2007年11月17日

五輪代表敵地で快勝

 ここまでホームで2引き分けのベトナム、大差で勝ちたい日本としては、難しい試合になる事が予想された。

 なるほどベトナムはよいチームだった。各選手が身体を張る事をいとわない。また、前を向いた時のアイデアが素晴らしい。高さではどうしようもない事がわかっていたのだろう。低く速いボールを入れてみたり、DFラインとMFラインの中間を狙ってみたり。ただ、ベトナムにとって不運だったのは、日本の中央ラインは水本、青山直に加え、西川が復帰していた事だった。幾度となく好機を作ったベトナムだが、これだけ中央のラインが強いチームから点を取るのは難しい。

 一方、反対側のゴールでは日本の努力が奏効し続けた。
 柏木(前に出て行く)と青山敏(後方で待機)をボランチに起用した事で、中盤後方に明確な前後関係が生まれた。同じチームでプレイする選手をセットで使うのは、代表チーム作りの1つのやり方である(もっとも、J1残留争い佳境のサンフレッチェが、この時期にこの2人を「たかが五輪代表」に供出しなければならないのは相当に疑問ではあるが)。もっとも、柏木は軽率なミスから横パスをかっさらわれた事が幾度かあったし、青山敏は逆サイドをに振るべき面で同サイドにこだわったり、不満なプレイも多かった。しかし、ボランチの1人が強引に前に出て行って攻めに厚みを作る事で(当然柏木はその後戻らなければならないからキツイ仕事になるが、無理をしなければ試合には勝てない)、これまでのこの五輪代表に感じていたフラストレーションが随分小さなものになったのも確かなのだ。
 さらに李忠成と岡崎とつぶれる事のできる2トップがよく機能、よい持ちこたえから2列目の水野、本田圭、柏木にいいボールを落としていた。加えて、この2トップはサイドからクロスが上がりそうな場面になると、受ける位置取りにも工夫が見られた。左サイドをえぐった本田圭のクロスに李が飛び込んだ2点目が典型例だった。
 両翼攻撃が機能すると、中央突破が有効になる。3点目岡崎が倒されてPKになった場面はとてもよい攻撃だった。この場面以外でも、水野が中に絞って幾度か好機を演出していたが、

 後半に入り、ベトナムが無理攻めに来た事と、柏木の運動量が落ちてしまった事(青山敏との前後関係と言うより左右関係になっていた)により、幾度か好機を許す事になった。しかし、西川、水本、青山直が個人能力で押さえ込んでしまう。あまり褒められた出来とは言えない後半だったが、3点差でリードしていて、日本に帰国して中3日でサウジ戦を控える事を考えると、選手達がやや省エネモードに入っても仕方がない事か。
 それでも、終盤に起用された梅崎が攻撃を活性化させ、セットプレイから1点を加えたのだから、上々と言えるだろう。最後の本田圭のPK失敗は感心しなかったが、遠藤への道はまだ遠いと言う事か。

 もちろん課題はまだ山積している。
 青山敏と柏木については上記した。内田と水野は共にプレイをするようになってもう4試合目だ(4DFで縦に並ぶようになったのは3試合目)。そろそろ双方で工夫をして縦の連携による突破を見せて欲しいところだ。本田圭も後方で伊野波が守備を固めてくれているのだから、左サイドに張り付く必要はないはず。五輪代表時代、左サイドに固定された中村俊輔は随分不満そうだったが、今の本田圭よりは格段に創造的なプレイを見せていた。自覚を待ちたい。大体、同じポジションに梅崎がいるのだから、もっと危機感を持ってもらわなければ困るのだが。
posted by 武藤文雄 at 23:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック