキック>
●相手をチャージする
Posted by ラララ at 2007年07月10日 06:15
オシムが激怒したというと、「おまえのせいで負けた」事件を思い出しますね。
名指しで責められた坂本(現新潟)は泣き出しちゃったんだけど、これは4年前の話。
Posted by MadeInChiba at 2007年07月10日 08:09
山岸がいなかったらチャンスすら出来ていなかったと思いますよ。
他の選手は決定機すら作れていなかったんだし、高原だってあの得点以外動けてなかったんですから。
Posted by at 2007年07月10日 08:16
>ラララさん
同じ第12条に、間接フリーキックに関する条文があります。

競技者が次の反則を犯したと主審が判断した場合も、間接フリーキックを相手チームに与える:
●相手の前進を妨げる

まさしく『オブストラクション』(妨害)という内容ですね。

そうそう、勝てた試合でしたが、まだまだこれから。
Posted by けんた@4級審判 at 2007年07月10日 08:44
問題は橋本を入れてゲームをクローズしようとしたら
不用意なファウルとわけのわからない壁の作り方で
相手に一点献上してしまったことでしょう?

結果論的に攻撃的にいけば良かったと論じるより
実力的にもゲームを締めることが問題なく出来る相手に
クロージングを失敗してしまったことを問題視すべきです

これはチームの熟成度合いの若さの証です
昨日のカタール相手ならゲームをきっちり締めてくれないと困るし
無茶な要求でもなんでもないはず
それはもっと点を取れと言うことより
よほど簡単なことのはずですから
Posted by デフテッ子 at 2007年07月10日 09:12
ところで、
>相当高い確率で勝てるはず
のカタールに今まで一度も勝っていない事実も
重要なポイントだと思います。
それとあの帰化FWは日本の全選手よりも力は上でしょう。高原よりも。
確かにオシムは警戒しすぎですが、
武藤さんもリスペクトが若干足りないのではないでしょうか。
Posted by エメルソン at 2007年07月10日 09:31
 モウリーニョの至言
 「守備のポジションが無秩序なチームはボールポゼッションをしたときに速攻を仕掛けるタイプのチームに違いない。もしくはポジションに秩序がないためにボールを持ったら試合をぐいぐい引っ張って行かなければならないチームだ」
 いつまで耄碌爺さんの時代遅れのワーワーサッカーを持ち上げるのだ?
Posted by る at 2007年07月10日 09:51
上のほうでも書かれている人がいますが、
個々の力量差を発揮できなかったというなら高原が大きな責任を負ってしかるべきでしょう。
彼が個人的にチャンスを作り出した場面はほぼありませんでした。
1トップでマークがきついとはいえ、
前を向いてゴールに向かう、シュートを打つシーンがなかったのはとても残念でした。
特に追加点はそれで取れそうな展開でしたし。
Posted by at 2007年07月10日 10:18
最初の方で苦労しといた方が、チームのためには
いいんじゃないでしょうか。そういう意味じゃ
負けよりも、引き分けってのは悪くないです。
ここは、負けない程度に一回でも多く試合をやっ
てチームを作ってほしいな。
Posted by 神社米価 at 2007年07月10日 10:57
けんた@4級審判さん、ご指摘ありがとうございます。
●相手の前進を妨げる(間接フリーキック)、は相手がボールをコントロールしている前に立ち、進路を妨げる場合が多いですよね。阿部の場合は、不当なチャージをとられた、と思います。いずれにしても嵌められた阿部のミスでしょうね、あの位置は。。武藤さんのおっしゃるようにアジアのタイトルマッチの経験不足が出た場面なのかもしれませんね。阿部のリベンジに期待です。
昔は<オブストラクションの反則>という項目はありましたが今はないですよ、ということでよろしく。
Posted by ラララ at 2007年07月10日 11:20
今回は武藤さんに全面的に同意ですね。

オシムの消極的な采配も問題ですが、ずっと選手選考に問題があるような気がしてしょうがないんです。

中澤 トーリオ を選んでおいて、なぜそこに阿部を入れるのか。最初から 中澤 トーリオを選ばずフィード能力の高い選手だけで勝負するんだ!と、ボランチの選手だけを選ぶ覚悟の選考をするならまだ納得がいく。そこに意志がこめられた選考を感じることができる。でも、中澤 トーリオのようなDFを選ぶんだったら、次はG大阪の山口が来る筈です。山口のDF能力、フィード能力はかなりのものです。指示もできますし、阿部以上の安定感があります。

