2007年11月23日

反町康治に改めて期待する

 サウジ戦の開始早々のピンチ。軽率なファウルで与えてしまった(このファウルそのものも残念だったが)ゴール正面やや遠方でのFKが起点だった。敵のシュートが壁に当たり、そのまま日本がよい体勢で逆襲速攻できそうな状態になった。ところが、右サイドハーフウェイライン直前で、水野が強引に敵DFに1対1を仕掛けて完敗、ボールを奪取される。そして、そこから右サイドを完全に崩され、強シュートを西川が止めきれず、「ありがとう青山敏弘」に至った次第。
 水野と言う選手は、このチームの切り札的存在。攻撃においては圧倒的存在感でこのチームを引っ張ってきた。これは前身のユース代表時代からなのだが。一方で過去の試合も幾度となく低い位置で軽率なプレイを見せてチームの危機を誘引した。そして、この場面、またも同じミスをしてしまったと言う事だ。

 そもそも、反町氏はベトナム戦でよく機能していた4DFを、この試合で3DFに変えたのは
サウジの2トップは強烈です。予選の試合は全部見ましたが、ほとんどこの2トップが得点をとっていました。つまり、それプラス7番と20番の選手をどう押さえるかが、このゲームの命題でした。この2トップに仕事をさせないことを考えないと厳しいと考えていました。手ごたえとしては、ダンマンでの試合でも同じことをやっていい対応ができていたので、それを続けることで、選手の不安を一蹴するということでした。
と試合終了直後のインタビューで語っている
 しかし(試合終了直後で混乱していたのかもしれないが)、この発言には相当な矛盾がある。両翼に張り出してきた7番のアルゴワイニムと20番のアルダウサリに対し、水野と本田圭が適切に対応できなかったのが、前半の最悪の展開の要因だった。さらに言えば、敵地(ダンマン)での試合は右アウトサイドMFは内田が起用され、水野はもう1枚前でプレイしていた。そもそも、このチームの課題は国立ベトナム戦まで3DFで戦い、右アウトサイドMFの水野が守備に引っ張られる事だった。それが、敵地サウジ戦で内田を右アウトサイドに起用した事で解決され(この試合に関しては水野の使い道が決まらなかったのは新たな課題だったのだが)、さらに4DFで縦に内田、水野を並べる事でより状態がよくなって、ここに至っていた。それなのに、この日のフォーメーションは何だったのだろうか。せっかく解決していた課題を、再度噴出させてしまい、あの悪夢のような前半を招いただけに思うのだが。
 もっとも、ハーフタイムを境にチームは劇的に改善された。好意的に見れば、反町氏の修正能力と言うのかしれない。しかし、現実的な評価は「不適切なスタメンと試合前の指示」と言うべきだろう。

 私は過去も五輪代表反町監督を再三再四批判してきた(リンクも貼るのも疲れるから、興味のある方は、左側の検索窓に「反町 五輪」とでも入力して過去のエントリをお読み下さい)。そして、歓喜を呼んだ予選最終戦における反町采配も、上記の理由で全く評価しない。

 けれども、私は北京五輪における反町監督に大きな期待をかけたいと思っている。
 何のかの言って、アルビレックスをJ1に昇格させた反町康治の手腕は絶品だと思っているのだ。日本人の指導者で反町康治に勝る実績を持つのは、岡田武史氏と小林伸二氏くらいだ。そして、反町康治はまだ若い。

