2007年10月18日

さすがにこの結末は予想していなかったが

(苦杯後、少し時間が経ち、冷静さを取り戻したので、追記をしました、別エントリにするより、この方がおもしろいかなと思ったもので 10月19日)

 高温多湿のアウェイゲームだけに、最終ラインで刈り取る戦術そのものは仕方が無かったと思う。ただ、審判のクセを考えず、無用なファウルを取られる事が気になってはいた(たとえば2失点直前の柏木と森島のファウルは微妙なものではあったが、今日の主審はこれらのプレイに対していつも笛を吹いていた)。また後半半ば以降明らかにカタールの疲労が顕著になったのだが、それでも最終ラインで敵を待ち構えるのは交通事故の危険があるのはいやだなと思っていた(たとえば、家長なり本田圭が敵陣でいったん突破ではなくキープをすれば、ラインが上げられたのだが)。
 また攻撃についても、後方に選手を残し、少ない人数でのカウンタ主体になるのはやむを得なかっただろう。ただ、中盤で崩してラストパスが出せる場面になっても、相変わらず出し手と受け手の呼吸が合わないのは気に入らなかった(このチームが結成されて1年になるが、センタリングに飛び込むとか、スルーパスに抜け出すとかの、高精度な連携が未だほとんど見られないのは何故なのだろうか)。さらに、本田圭や柏木が(角度が浅かったのは確かだが)GKと1対1になりながら、シュートを狙わず、パスを選択するのには不安も感じていた。アジアカップでA代表がサウジや韓国相手にシュートが少なかったのは不満だったが、あれは敵DFが固まっていたためであり(だからこそ、ミドルシュートを狙って敵DFを引き出して欲しかったのだが)、この日を含めた現五輪代表の多くのプレイで見受けられるシュートへの消極性とは異なる(さらに言えば、本田圭も柏木も自分のチームでは、もっと独善的にプレイしていると思うのだが)。
 また、疲労困憊になっても、カタール選手が少ない可能性に賭けて前進する事、いずれの選手もあきらめず中盤でファイトしていた事も確かで、大したものだと感心していた。

 しかし、そのような理屈を考えても、中盤で敵をフリーにさせずまともなラストパスを許さず、最終ラインでは強さも速さも勝っていたのだから、さすがにこのような結末を迎えるとは思いもしなかった。最後のPKにしても、いわゆる微妙な判定。この主審はカタールのラフプレイにカードを出すのが消極的だった事を除けば、それほどホーム寄りの判定ではなかっただけに、笛を吹いてPKスポットを指差した時はビックリした。サッカーの難しさと言うものだろうか。

 幸い、カタールは敵地のサウジ戦を残している。日本は楽ではないが後2連勝すれば、相当高い確率で五輪出場権を獲得できる事だろう。これまでの4試合で、選手の個人能力にしても、層の厚さにしても、圧倒的に日本が優位なのは判明している。
 上を向いて戦い続ける事だ。

(以下が10月19日に書いた追記になります)
 冷静になって考えてみれば、私にとってはベストの結果に思えてきた。

 さすがにあのロスタイムには、存分に凹んだよ。終了間際の疑惑のPKによるドヒャーと言うのは、代表では77年のインデペンディエンテ戦とか、94年のアジア大会韓国戦とか(これは失ったものは大きかったな)、ベガルタでは先日のモンテディオ戦とか、J1時代の降格争い最中のジュビロ戦とか、多くの経験がある。
 しかし、これまで敵の好機が皆無の状態で、ピンチらしいピンチなし。ラストプレイで狙いも無く上げられたセンタリング、敵のプレッシャほぼゼロ、後方にDF2人、と言う状況でのハンドによるPKと言う経験はさすがにないな。しかも、そのまま終わっていれば、「五輪出場ほぼ決定」だったのだから、ショックも凄い。
 このような、理不尽で不合理な悲しみを、実害なしで味わう事ができるからのサッカーなのだ。幸いにして、94年の韓国戦とは異なり「これでオシマイ」ではない。
 こう考えると、「サッカーの神」の思し召しではないかとすら思えてくる。ここまでの反町氏の不適切な強化に鉄槌を食らわしつつ、飛び切り優秀な選手を育成してきた日本に対し、2連勝で「ほぼ出場権獲得」と言う好機を残し、しかしそれでも状況によってはダメだったりする恐怖を残す。しかも、敵地ベトナム戦から中3日でサウジ戦(一体キックオフは何時になるのだろうか)、非常に厳しい連戦となる。
 五反田西口さんの反撃を待つ。

 と言う事で、切替えた私は最高の結果に満足しています。さあ、残り2試合、勝つしかないのだ!

