2007年08月20日

ジュニアユース代表、まずは1勝

 ワールドジュニアユース初戦の相手はハイチ。

 TVのアナウンサが再三「ハイチは33年ぶりの世界大会」と強調していた。確かに、33年前にワールドカップ本大会に登場したが故に、私は「ハイチ」と言う国が中米のどこにあるか答える事ができるのだな。当時、欧州予選を無失点で通過したイタリアから得点を奪うのはいずれの国かと議論されていたが、1次リーグ初戦でアウトサイダと見られていたハイチが鮮やかな得点を奪ったのが印象的だった。この試合はその後イタリアがしっかりと3点取って逆転したが、イタリアはこの初戦がケチのつき始め。その後アルゼンチンと引き分け(当時のアルゼンチンは今日と異なり、優勝候補と言う雰囲気ではなかった)、さらにこの大会大躍進するポーランドに完敗し、敢え無く1次リーグ敗退となる。ハイチは結局、3連敗でワールドカップを終えるが、あの初戦のイタリア戦の速攻の鮮やかさは今でも記憶に残っている。

 さて、そのハイチ戦。
 ハイチの選手は皆アフリカ系の黒人選手。中米のチームを相手にしていると言うよりは、アフリカのチームと戦っている風情だった。そして日本はいかにも日本らしく、各選手が勤勉に動き短いパスをつなぎ、敵の隙を見つけてはサイドチェンジで変化を入れヒタヒタと攻め込んだ。正にミニ日本代表である。そして先制。
 ところが、後半も半ばまで進み、同点を狙ってハイチが前に出てくると、よいリズムを思うように維持できなくなる。解説の清水秀彦氏が、「ラインが下がり過ぎ」、「中盤で止まらない」と嘆くたびに、それ以上に状況が悪化し、つまらないミスも増えてくる。そして、ルーズボールのクリアミスを拾われ、冗談のような難しいドライブがかかったミドルシュートを決められ同点。
 そして、この失点直後から決定的にリズムがおかしくなる。中盤でやらずもがなのミスを連発、幾度も横パスを引っ掛けられ、速攻から決定機を許す。それをあのPK戦を勝ち抜く原動力になったGK廣永が再三のファインプレイで防ぐ。
 この苦境に城福氏は、負傷のために温存を余儀なくされていたエースの柿谷を投入。そして見事なサイドチェンジで主将の水沼が右サイドフリーでボールを受け、飛び込む河野(先日Jリーグデビューを飾ったタレントだと言うが、ボールをもっての落ち着きが頼もしい)が大柄頑健なCB2人に挟まれているのを見てとった水沼は親父譲りの図太さで低く速いセンタリング。混戦になったところを、河野が心憎いまでの冷静さで押し込んだ。さらに河野の好スルーパスで抜け出した柿谷がGKを鮮やかに抜き去り角度のないところから、何とも言いようのないシュートを決め2点差にした。

 苦しい試合ではあったが、終盤に攻撃のスターが活躍し振り切った試合。初戦としてはまずまずだろう。これから、もっと苦しい敵が待ち受けているのだろうが、この調子で上位進出を目指して欲しいものだ。

 しかし、どうして我々の代表チームは、A代表からこのU17まで、リズムが悪くなると、中盤の横パスをああも再三かっさわれるのだろうか。
 シュートを打たないとか、得点が中々入らないとかは、これは元々の素質か、国民性か(笑)、国民のサッカーへの嗜好か、不明だが何か理屈もつけられそうな気がする。そして、イライラする事は否定しないが、そのような課題を抱えながらも、いずれの選手も精神力と技巧と判断力のバランスが取れているのが、日本代表なのだ。
 しかし、1度リズムが崩れた際に、どうして大人から子供まで(笑)、ああも横パスを敵に奪われるのかは本当に不思議だ。リズムがよい時は、皆あんなに上手なのに。
posted by 武藤文雄 at 23:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 若年層 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
河野はヨミウリらしい良い選手ですね。昨年のクラブユース準決勝で観て感動しました。都並がヴェルディ相模原から引っ張ってきた選手です。
Posted by Danny at 2007年08月21日 23:20
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