今日は諸事情あって本業がらみの出張。土曜日だと言うのに、子ども達にも遊んでもらえなかったし、J1の映像も見る事ができなかった。己の情けなさを呪うのみ。で、サッカーとは全く異なる話題。
出先に向かう羽田空港で何気なく大型TVを見ていたら、世界陸上の50km競歩をやっていた。それも正に終盤戦。競歩と言う競技の過酷さは、自分で試しにやってみればすぐわかる。「頼むから走らせてくれ」と言う程の難行苦行だ。それも、この季節の大阪で50kmの距離を「歩く」のだから、いくらトップアスリートでも相当過酷な事だろう。だからこそ、映像を通しての迫力は素晴らしかった。優勝した豪州の選手が、苦痛に顔をゆがめながらも森島スタジアムに入り、顔をクシャクシャにしてもがくようにゴールイン。美しい場面だった。もっとも、優勝選手が決まるたびに、わざとらしく出るテロップにはいささか辟易してるのだが。
ところが、事件はその直後起こった。日本のエース山崎が大映しになる。入賞圏内ギリギリらしいが、相当疲労しており、苦しい状況にあるのは素人でもすぐわかった。そして、係員が森島スタジアムに誘導。「頑張れ、あと少しだ。」と、待合室中が盛り上がる。ところが、ここまで絶叫するばかりで、ほとんど有用な情報を我々に提供していなかったアナウンサが、初めて有用な情報を絶叫して説明してくれる。
「山崎はもう1周残っています!まだ競技場に入ってはいけません!」
遅れて競技役員?が山崎を追いかけるが、追いつけず?山崎は必死の形相でフィールドを回りゴールイン、そして失格。何とも言えないむなしい映像だった。
信じられない事件だ。誘導係員が選手の周回数を勘違いして誘導してしまった訳だ。世界最高峰の大会でこんな信じられない事が起こってよいのだろうか。
今回の世界陸上に関しては、残念なニュースがいくつか聞こえてくる。
まず、期待された日本選手の不振。思うような成績が残せないのは、相手のある事で、ある意味仕方がない。しかし、期待された有力選手が、自己ベストからほど遠い記録で惨敗を続ける。それどころか、競技最中で負傷しまともな記録を残せない選手まで再三。野次馬の立場からはどうこう言えないが、何かどこかで間違った強化が行なわれたのではないかとしか言いようがない。もっとも、我々も昨年のドイツでは(以下自粛)。せめても、残る女子マラソンと4×100mリレーと言う大物競技での歓喜を期待したいのだが。
もう1つ。各方面から聞こえてくる運営の拙さ。やれ、某国の選手にホテルがあてがわれず、ロビーに寝る事を余儀なくされたとか、某国の選手がホテルに戻ろうとしたらバスが行ってしまっていて深夜まで待たされたとか。ボランティアの方々の情報交換の掲示板が某ウェブサイトにあり、誰もがアクセスできるのだが、ここに書かれている情報が真実だとしたら、運営のレベルの低さにはあきれるばかり。このような噂が真実かどうかは、わからない。もしほとんどが真実ならばとても悲しい事だ。もし事実と異なるのならば、大会本部(?...と言う組織があるのかどうかは知らないが、そのような組織はあるだろうから)明確にマスコミを通じて発言すべきだと思うのだが。
個人的には世界陸上にはよい思い出がある。
91年夏に東京で行なわれた世界陸上。100m決勝があった日のチケットが幸運にも入手できたのだ。カール・ルイスがリロイ・バレルと競い堂々の世界新記録を樹立したあの日だ。とにかく100m走には感動した。カール・ルイスは、本当に「速い」のだ。
この日のチケットは売り切れていた、それ以外の日のチケットも結構売れていた記憶があるので、今大会のガラガラにはビックリ...しない、だってあの高額ならば仕方がないがな。
この日は他にも見所がタップリ。
午前中に行なわれていた女子マラソンの表彰式、銀メダルを山下佐知子が獲得していた。ちなみに有森裕子は4位だった。今では五輪や世界選手権の女子マラソンにおいて日本選手が上位に来るのは当然の感があるが、当時としてはメダルを取った事が驚異だった。君が代は歌えなかったものの、このような国際大会で日の丸が上がるのを目の当たりにしたのは感動的だった。大体、当時のサッカー日本代表の実力たるや(...以下略)。
この日決勝が行われた女子走り幅跳びの決勝。当時のスーパースター、ジャッキー・ジョイナー・カーシー。見事なジャンプで金メダルを獲得した。ちなみにカーシーは決勝序盤の踏み切りで足首を捻挫してしまい、休み休み丹念にジャンプを重ねていた。そして、その間に男子100mの表彰式が始まった。カール・ルイスを称えるために米国国歌が流れる。その瞬間だけ、カーシーはしっかり立ち上がった。格好よかった。
2007年09月01日
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巻ら復帰、高原外れる サッカー日本代表追加招集
Excerpt: Yahooニュース関連記事http://headlines.yahoo.co.j...