追伸
 川淵会長の試合後の発言を評価したい。
(前略)日本代表の反町監督について「残り2試合、反町監督で2勝できると思っている」と続投を明言した。
 川淵会長は試合内容について「最終予選の4戦の中で一番よかった」と高く評価。後半ロスタイムにPKを与えて敗れたことは不運とし、(後略)
このような「皆が落ち込む」状況下において、トップが監督に対する信頼を明言するのは悪くない。敢えてここでは、「それは技術委員長がすべき発言だ」とか「で、あなたの任命責任は?」と言う突っ込みはやめておこう。いずれにしても、今から監督を交代しても得る物は少ない。過去は取り返せないのだし、何がどうあろうと反町氏に任せるべきなのだ。

 ただ川淵会長の以下の発言は感心しないが。
(前略)(合宿期間を長くとるため選手の招集を)Jリーグの各チームにお願いすることもある」と全面的な支援を約束した。
あのねえ、Jリーグは煮詰まっているのですよ。話は逆でしょう。各クラブにアタマを下げて、残り2試合の召集を許可いただくのが、あなたの仕事なのだ。特にサンフレッチェ、トリニータ、セレッソは降格、昇格争い佳境のリーグ終盤なのだから。と言うか、これらのクラブの「協力拒否」は認めざるを得ないかもしれない。たかが、若年層大会の予選なのだから。
posted by 武藤文雄 at 03:28| Comment(20) | TrackBack(2) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
確かにこの結末は…。
またもドーハでロスタイムと言うのが、偶然というには…。ただ今回は判定も微妙でしたね。
ところで、ドーハの「高温多湿」は尋常では無いかもしれません。試合終盤になるとボディーブローのように効いたのか?
今年8月に、現地に(たった半日ですが)滞在する機会あったのですが、夜になっても、海から湿気を含んだ熱風が吹きつけ、こんなところでサッカー……、とおののきました。
10月の今は、少しは涼しい?のかもしれませんが…。
Posted by まいりました at 2007年10月18日 03:48
李は悪くなかったけど中盤の連携の拙さを考えるとロングボールのターゲットになる
平山の方が適任だったと思います。
選手交代もキープ狙いの家長、チェイシングの森島ともに上手くいかなかったですね。
上田の交代は狙いがわかりませんでした。

ホームでは一人退場になって守らざるを得ない状況になったのでやることがはっきりしたのに対して
今日は選手も監督もどっちつかずのプレー、采配となってしまったのが残念です。
Posted by PA at 2007年10月18日 04:44
素人目かつ、レイソルサポの欲目かも知れませんが、チュンソンが交代した後に一気に押し込まれてしまったように見えました。
ポスト役とプレス役として非常に機能しているように見えただけに、ここの交代はちょっと疑問です。

次の試合では森島選手と家長選手が出場停止なので反町監督は変わりに誰を呼ぶのかが注目ですね。
Posted by surt at 2007年10月18日 09:42
>選手の個人能力にしても、層の厚さにしても、圧倒的に日本が優位なのは判明している

で、そんな選手達を使いこなせない監督。
はじめは、期待していたのですが・・・がっかりです。
Posted by はるな at 2007年10月18日 10:51
残り10分くらいまでの流れは悪くはなかったですね。勝点1で、だらだらと終れるかな、と。家長、森島は効いていなかったけど。個人的には水本がフワフワッと上がってくるのが気になりました。「底で刈る」守備方針なのに要の選手がそれでいいのかな〜、と。
まあ、これで「予選らしくなってきた」と言えないこともありません。能力値は高い選手たちに2戦2勝を期待です。
……にしても、テレ朝アナ「柏木19歳」はないだろ。あんたは「メッシちょっと前まで19歳」「アドゥーデビュー時14歳」「カズ40歳」とか試合開始から終了まで言い続ける気かね?19歳がそんなに珍しいのか?日本人サッカー選手には19歳はいないってのか?
Posted by Dortmund06 at 2007年10月18日 11:37
李選手の出来がよかったというよりも、
森島選手の出来が悪すぎた方の問題だと思います。
コンディションが悪かったのかもしれませんが、
そうだとすればこれは平山と比較しての監督の選択ミスでしょうね。

