2007年08月05日

う〜ん平山

 五輪代表はボツワナに惜敗。
 最終予選開始まであと2週間ちょっとしかない状態で、このメンバで戦っている事そのものが意味不明である事を、これ以上繰り返す必要もなかろう。
 たとえば、カレンは相変わらず(柳沢を彷彿させる)シュート運の無さを見せていた。しかし、彼の評価は水野、本田圭らと共存した際の引き出しやつぶれでなされるべきで、この日点が取れなかった事そのものは課題だが、決定的問題点とは言いようがない。
 梅崎が負傷で、上田がベンチスタートだった以上、この日のMFで攻撃に変化をつけられるのは枝村1人、枝村は必死の創意工夫でゲームを作ったがやや空回り気味だった。しかし、彼の評価は青山敏と家長の中間で今日のようなゲームメークを試みてなされるべきで、この日の組立が奏効しなかった事そのものは課題だが、決定的問題点とは言いようがない。
 結局、このような日程を編んだ日本協会が悪いのだ。本来瀋陽のピッチに立つべきだった選手の多くは、4日土曜日エコパの花相撲を選択させられた。日本協会は、このような時間の無駄をしておいて、どのような顔をして、Jの各クラブにシーズン再開後、各選手の合宿参加を依頼するのだろうか。

 とは言え、このような悲しいチーム構成下でも、評価可能な選手はいた。西川と平山である。この2人は他の選手と異なり、チーム内での役割は軸線である。回りの選手によってプレイの仕方を変えると言うよりは、彼らに合わせて周囲がプレイを変える存在なのだ。
 まず西川。さすがであった。北朝鮮戦にしても、中国戦にしても、分厚い主審のサポートによる敵の攻め込みによる決定機を再三再四見事なセービングで防いでくれた。トリニータでレギュラを奪われるなど不振が噂されていたが、すっかり復調したようだ。今大会出場した試合では腕章を巻いていたが、「本番」でも腕章を託せるタレントだと思う。中国戦、警告を食らったが、あの場面は、連発する中国のラフプレイの中でも、もっとも酷い場面だった。警告を食らった事は反省材料だろうが、主将として怒りを顕わにした事そのものは、決して間違っていなかったと思う。

 問題は平山だ。点を取れなかった事を攻めようとは思わない。チームメートのラストパスの精度やタイミングに課題があったかもしれないから。しかし、失望したのは、平山自らが「点を取れる場所」に進出する頻度があまりに少なかった事だ。
 とにかく平山は自ら点を取る事のみを考えればよいのだ。後方の選手からのフィードを受けるために後方に下がる事や、敵ボールをチェイシングする事や、自陣近くのセットプレイ時に守備に回るなど、チームとしての機能維持の義務を果たす事を別にすれば。味方が後方でボールをキープしている時は、最終的に自分がどこでボールを受けて点を取るかを考えて位置取りをすればよい。展開の流れから結果的に自分がボールを受けた場合、もし振り向ける余裕があるならば、たとえフィールド上のいずこにいようがまずシュートを考えればよい(たとえ、自陣にいようが、コーナフラッグ近傍だろうが)。そして、それが叶わぬ時に、初めて味方へのパスを考えればよい。そして、味方が敵陣近くにボールを運んだ時は、自分が点を取るストーリに基づき、ボールを要求すればよい。さらに、要求通りにボールが来ない場合は、「次は必ずよこせ」と要求すればよい。
 平山のような純正ストライカがそのようなプレイをする事で、周囲のチームメートには攻撃の筋道が明確になる。同時に平山は、味方に対し得点を取る事を約束する厳しさを身に付けられる。
 確かに終了間際に岡崎を抜け出させたパスなどは誠に見事なものだったが、それ以前にまず自ら得点を狙って欲しい(もっとも、あの岡崎のシュートは完全にゴールラインを越えていたから、正しい判定がなされていれば、あの試合は引き分けになり、最終的に日本が優勝していたのか?!)。
 FC東京ではチーム事情から出場機会が中々得られないようだがこれはもう仕方が無い。しかし、五輪代表では当面主軸として出場する事になろう。その際に、水野や本田圭や柏木からのボールを、とにかく敵陣に叩き込む意識で戦えるかどうか。思うようにチーム作りが進まない五輪代表の勝敗のカギを握るのは、やはり平山なのだ。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(3) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
むしろそんな平山に頼るしかない、って感じなような気がします、はい
がんばれ森島
Posted by touri at 2007年08月09日 09:01
FC東京では、マイペースな平山くん。
でも、U-22のエースとして活躍するためにも、ひと皮むけてJリーグに出てほしい。
Posted by dakara at 2007年08月09日 14:15
平山がクラブで求められていることは、ボールを引き出すための動き出しについてです。

元々、足下が巧い事もあいまってか、なかなか、ハラさんの言うことを聞かないでいるので、小平地域限定で罵声と言う名の雷が落ちます。

自分の足下で、突っ立っているところで欲しがってしまうんですよね。事実、デブデブでヘラクレスから戻ってきたとき、3〜4人に囲まれても、巧みな足技でその3〜4人の相手DFをかわしたシーンを見ているものとしては、なおの事、足下ばっかりなんだろうなぁ、と考えてしまうのであります。

ワンチョペを観て、ああなったとは言えませんが、もし変な影響を受けてしまったとしたら、グラウンド罰走100周を命じてやりたいくらいです。

平山がダメでもうちには赤嶺がいます。彼は180cm以下の身長ですが、空中戦でもとことん競って泥臭くゴールを奪いに行く気概があります。ハラさんのセカンドチョイスは、赤嶺になっているのは否めない事実であります。

ルーカス一人の負担がかなり大きいことを考えると、平山の成長は極めて重要な課題なのではありますが、赤嶺が必死になって頑張っていることと、『左足一本で、客を沸かし、飯を食う男』が覚醒中であることを考えれば、まぁ、平山はどこかJ2あたりにブン投げておいてもいいのかもしれないな?と本気で思ってしまいます。

必要ないですから。今の彼ならば。

今年に関して言えば、平山・梶山・伊野波は反町さんの所で1年まるまるお貸し出し、と思っていたのですが、クラブ状況を考えると、梶山&伊野波は差し出したくありません。

平山には、ゴールで周囲を納得させなくてはいけないこともあるのですが、それ以上に、クラブに戻ったときに、他の選手がかなり必死になって頑張っていることをよくよく認識して欲しいと願うばかりであります。

事実、梶山陽平の体つきは、この2年で凄まじいほど逞しくなってます。

お菓子の食べすぎで太って怒られていた、あの梶山陽平ではなくなってます。

体幹の太さに驚き、そして、彼自身が五輪やクラブと言うものに関係なく、日々真剣にフットボールに取り組んでいる姿勢を見ると、平山にも、「陽平でさえ、ここまでやったんだから、お前もちったぁやってみたらどうだ?」と言いたくなる、そんな感じになるのであります。

長文失礼。

ベガルタの昇格を切に願います。仙スタの熱気ある雰囲気と、牛タンの味をまたJ1の舞台で。

うちも偉そうに人様のことを言っている場合じゃないんですが。
Posted by 二階堂パウロ at 2007年08月09日 23:06
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