家長を外して山岸を入れたり変な選考ばかり。アジアレベル・いや世界レベルでもワールドユースで証明したように図抜けた個人技をもつ家長を右サイドにでも放り込んどきゃ、勝手に一人で崩してくれて相手サイドなんて後半の60分ぐらいになったらズタズタになってるのにな。と思いながら見てました。

でも、これほど豊穣な選手たちが日本に誕生したんだな。とそれを喜び感謝したいものです。
Posted by まさみつ at 2007年07月10日 11:30
最近のリーグ戦での家長はとてもがっかりなプレー振りですよ。
Posted by at 2007年07月10日 12:11
まさみつさん阿部に関しては最後のプレー以外は悪いプレーじゃなかったと思いますが。もちろんDFですから一つのミスがピンチに繋がるし慎重にプレーしなければいけないですが。
Posted by テツ at 2007年07月10日 13:33
カタールの23番(セバスチャン)は、危険でしたよ。
彼からボールを奪えたのは3人がかりで囲んだときだけだったような。
彼が引いてパスの出し手になっていたからまだ「流れの中での失点」にならなかっただけで、もう一人の選手から彼にバイタルエリアでラストパスを送られたらまずかったでしょう。
そういう意味では、試合中守備陣にほとんど手を付けなかったオシム采配は当然かなとは思います。
Posted by yosutebito at 2007年07月10日 14:23
まことに失礼ながら、冴えない結果の方が武藤節にキレがあるような(ネガティブなコメントのようで実は愛があったり)。
文意にほぼ全面的に賛成です。
ただ、羽生の投入の後、相手に追い込みをかけるように前線に運動量のある人材を投入すれば加点の可能性が...という論はもっともだと思う反面、爺さんはそういうつもりではなかったんだろうな、という気がします。少なくとも昨日は、ボール・キープを増して失点の可能性を下げるための山岸との交代ではなかったかな、と。そう書いてないだけで、そんなことは先刻承知、なんでしょうけども。
ユースと比べるようなおバカな論調はほっとくとしても、サッカー好きの界隈には爺さんの(特にゲームコントロールの)手腕を疑問視する向きも出てくるはず(もう出てるか)。相手を圧倒するような成熟を見せるのはもっともっと先なのだから、今はそのへんの声を静かにさせるような結果にはこだわって欲しいな、と思います。前回ほどではないにしろ。
Posted by sillywalk at 2007年07月10日 14:26
土壇場になればなるほどまたしても日本人は日本人であることを情けなくも実感してしまう試合。
本のタイトルにもしたくなるというものです(笑)。

このままでは相手チームは終盤トップを3枚にして肉弾戦に持ち込む作戦を皆取ることでしょう。かのW杯豪州チームのように。
早急に対処すべし…。(精神論ではなく技術的に)

リスペクトは相手を恐れることでは無いですよね。死者にも尊厳を、的気持ちなんだと思う。安らかにぶちのめして欲しいなぁ!
Posted by 爺さんににらまれた蛙 at 2007年07月10日 15:54
武藤さんの山岸嫌い炸裂!  や、冗談です
どこぞの人たちのように決定機を外した!こいつは駄目だ!と言うよりもよっぽど説得力あります。
実際彼の最大の欠点である消極性を見抜いてらっしゃるし、またその通りだと思います。
ただ完全に裏を取っていたにもかかわらず“技巧派MF”からのパスが長かったりDFに引っかかったりした場面もあったように思えます。
代わりに挙げられている太田や水野があの試合展開で持ち味を発揮できるかも疑問です。

それから阿部のプレーを不運と言うのは・・・
ただの集中力を欠いた怠慢プレーでしょう。スピードを落として体を半身で入れに行くという軽率かつ雑極まりないプレーに見えました。
代わりの選手がいないに等しいのでかなり学んでもらわないと困りますね。
Posted by touri at 2007年07月10日 16:59
「カタールをレスペクトした」というよりも、「暑さにレスペクトした」という感じじゃないかと。

戦術的には変える必要があまりなかった(そのままでも追加点が
入りそうだし点を取られそうでもなかった)ので、
バランスを変えて後方の選手の足が止まるのを恐れたんじゃないですかね。
オシム監督には東南アジアの夏は未知の世界でしょうし。