このチームの一番のストロングポイントはやはり水本・青山直の2人でして、
確かに負けないし、戦術的にも引き気味になるのはいいのですが
それでも、この2人が最後に跳ね返すということばかりではいけませんよね。
共にクラブでは繋げないわけでもラインを押し上げられないわけでもないですし、
そういう面で、もっと中盤から前がはっきりとしたプレーができるようになってほしいですね。
Posted by at 2007年10月18日 11:39
梶山の本田タクの「不在」を強く感じる試合に、結局なってしまいました。ボランチのところでタメがまったくつくれないですからね。
でも怪我しちゃったものはしょうがない。とにかく頑張ってくれ!
Posted by ジャック at 2007年10月18日 12:57
↑いや、そんな強く感じるものではなかったと思いますが…

その2人の不在の影響は、タメがどうのとかの能力の問題よりも、
代わりの選手の組み合わせをほぼ試していなかったところでしょうね。
Posted by at 2007年10月18日 15:26
監督の限界があきらかになった試合だった。
最終的に得失点で勝敗が決まるなら、ベトナム戦は
超攻撃的布陣にするしかない。
果たして、この監督にそれだけの度量があるのだろうか。
実に中途半端なメンバーを集めたツケが一気に出た試合だった。

でも現実には、大気汚染まみれの北京に行くことにそんなに意味はないのだが・・・・。
Posted by 天邪鬼 at 2007年10月18日 21:59
サッカー観戦玄人である評論家の方々は、武藤さんを含め一様に、日本の方がハイレベルであり、負けてしまったのは意外というニュアンスで語っておられます。
いつも辛口のセルジオ越後氏ですら、あまり後半は毒を吐いてはいませんでした。
しかし戦術論素人の私には、テレビを観た印象では、カタールの方が選手個々のパワーとスキルで上回っており、日本のシュートは緩いゴロか枠外ばかりで脅威とならず、ドリブルもたいてい引っ掛けられ、パスは相手の長い足にカットされ、結局日本が振り回されているだけのように見えました。
その上カタールもホームで勝とうと必死で走ってましたから、引き分けでもしょうがないかと思っていたら、あのPKでした。
リプレイをどう見ても、故意でなく早いシュート性のボールに手をかすっただけにしか見えませんでしたが、誰も抗議することなく終わってしまったのが不思議です。
やたらカタール寄りだったレフェリーも最後はここまでやるかと思いました。
日本の敗戦を決定づけたのは、柏木がフリーのシュートを枠外に外したこと、同じくゴールそばまで突入したのにシュートせずあらぬ方向にセンタリングしてしまったこと、家永のフリーになったところをカタール寄りの線審にオフサイドにされたことの3点であると思いました。
どれかひとつを決めていれば、日本が勝っていたと思います。


Posted by バルヒホーファー at 2007年10月18日 22:47
PKは不運もあったとは思いますが、前の試合からバシバシ裏取られまくってた伊野波を放置する意味はなんなんですかね?
この試合では完全に穴扱いだったと思うのですが・・・
Posted by げる at 2007年10月18日 22:57
ジャッジは比較的公平だったと思いますよ。
最期のPKは、笛を吹かないという選択をするジャッジは世界中探してもあまりいないかと。
故意に腕で止めようとしたわけでないのはわかりますが、PA内で体から離れてしまってる腕に当たってしまいましたので。
Posted by at 2007年10月19日 01:50
いわゆる個人戦術といわれる部分を見るなら、残念ながら日本人選手はアジアの中でも真ん中くらいじゃないでしょうか。
視野の広さや、フリーでしっかり前を向けるときのパス精度は確実にアジアトップでしょうけれど。
Posted by at 2007年10月19日 01:52
いわゆる個人戦術って、どんなものでしょうか?
Posted by at 2007年10月19日 08:26
強いチームが勝つのではなく、勝ったチームが強いのだと思います。
下の世代の選手は、それなりに良い選手だとは思いますが、
微妙に、このチームのバランスを崩しているように感じます。
ピチピチ感がなくても、安定感があった前のメンバーに戻して欲しい・・・
Posted by どん at 2007年10月19日 20:24
そう思う。あまり世代で分けたくはないのですが、どう考えてもU−20が合流してから「弱く」なっています。
4試合で3得点。流れからはゼロ。
柏木 内田の能力が低いのか、反町氏の組み合わせがわるいのかはわかりません。だがとにかく,
「弱く」なっているわけで、反町氏は厳しい判断を下すことになるでしょう。
Posted by ジャック at 2007年10月19日 21:40
弱くなってると言っても、それまでより強い相手とガチンコでやってるわけだから。
監督のせいと言っても、フリーのシュートが枠に行かなかったり、ゴールエリアでボールが肩から先に触れてしまうことまでは監督もどうしようもないよね。

