2021年03月26日

痛恨のあと1点

 1974年、西ドイツワールドカップの年だから、もう47年前になるのか。今60歳の私は、当時中学2年だった。日韓定期戦、日本は釜本邦茂の2得点などで、4-1の完勝。テレビ桟敷で完勝を堪能した私は、「韓国に勝つこともあるんだ、それも3点差だ」と、子供心にも素直に感動していた。
 しかし、その後もほとんど韓国に勝つことのできない日々が続く。あの赤いユニフォームを見る度の忌々しさ。その思いが経ち切られたのは、オフト氏が監督就任した92年。ダイナスティカップ(日本、韓国、中国、北朝鮮の4か国の大会)。日本(これまでこの大会で、万年最下位だった)は3チーム総当たりの上位2チームでの決勝の日韓戦、延長戦の2-2の死闘からPK戦でこの厄介な難敵を倒し、初優勝したのだ。以降、我々はアジア最強国の一角となり、この厄介な隣国とは互角の足の引っ張り合いを演じてきたのは、皆さんご存知の通り。

 今日の日韓戦、キックオフ直後から両国の戦闘能力差が明らかなのは、誰の目にも明らかとなった。韓国の中盤選手は、日本の前線からの組織守備を、まったく抜け出せないのだ。考えてみたら、孫興民が負傷で不在、聞いたことのない若い選手も多い。「神童だ」、「MVPだ」と、ワーワーうるさい日本テレビのアナウンサによると、かなりの選手が五輪代表世代とのこと、そうか一軍半なのか。一方、昨日も述べたように、日本はほぼベストメンバ。勝って当然の試合だったのだ。
 かくして日本の猛攻は続く。そして16分、日本の右サイドからの崩しを、韓国がしのいだところで日本が前線で集中守備、大迫の優美なヒールパスから、攻撃参加後居残りの形になっていた山根がフリーで抜け出し強烈に決め先制した。
 ここで韓国は理解に苦しむ策をとる。先制し、いったん落ち着いて引いてかまえる日本に対して、ボールを回し前に出てきたのだ。中盤の遠藤航と守田の体調は十分、さらに後方は冨安と麻也。韓国の一軍半が、前半体力が残っていて後方に引いた日本をそう簡単に崩せるわけがないではないか。おかげさまで、日本は逆襲速攻を楽しめた。うまく刈り取った速攻から、大迫が知的にキープし、右サイドから鎌田が抜け出す。2点差、よしよし。
 攻勢をとる時間帯に、しっかり点をとれるかどうかが勝負を左右するのがサッカーと言うものだが、猛攻の時間帯の先制、敵を引き寄せての追加点。理想の展開だ。ハーフタイムの時点で、この試合の興味は、日韓戦史上初めての4点差にできるかどうかに絞られた。47年前を思い起こしながら。

 後半も日本ペース。これだけ戦闘能力差があると、韓国がとれる手段は唯一。後方を固め、無理に攻めず、マイボールになったら丁寧にボールキープ。そうすれば、2点差の日本は無理にはボール奪取には行かない。そうやって時計を進めれば、交通事故を含めた好機も生まれる。しかし、韓国代表監督ベント氏は、この親善試合にそこまでリアリズムを持ち込まなかった。
 結果、日本はおもしろいように好機をつかみ続ける。南野、江坂、浅野らが決定機をつかむが、後半から起用された金承奎がすばらしいセーブを見せ、中々3点目が入らない。南野はペナルティエリア内で、実に冷静なプレイを見せて(魅せて)くれたのだが、2度の決定機をつかんだが、シュートは枠にいかなかった。江坂の連続シュートを金が防いだ場面の評価はレイソルサポータの方々にお任せしよう。そして、リードした試合終盤に、大迫に代えて高速浅野を起用するのは有効なことが示されたけれど、決めろよ!
 日本のピンチは2回あったが、すべてミスから。後方で韓国のプレスを外し、前線に出ようとする際に、左DFの佐々木、交代出場した小川が、中央に不用意なパスをしてしまったところから。もっとも、先発の佐々木は終始安定した守備を見せたし、佐々木に代わって起用された小川は幾度もよいクロスを上げた。長友がよい年齢になってきているだけに、このポジションは重要。小さなミスを丁寧に反省して欲しい。
 日本の3点目はようやく83分。江坂のCKから遠藤航がヘディングで決めたもの。麻也が敵DFを引き付け、その裏にフリーで入った遠藤が見事なヘディングを見せてくれた。江坂の正確なキックは言うまでもなし。
 その後も日本は落ち着いて韓国を揺さぶる。古橋が2回決定機を得たが決め切れず。特に古橋は、シュートのうまさに定評がある選手だけに決めてほしかったな。2022年日本がベスト8以上に行くためには多産系の点取り屋が欲しい。それに一番近いのが古橋だと期待しているのです。

 かくして、4点差にはならず試合終了。47年間抱き続けた夢はまた叶えられなかった。まあ、いいや。夢は叶わないから楽しいのだしw。
 もっとも、今日は相手が弱かったことwと、山根と鎌田がキッチリ点をとってくれたことで楽勝となった。しかし、先日のメキシコ戦のように、序盤攻勢をとっても決め切れず、かつ相手が強いと、事態は混迷化する。今はそう言った難度の高い問題を気にしてもしかたがないかもいれないな。まずは弱い相手を軽くひねり、4点差にできなかった悔しさを肴に飲むのが楽しいな。グワッハッハッハッハ!

 でも、4点差にしたかったな。浅野も古橋も励め!
posted by 武藤文雄 at 00:33| Comment(0) | 日本代表 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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