でも、選手はほとんど(全員?)東南アジアでの試合経験があるし、
そうでなくても高校総体やクラ選で8月の真昼間に中1日で連戦する
経験の持ち主なんですから。そう簡単には暑さにやられないですよ。
BSで山本さんが言ってた通り、「暑さに一番やられているのは監督」
なんじゃないかと。
Posted by masuda at 2007年07月10日 18:05
暑さに一番やられているのは監督というか、
そう簡単にやられないんなら、そういうことをちゃんと監督に伝えておけよということな気もします。
Posted by at 2007年07月10日 20:12
スピードを落として体を半身で入れに行くというのは軽率かつ雑極まりないプレーなんでしょうか。
Posted by at 2007年07月10日 20:15
>スピードを落として体を半身で入れに行くというのは軽率かつ雑極まりないプレーなんでしょうか。

結果、ファウルをとられて、負けているんだから、そのとおりでしょ。
ミスジャッジでもないでしょ。あれは。
Posted by at 2007年07月10日 21:56
結果をもって決められるんなら何でもどうとでも言えますがな。
それとファウルを取られたから負けたんじゃなくて、点を取られたから負けたんでしょ。

武藤さんの講釈について意味のない仮定ですが、
もし山岸の代わりに寿人が出ていて山岸と全く同じプレーをしていたしたら
もっとパスを通せない中盤の選手の責任に触れる文章になっていたかもしれないと思いました。
Posted by at 2007年07月10日 22:17
山岸は最悪でしょう。ボールコントロールがプロ選手ではない。
ノリオ神があのポジに必要でしょう。
遠藤を使うのなら、明神・橋本・二川が必要。
ガンバ以外で遠藤が活躍した記憶がない。
しかし、ドン引きのカタールに1トップはないでしょう。
3トップにするか、強力ミドルが打てる中盤選手が必要でしょう。
本当に、消極的な采配だった。
オシムの限界を見た試合だった。
この監督じゃ、世界どころか、アジアでも勝ちきれない。
あんなに、オシムに期待していたのに・・・・。
山岸を使用している時点ですでに、負けている。
あと、CBを舐めているオシムにも幻滅である。
所詮、MFはDFではない。
DFは最高にクレバーでなければならない。
Posted by 天邪鬼 at 2007年07月10日 22:53
3バックに対して1トップ(3トップ)で行くのは常識。
Posted by at 2007年07月10日 23:15
人の数だけサッカーの見かたはあるわけですが、
どうにもならない悪口みたいなことは書きたくないもんですね。
Posted by at 2007年07月10日 23:22
今回の収穫は今のオシムサッカーだけでは世界に通用しないっていうことがオシムさんが気づいたことではないでしょうか、(まだ2試合あるからそう信じたい。)
それが今まで他の選手を名指しで非難しても黄色チルドレンは何があっても擁護してきたのに、通訳さんを泣かすほど激怒したとか。
 私は全体では決して悲観するような試合ではなかったと思っています。前の時代のマグレ待ちのサッカーでの決定力不足より、あと少しの所まできているけれども決められないだけの決定力不足。可能性が違いますよね。本当はもっと個の力があるメンバ-ですが、オシム式でパスが最優先になっているのも問題かな。
ただ、たぶん今調子を上げているFWを置いておけばすんなり勝っていたとは思っています。
Posted by Mon at 2007年07月11日 01:33
>それが今まで他の選手を名指しで非難しても黄色チルドレンは何があっても擁護してきたのに、

そんなソースもはっきりしない曖昧な話を持ち出さなくても。
つか、なんぼでも今までしてたじゃないですか。
Posted by at 2007年07月11日 07:34
現状、他の選手はみんな有名だったり多くの人が好むタイプだったりするからか、
名前的に格の落ちる山岸だけがスケープゴートになっている感じですよね。
他の選手が活躍できなかった理由は武藤さんはじめ皆詳しく考察しようとしているのに、山岸だけは山岸だからダメ、という感じで。
(武藤さんの講釈も、正直なところ「自分の好きな選手が活躍できないのは山岸のせいだ」、としか言ってませんよね?)
もしかしたらオシム監督としては自分の責任の負うところが大きくなるのでその方がいいと思っているかもしれませんね。

私は山岸は悪くなかったと思っているので、自分の考えは正しかったということをあと2試合で証明してほしく期待しています。
そのためには両中村のどちらかを外してほしいですね。
Posted by at 2007年07月11日 12:36
私も山岸(&羽生)がスケープゴートにされている感じがしますね。勿論シュートを決められなかったのは彼らの責任ですが。

千葉時代、オシムが山岸を起用し始めてからそのプレーの不甲斐なさにジェフサポの「なぜ山岸を使う」という不満が少なからずあったのにもかかわらず、執拗に起用し続けて、ついにレギュラーまでに育て上げたという経過があります。