試合現場で監督ができることは、実際はたいしてないわけだし。それでも、監督がと言うなら、たしかに反町にはハーフタイムで雰囲気をがらっと変えられるような役者性はないし、この人になんか言われるとかならずそれが実現してしまうようなカリスマもない。それが要るなら最初っから日本人監督じゃないでしょう。

いや、反町はよくやってると思いますよ。
Posted by 神社米価 at 2007年10月19日 23:11
まったくこの意見はなんとなくなんですが、
監督の腰の引けた姿勢が結果に現れたのかなと。
本番を迎えると急にあたふた、勝負根性もない。はなから不味いとは思ってましたが、これほどひどいとは思わなかった。ま、歴代監督のお約束ですから「やっぱり」感の方が強いですが。
U-20組の“勢い”も今のところあまり良い影響は与えられてはいないように思います。
この試合の柏木のプレスもチームのバランスを崩しているようにしか見えませんでした。

でもただでさえ経験の浅い選手たちにチームに合流して即、ほれ先発だほれ活躍しろといっても難しいに決まってますよね。
ああだから早く様々な選手を試して一緒にやる機会を与えてと言ってたのにあの監督が・・以下略
Posted by touri at 2007年10月19日 23:56
たった今、テレ朝の「体育の時間」の番線番組で、前田有紀アナがベレーザの選手の目の前でキックターゲットをやってたんですよ。でね、前田アナの蹴り方がちゃんと「二軸動作」になっていて!!いや極端ですけどロベカルのFKと一緒ですよ?

更に言えばベレーザの主軸選手は、それを見ながらキャーキャーはしゃいでるだけで、だれもその事に気付いてないのが悲しかったです。貴方達にも出来ていない有効な運動動作・もっともパワーを活用できる蹴り方を素人が(素人だから)出来てるのに。

いやすいません。それだけです。周りのサッカー好きに話しても、きっと誰も反応してくれないのでここに書いてみました。
すいません。
Posted by 全く関係ない事ですが at 2007年10月21日 01:04
スレ汚し失礼ですが、、、

>運動動作・もっともパワーを活用できる蹴り方を素人が(素人だから)出来てるのに。

素人が自己流で試していますが、二軸動作はやってみると本当に身体にやさしい動作で、ジョギング等での関節・筋肉へのダメージが少なくなります。
その一方、思い切り力を加えたときの力感の強さもこれまた今までの動作とは段違いで素晴らしいです。
もっとまともに研究して、良ければ学校体育でも取り入れるべきだと思っております。

>いわゆる個人戦術って、どんなものでしょうか?

「こういうシチュエーションではこうすんのがあたりまえだろっ!!」っていうお約束の事ではありませんかね?囲碁や将棋で言う定石みたいな。それをチーム全員が共有出来ていれば、グループ戦術的にもチーム戦術的にも苦しい時の寄る辺になるといったものでしょう。

日本より実力的に格下と思われる国でもそれがあるように感じます。
ファン、サポ、メディア含めて共有して初めて得られるものでしょうからまだまだだと思います。
スポーツをゲームととらえず、運動神経と反射神経と身体能力だけでやるものだと思っているこの国では時間がかかるかもしれませんが。
Posted by at 2007年10月21日 10:26
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