2021年10月02日

ベガルタまだまだ大丈夫だ

 ベガルタはこの文章を書いた直後にガンバに3-2で勝利。「シメシメ、俺様の言った通り」と思っていたら、エスパルスに1-2、ヴォルティスに0-1で苦杯。いよいよ尻に火がついた状態になってしまった。
 この連敗は、順位が近く僅かに当方より上位にいるクラブとの直接対決での敗戦。どんどん残留争いが苦しくなってくるわけで、勝ち点勘定的には本当に痛い。特にヴォルティス戦については、ホームで慎重に戦い、先方にほとんど好機を提供せずに戦い続け、何とか得点奪取を目指しもがき続けたところで、アディショナルタイムにCKから失点し苦杯。何とも味わい深い敗戦を味わうことができてしまった。

 いや、サポータ冥利に尽きるのですがね。

 このヴォルティス戦の失点は、先方に加入したばかりと言うノルウェー人ストライカのムシャガ・バケンガを福森がマークしきれずフリーでヘディングを許し、こぼれを第ベテランの石井秀典に決められたもの。先方はさぞや盛り上がるだろうなと思いに加え、さすがに「ここまでキッチリとバケンガは押さえてきたではないか」と愚痴を言いたくなるような失点だった。
 いやエスパルス戦の失点も中々だった。前半、エスパルスは鋭いフォアチェックが鋭く、サイドバックが押し下げられ、思うようにボールをキープできない。こうなると我慢するしかないのだが、焦りからかサイド攻撃の起点の蜂須賀が無理に持ち出そうとしては裏を突かれ、結果的にCKを与えての失点。「大事な試合で、どうして前半から無理をするのだ!」と言いたくなるものだった。
 さらに後半序盤に、守護神スウオビィクが無理なボールキープをひっかけられ追加点を許してしまった。我らが名手は、少々足下が怪しいところはあるが、ここまで明らかなミスは珍しい。ここまで幾多のピンチを救ってきてくれたクバに不満を唱えるつもりは一切ない。しかし、どうしてこの名手がこんなミスをしてしまったのか。
 結局のところ「勝ちたい、絶対に勝ち点3を獲得したい」と言う焦りが、守りを固めるべき時間帯に、攻めることまで考慮してしまい、空回りしてしまったと言うことだろう。
 もう済んだことだ。しかたがない。改善すればよいのだ。組織守備は十分に機能している。守らなければならない時は、そこに専念すれば大丈夫だ。

 もちろん攻撃には改善の余地がある。思うように好機を作れない、点が取れない、そのような焦りが上記の守備での不備を産んでいるのだし。
 苦しいのは攻撃的MF(言い換えればサイドMF)の層が薄いことだ。大ベテランの関口老と新人の加藤以外決定的なタレントがいない。残念ながら今年切り札として補強した秋山と氣田、ユース出身の佐々木、いずれも思ったように機能しないようだ。けれども、視野を広げれば、状況は改善する。例えばサイドバックでずっと起用されている真瀬や石原を1列前に使う手段もある。幾度か成功しているが中原をサイドMFで使う手もある。フォギーニョを起用し上原、松下をいわゆるインサイドMFに起用する4-3-3も有力な選択肢になるだろう
 幸い前線のタレントは揃っている。F・カルドーソはエスパルス戦でようやく点をとってくれたが、後方からの低いボールの受けは格段にうまい。今夏に補強した富樫はシューターとしての魅力は十分。赤崎は体質的に仕事の連続性に課題はあるが、最前線のどこにおいても知的なプレイを見せてくれる(西村をトップ下に下げ、赤崎にひたすらゴールを狙わせるのも有力なやり方もあると思うのだが)。
 そして、西村が豊富な運動量、長駆後にも仕事ができるフィジカル、他の選手へのスペース作りなど、J屈指のFWであることも間違いない。後はこの苦しい状況の中、屈指のFWから、屈指のストライカに化けてくれるだけでよいのだ。

 以上、ここ2試合連敗したベガルタを分析した。大丈夫だ。手倉森氏が前線の交通競位を適切に行い、後方の選手がいたずらに焦りをなくせば。

 無意味に楽観論を語るつもりはない。
 けれども、チームとしての練度は十分に整理されてきた。後は結果を出すだけなのだ。我々サポータは、それを信じて応援すればよいのだ。
posted by 武藤文雄 at 01:23| Comment(0) | Jリーグ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。