ただジェフサポは山岸のことを「気が小さい」「小心者」とも言っているんですね。武藤さんも触れられた、消極的なプレー態度が今の山岸の限界なんだと思います。それをオシムがどう考えているかは分かりませんが。
Posted by at 2007年07月11日 12:51
山岸はシュート数は一番多かったんですよね。
オシムサッカーは繋いでばかりでシュートを打たないという人も多いですが、
この試合ではその教えを長く受けた選手がたくさんシュートを打っていたわけで。
技術が、とも言われていますが、ではその技術のある選手たちはあれだけボールを持てる時間が長かった試合で流れの中でどれだけシュートを打ったのか、とも言えるでしょう。

前を向く時間の長かった中盤の選手や、強さでシュートに持ち込めるFWにももっとシュートを打ってほしかったですね。
打てば入る選手ばかりだったんですから。
それにそうすればもっと加地やなんかも上がるスペースができたかもしれませんし。
Posted by at 2007年07月11日 14:35
湯浅氏も武藤氏も山岸×なんですね
いや私もそう思いますよ〜
Posted by at 2007年07月11日 16:07
1トップの状況下でトップ下にフィニッシュを求めたいのであれば、元々ボランチとして特性を発揮する遠藤と言うチョイスはやはり物足らなく見えてしまいますよね。
選手としての技術やセンス等は今回のメンバーの中で上位レベルだとは思いますので、中盤の何処に据えても平均点以上のパフォーマンスは発揮するとは思いますが・・本来持っている特性を最大限に発揮させるには現状のポジションだと少し違うかなぁ?と感じながら見てました。

「ポリバレント」と言う御題目で本来なら一番能力が発揮出来るポジションと違うポジションを長時間強いられるのは幾らマルチな才能が有ったとしても、やっぱり選手自身は辛いんじゃないかと。
そんな状況下で起きた今回の阿部のファウルは、「ポリバレント」の弊害なのかもなぁ〜?なんて見方は選手を擁護し過ぎですかね・・
Posted by のら at 2007年07月11日 19:51
あの会場でおそらくただ一人長袖だったオシム爺は暑さにやられてなどいない。

バランス感覚を重要視する今のチームは世界には通用しても、引いてくるアジアにはやはり苦戦するかもしれませんね。あえてバランスを壊す頭のあんまり良くない猪型の選手を前目に1人混ぜたら活性するかも、と思ったり。
やっぱり播ちゃんだったかな〜
Posted by 爺さんに恫喝されたい at 2007年07月11日 22:27
湯浅氏は以前から山岸を評価していますよ。ホームページをちゃんと読んでいれば、分かる筈ですが。

それはさておいて、上記のように、バランスを無視してでも本能に従ってゴールに叩き込みたいという熱情型FW、つまり播戸がいれば…と私も思ってしまいました。オシム翁の想定内かそれとも誤算かは分かりませんが、チームに覇気がないのが気掛かりです。熱気がない。前回はあの殺気走った反日ムードがかえってチームを燃えさせてくれましたが、今回はそういうファクターがありませんからねぇ…
Posted by エネルギーを感じない… at 2007年07月11日 23:17
阿部はそれこそ高校生の頃からずっと、
Jでも年代別代表でも(こっちは怪我のせいで数多くはないですが)充分すぎるくらい、
並みのJのDF以上にDFとしての経験を積んでいるわけで、
「本職ではないからああなった〜」「本職を使わないオシムは〜」という論理は通用しないと思うんですよね。
件のファウルになったプレイも阿部得意のプレイであって、
あれでファウルを取られてカードまで貰ったということが後々まで尾を引かないといいと思う次第です。

阿部はクラブでも代表でも、指導する監督がみんなDFでの起用を試みるんですよね。
それはやはりそういう資質があることに他ならないんだと思います。
自分も、以前から阿部は最終的にはDFに落ち着くと思っているので、
山岸ともども今回の逆風に負けずに頑張ってもらいたいです。
Posted by at 2007年07月12日 00:37
阿部はいままで代表のピンチを縁の下で数えきれないくらい救ってきた選手。
なかなかそういうのは記録には現れませんけどね。
テレビのハイライトしかみないような人にはこの試合の阿部はただの大悪人になってしまいますよね。
なんか最近、ネット議論ではハイライトを見ただけで語ってるような短絡的な論調が増えてる気がします。
これもサッカーの大衆化ということなのか。。。
Posted by とし at 2007年07月13日 02:24
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック