レッズはホームで2−1の勝利、フロンターレは敵地で0−0の引き分け、いずれも「得点勘定からすると微妙ではあるがまあ上々かな」と言う結果となった。
レッズは早い時間帯に美しい先制点を決め、その後も押し気味に勧めながら追加点を取れないイヤな展開。案の定、前半も終盤以降は再三好機を作られた。それでも後半10分過ぎにCKから作られたピンチをしのいで逆襲速攻。達也が闘莉王とのワンツーから見事に決めて突き放した。その後は再びレッズペースに。終盤には山田と啓太の見事な連携から右サイドを崩し、長谷部?がペナルティエリア内で全くフリーになりながらスルーすると言う珍プレイ(誰か味方が背後にいると勘違いしたのだろう)で逸機。このような場面から流れは変わるもので、終盤全北のパワープレイに押し込まれる。
ここで2つ残念な事があった。まず小野。敵CKをDFがしのぎ、ペナルティエリア外側で待つ小野に浮き球が流れてきた。ここで小野は横に流れてきた永井?か誰かに軽妙な浮き球のパス、ところが狙いが外れ敵にボールを拾われ、そこから決定機を与え、さらに敵攻撃の継続を許してしまった。己のボール扱いに自信があったのだろうが、あそこは一旦敵の攻めを切りたいところだった。そしてオジェク氏の交代タイミング。達也を内舘に代えるのは時間帯から言って妥当かもしれないが、敵CKの時に代えてはピッチ内の人数が減るだけの事だ。全北に内舘がピッチに入った瞬間にCKを蹴られ、敢え無く失点してしまった。オジェク氏の杓子定規な采配を突かれたと言うところか。
言うまでもなく、この失点は痛い。2−0で終わっていれば、「2点先に取られてもまだ同点」が「1点先に取られたらもう大変」に変わってしまったのだ。このあたりが「アウェイゴール2倍ルール」の面白さと言えるのけれども。相手も必死なのだから、失点すること事態は仕方がない事だが、上記したミスが2本重なっての失点だけに、寝覚めが悪い結果となってしまった。
済んだ事は仕方が無い。レッズにとって問題は、土曜日のマリノス戦をどう戦い、体調を整えて韓国に行くかと言う事だろう。ただリーグ優勝も狙うレッズとしては、敵地でのマリノス戦は相当厄介な戦いになる。Jの混戦化と言う意味でも、野次馬から見てもこの試合は今シーズンの重要な試合の1つ。強豪ならではの辛い連戦となる。
戦闘能力を比較すればワシントンも戻ってくるだけに(全北に第1戦不在だった相当なレベルの別戦力がいればさておき)来週の第2戦は、やはりレッズは相当な優位に立っていると思う。特に、達也の動き出しに序盤ほとんど対応できていなかった全北守備陣が、ワシントンとポンテが上下に控える中で達也を止められるようには思えない。ただ、内舘投入時に見られたような、オジェク氏の杓子定規な采配がちょっと心配。
一方のフロンターレ。0−0の結果は狙い通りのものと言ってよいだろう。ただ、セバハンの出来が今一歩で決定機はフロンターレの方が多く、ちょっと残念な気持ちも残る試合となった。実際、マギヌンの調子がもう少しよければ勝てていたように思えた。
ただし、敵地で1点が取れなかった以上に残念だったのは、憲剛が警告を食らってしまった事だ。ペナルティエリアで憲剛が足を出して敵が転倒。トリッピングのようにも、ダイビングのようにも見える微妙な場面だった。DFの人数は足りていたのだから変な足の出し方をする必要がなかったのがまず残念。さらに主審が笛を吹いているにも関わらず両手を上げて敵のダイビングをアピールをした事で主審の心証を害してしまった。これで憲剛は、決勝の第1戦まで「何があっても警告を食らってはいけない」状況になった。「憲剛の不在」はフロンターレの野望を事実上終結させてしまうのだから。
セバハンは、フロンターレにとって相性のよい相手だと思う。フロンターレ守備陣が苦手とするスピード突破やFWのポジションチェンジはあまり見受けられなかったし、憲剛へのマークも緩かった。セバハンのスカウティング部隊が以前来日したと言う報道もあったし、事前にフロンターレに対する研究は相当行なっていたはず。それなのに、適切な手立てを打ってこなかったのは少々不思議だったが、相性的に「アンチフロンターレ」的な策を取りづらいチームなのかもしれない。少なくとも2度目のお手合わせの際に、そう無策で来るとは思えない。初戦との交代メンバを含め、立ち上がりは要注意だろう。
もっともフロンターレにとって最大の課題は、自分たちの体調だろう。第1戦を観た限りでは、フロンターレの選手の体調がよければ、相当の確率で勝つ事ができるように思う。しかし、フロンターレは日本−イランと言う長距離を往復してからの戦いになるのに対し、セバハンは片道旅行しかせずに、第2戦に臨む事になる。この差は大きい。
レッズと異なりフロンターレは現実的にリーグチャンピオンになれる可能性はほとんどない。日曜日のレイソル戦、フロンターレは一部選手を休養させるべきだと思う。それにしても「ベストメンバ規定」なる妙な規定が、日本クラブの栄冠獲得を妨害するものだ。
余談
フロンターレサポータの友人から聞いた話。あるフロンターレサポータの方がBLOGで「もうリーグ戦制覇の可能性はなくなった。リーグ戦では時に選手を休ませACLに専念すべきではないか。」と意見を述べたところ、一斉に「我々は全てのタイトルを狙うべきだ」と十字砲火を浴びて大変な事になったそうだ。
また件の友人も私に「何を言っているのだ。日曜のレイソル戦は石崎さん(フロンターレの前監督)との決着をつける大一番なのだ、手を抜くなんて。」と言っていた。
さて関塚氏は、いかにこの生真面目なサポータの方々に「バレない」ように選手を休ませるのか、手腕を見守りたい(でも憲剛とジュニーニョを下げたらバレるよなあ)。
もう1つ余談
さらに件の友人。憲剛の出場停止について。「拡大トヨタカップまで今回の警告は持ち越すのかもしれない。すると1回戦で憲剛がイエローを食らうと、憲剛抜きでミランか...」
2007年09月21日
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ジュニーニョがパタッと止まった時点で戦闘力3割減。
さらに憲剛が疲れた時点で7割ダウン。
タイトル獲りに行くならどう考えても上手に休ませるべき。
石さんとの決着とか川崎サポでないと
わからない何かしら意味があるんですかね…
普通狙いませんか?
やっぱ川崎サポにとってACLは石崎さんより下なのか。
イランに響いた川崎コール、他サポながら素直に感動したんですけど。