Weblog: ぐんぼうのあれこれ日記
Tracked: 2007-09-02 15:06
代表の試合がないとコメント少ないんですね。僕だけ書きこんでるみたいw
長野五輪、ワールドカップ、密かに我が国の世界的スポーツイベントでの
運営力とホスピタリティの評価に誇りを感じていたので
今大会の伝え聞こえるさまざまな不祥事は残念でなりません。
先般のアジア杯を笑えないですね。
それにしてもTBSという会社、「67億の1位」とかいう幼稚なテロップ、必死な記録への煽り
最近おかしいのは承知してましたが、もはやマトモな企業ではない印象を受けるのですが。
それを思えばテレ朝と角澤(だけじゃないですけど)がスカタンなことぐらいは何でもないですね。
「触るもの全てを腐らせていくTV局」、それがTBSなのかもしれません。
昔、世界陸上を中継していた日本テレビの、舛方・芦沢といったアナウンサー(NTVに入りながら、巨人戦はやりたくないと言って、70年のW杯を見に行った凄い人たち)は絶叫型の走りみたいなアナウンサーでしたけど、あんなに酷くはなかったですね。
>何かどこかで間違った強化が行なわれたのではないかとしか言いようがない。もっとも、我々も昨年のドイツでは(以下自粛)。
今度のアジア杯を見るにつけても、ジーコが示した「方向性は間違っていない」はずなのですがねぇ…。(笑)
(サ●テ●ス●も毒され始めたかw)
>大体、当時のサッカー日本代表の実力たるや(...以下略)。
そのメンバーがほとんどそのままオフト日本なので、監督が横山氏でなけりゃ…とは当時を知る多くの人が感じているはず。
同時期、ラグビーの宿沢ジャパンがW杯に出場し、かなり注目されていたのも、惨めさを助長したのでした。(それ以降のラグビーの迷走たるや…以下略)
平成19年6月29日現在
役職 氏名 所属
最高顧問 森 喜朗 財団法人 日本体育協会 会長
最高顧問 御手洗 冨士夫 社団法人 日本経済団体連合会 会長
理事(会長) 紅之 傭兵 財団法人 日本陸上競技連盟 会長
理事(副会長) 井上 弘 株式会社 TBS 代表取締役社長
理事(副会長) 太田 房江 大阪府知事
理事(副会長) 關 淳一 大阪市長
理事(副会長) 俣木 盾夫 株式会社 電通 代表取締役会長
理事 山本 雅弘 株式会社 MBS 代表取締役会長
理事 吉野 伊佐男 吉本興業 株式会社 代表取締役社長
理事 丸山 功 株式会社 電通 専務取締役副社長
世界陸上は運営委員会が事実上の崩壊状態で、閉会後にその悪評がボランティアの皆さん方に向かないか、ないし意図的に向けるんじゃないかと心配です。
まるでどこかの組織とおな(...以下略)
「森島スタジアム」
これから私もそう呼ぶことにしますw
以後、こんなことがあった場合は、上層部の人間に刑事罰を与えられるように法改正をしてもらいたいものだ。
他の自治体だったら、ここまで腐った運営はありえない。
府知事も市長も大会が落とす金にしか興味がないんだろう。
地元開催という事で練習量もふえ、
ピークが大会前にきてしまった事も原因らしいね
大一番の前にピークが来てしまう、というとやはり
アテネ、ドイツを思い出してしまいます
他競技とはいえ何となく関連性があるような気がします(原因同じじゃないのー)
コンディション管理がどんなものか全く知らないので完全に想像ですけど・・(笑