 何ら評価に値しない反町康治の五輪代表経験。
 しかし、彼は「最低限」の結果を残した。考えて見れば、経験と言う観点から言えば最も貴重なのは「失敗経験」なのだ。そして、反町氏はこの五輪代表予選とその準備試合で、再三再四「失敗経験」を繰り返した。しかし、あれだけ「失敗経験」を重ねながら、とうとう反町康治は北京にたどり着いた。本当に本当に「最低限」の結果は残したのだ。
 もう1つ。これまでの反町康治にとっての、ほんの僅かな不運は、GK、DF、MFにはあふれ出る人材を抱えながら(もっとも、そのあふれ出る人材を有効に活用したとは言えなかったが)、FWだけはこの世代は(現状では)タレントに欠いていた事。平山はアレだし、カレン・ロバートはここのところ不振だったし、李忠成が今期安定したプレイを見せていたくらいだった。しかし、北京ではそのような世代的な凹みを気にする必要はない。高原でも前田遼一でも大久保でも達也でも、好きな選手を補強できる。
 加えて、中盤後方で拾いまくる選手が欲しいならば、啓太はもちろん明神でも今野でも補強できる(試合終了後の祝賀会で、だいぶ酔っ払って「オーバエージは明神、啓太、今野の3人で行こう!」と叫んで、皆にたしなめられました)。しかも、このチームは最終ラインに西川、水本、青山直が揃っているから、通常補強メンバとなるGKとCBの補強が不要なのだ。いや、中澤か闘莉王を補強して(2人共でもいいけど(笑))、超強力な3DFを組んでもいいし、南アフリカを見込んで水本を左DFにしてもよい。いや、中村だって、遠藤だって、憲剛だって、松井だって、駒野だって、加地だって。
 そう、反町康治はオールマイティのカードを握っているのだ。我々は史上最強の布陣で北京に臨めるのだ。

 だから、改めて俺は反町康治に期待したい。金色だよ、金色。
 金色のメダルを取ってくれ。
posted by 武藤文雄 at 23:36| Comment(27) | TrackBack(0) | 五輪 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
西野氏もいますが・・・。
Posted by shun at 2007年11月23日 23:57
金色ですか〜。むふふ(?)。
 
まあ決勝トーナメントは全て北京(3会場)で行なわれるようですので、一緒に行きましょう。
 
Posted by 若頭。 at 2007年11月24日 03:09
メダルとかねぇよ絶対
Posted by at 2007年11月24日 04:13
↑に同意、メダルはない!
オシムにU22を篩いにかけてほしかった…
Posted by at 2007年11月24日 04:33
普通に考えて1次リーグ敗退ではないでしょうか?
Posted by 三河賢人 at 2007年11月24日 08:22
相手も決まらぬうちに「金はない」という発想は、リアリストのように見えて、やはり成功への足かせとなります。武藤御大の期待、良いではないですか。可能性は0%ではありません。可能性を数%でも上向かせるのが反町監督のお仕事です。ただし同様に相手も決まらぬうちに「金はいただき」も困ったものですが…。それぞれの立場で国内リーグを盛り上げ、何より少年サッカーの健全な発展に寄与しましょう。なんだかんだ言っても、アジアのトップに君臨する日本サッカーの位置づけには、裾野の広がりこそが生命線なのですから。
Posted by at 2007年11月24日 09:59
現実的にはグループリーグ突破が目標では。
選手は揃っても、監督がいまのような迷いのある状態では・・・

>しかし、現実的な評価は「不適切なスタメンと試合前の指示」と言うべきだろう。

同感です。相手に対応することばかりで、自分達には何も形が無い。
いや、信念や哲学が何もチームから伝わってこない。
たとえ、負けても、仕方が無いなというチームにはなっていない。

>アルビレックスをJ1に昇格させた反町康治の手腕は絶品だと思っているのだ。

クラブ監督と代表監督は別物です。両方こなせる人もいるが、反町がそうであるためには監督経験が短すぎる。
あだ、彼は解説者のほうが向いてるのでは。

>「失敗経験」なのだ。そして、反町氏はこの五輪代表予選とその準備試合で、再三再四「失敗経験」を繰り返した

まるで監督の予備校のようです。

Posted by 徒然 at 2007年11月24日 11:01
「オリンピックサッカーはどの国も重視しない」という傾向がこれからも続くのであれば、メダルに手が届かなくはないと私も思います。
金...ねえ。
夢見ちゃいますね。
それから、アテネの時のような不愉快なジャッジが無ければ...それに選手が動揺しなければ。

OAは悔いが残っているであろうトゥーリオ、松井、啓太、大久保あたりのアテネ世代からのチョイスがいいと思います。
心の補強をするなら三浦アツ。
間違っても小野だけは連れて行かないことですね。
Posted by パヴァーヌ at 2007年11月24日 13:21
サウジとは完全五分五分、カタールとも引き分け(得失点でいえば負け)、ベトナムに上手いこと勝っただけに過ぎないということを自覚した方がいいよね。
(中東勢がベトナムをナメてただけかもしれませんが)

梅崎、水野、本田の中距離砲の精度を上げてほし〜ところですねっ。

OA枠は柿谷で(笑)


Posted by モウリーニョに打診中 at 2007年11月24日 19:44
“悲観論=批判的”という誤った思い込みが日本のサッカー文化だからな。

サポティスタOよ、読んでいるか?

豊かな国の戦い方で、選手たちの足を引っ張っているのは、こういうメンタリティなのだよ。

貴方も含めて…。
Posted by 五反田西口 at 2007年11月24日 19:46
いずれにせよ「世界との差を感じた」という言葉は聞きたくありません。
Posted by bluse at 2007年11月24日 21:44
 J2に落ちかけているクラブから無理矢理スタメン2人も強奪していかなきゃどうにもできない監督なんて期待できる訳が無い。

 しかも2度目の長期離脱までさせやがって。

 死んで詫びろよ反町。
Posted by 全広島ファン at 2007年11月24日 23:23
金メダル狙えばいいじゃん
メダルはないとか無理とかやる前から言ってるつまんねぇw
Posted by at 2007年11月25日 10:36
10年とちょっと前、フランスW杯予選で自力突破が消えたときに「もうW杯はムリ」とか「ダメに決まってる」とか言ってたヤツらが大嫌いでした。
それ以来、悲観的な決めつけも評論家ぶった口ぶりもただの「ええかっこしい」にしか思えません。



どさくさにまぎれてサポティスタ主宰者を非難してる「五反田西口」さんのコメントはちょっと違うと思うけど。
Posted by p at 2007年11月25日 18:32
http://www.tokyo-np.co.jp/article/sports/news/CK2007112602067444.html

いいじゃないッスか。W杯はフリーパスでいけるんスから。(まあただの恥知らずのカネづるとしての日本代表だけど・・・)

ところで武藤さん、これらのなんの価値もプライドもない低劣な茶番劇を評する当たって、いつまで「こんなマゾヒスティックな喜びが味わえるのだから、フットボールジャンキーは止められない」みたいなクサい強弁をし続けるのかな?
Posted by 真の名監督実質5枠 at 2007年11月26日 15:37

真打登場。マゾ費スティックなのはアナタ。
日本のサッカー文化の正当な継承者でもあるが。
(だからえらいってことはまったくない)
パラサイトしてないで、自分のブログ立てりゃいいのに。
RSSつけてやるからw
Posted by 五反田西口 at 2007年11月27日 00:53
アジア枠を突破することがそれほど困難で、それゆえに尊い価値があるのなら、当然アジア勢は決勝トーナメントにおいてもしかるべき戦跡を残せるはずだ。しかし現実は明らかに違う。
この確固たる事実を前にしながら、自分の都合や思い入れで無理やり曲解したり強弁したりするのは本当に見苦しい。

ちなみに何度も繰り返すが、ボクはカネで予選突破を買い取る日本代表は卑怯だ、などとナイーブな主張をしたいわけではない。カネだろうが政治力だろうが使えるものは何でも使うべきだ。何故なら決勝トーナメントにおける栄光とプライドはどんなカネや政治力と使ったって手に入らないからだ。

だからFIFAも日本に対して予選なんていう見え透いた手続きを課したりせず、日本はカネになるから、といって予選免除にすればいい。その代わり日本代表が決勝トーナメントベスト8以上の戦跡を残さなかったあかつきには日本サッカー協会の幹部と電通の関係者は全て永久追放のうえ、私有財産を残らず没収。このやり方で充分だ。これで日本代表は確実に進化する。
Posted by 真の名監督電通 at 2007年11月27日 08:02
「真の名監督」よ。
お前の主張はよく知ってるよ。
それが愚にもつかない内容であることも。
だけど、そんなことよりなにより、ともかくお前の書いたものは読みたくないんだよ。
少なくともこのblogでは。

このblogを見苦しいと思うんなら読みに来るなよ。
オレに言わせれば、見苦しいのは人の集まるblogに寄生してるだけのお前なんだよ。

二度と出てくるな。
Posted by at 2007年11月27日 13:17
5枠くん、君は5カ月前に「永遠にさようなら」したのではないの? 私のように性格の悪い人も世間には居るから、発言には気をつけるように。

http://hsyf610muto.seesaa.net/article/44759340.html#comment
Posted by 糸こんにゃく at 2007年11月27日 17:21
>二度と出てくるな氏

「よし!オレがみんなを代表して、この馬鹿にガツン!と言ってやる」みたいに、勝手に“我こそは善意の体現者だ”みたいなウスっぺらな使命感に燃えて、愚につかない感想文以下の罵声を浴びせる暇があったら、ボクとは全く別の視点、観点、発想、哲学で今の日本代表の存在意義やその意味が、如何に有意義で、気持ち良く、そして皆を勇気づけるものなのかを、具体的に提示してみればいいではないか。幼稚園児以下の罵詈雑言ばかり撒き散らさないで。

このテの、反論に当たってロクにロジックの組み立てもできない奴が最低なのは、そんな奴は自分を正当化するに当たって結局、数の力にすがるしか手段がなく、必然的に他人の顔色を伺うしかないからだ。そして他人の顔色ばかり見ている奴がやることと言ったら、強い者に媚びへつらい、弱い者イジメに逃げこみ、散々使い古された手垢まみれの正義・正論・倫理・奇麗事を振り回すのが関の山だ。自らの保身の為に。
逆にいうと、このテの奴が、何も“組み立てない”には明確な理由がある。だって“組み立てて”しまったら、他人の顔色を伺えないじゃないか。

ボクは自分の意見や発想が正しい、などと考えたことは一度もない。ただ全員がある対象に対して、同じように賛同し、同じように賞賛し、同じように容認し、異論・反論・異端は認めない、なんて気持ち悪くて恐ろしいだけだ。

ところで五反田西口さん、さっさとブログ立ち上げてください。
そちらに移動したくてウズウズしております。
Posted by 真の名監督電通 at 2007年11月27日 17:34
新潟を昇格させたと言っても外人3人だの身だったでしょ
代表監督とクラブ監督は全く別物だし、外人が強力な影響力を及ぼすJリーグにあればことさら
ロジックも何もないし、なりふり構わず守って外人3人よろしくってサッカーだったじゃんw
何言ってんのか
Posted by ロテン at 2007年11月27日 17:50
Posted by 真の名監督A社 at 2007年11月27日 18:17
>よし!オレがみんなを代表して
オレは知らない他人の代表なんかする気はない。
オ レ が お 前 を 嫌 い な の 。
そう書いてあるだろ。

> 移動したくてウズウズ
そうやって他人に寄生しようとするそういうところも不愉快なんだよ。

>幼稚園児以下の罵詈雑言
ああ、それで結構。

そういうバカと他人のblogで議論する気などさらさらありません。念のため。

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4334034268/
これでも読んでから出直してきてください。
Posted by 二度と出てくるな氏と呼ばれた者 at 2007年11月27日 21:10
惜しいよな。
15年早けりゃ、カリスマライターになれたのに。

まー、陰謀論吹聴する奴ぁ、キ●ガ●だがね。
Posted by 五反田西口 at 2007年11月28日 01:23
ひとのブログで「反論してみろよオラ」とタンカをきるバカは始末におえないね
アンタと同じ考えの人はいるかもしんないけどこれほど他人に寄生しまくってんのはアンタだけだよたぶん
「異論・反論・異端さんいらっしゃいブログ」とか立ち上げたらいいんじゃねーの5枠は
Posted by at 2007年11月28日 14:45
98年フランス予選。日本サッカー界には「今回を逃したら、日本サッカー界はもうおしまい」の空気があった。
ボクの願いは単純だ。「今度のアフリカで決勝トーナメントベスト8を逃したら日本サッカー界はもうおしまい」の空気が漂って欲しい、ってことだ。
しかしそんな空気は微塵もない。厳密に言うならそんな空気が漂わないように、体制側はうまくコントロールしている、ってことか。
「W杯はアジア予選突破だけで御の字、世界の壁は途方もなく高く、厚い」と巧みに“世論のDNA”に情報を刷り込み、余計な負担や摩擦や重圧が生じないようにして、自分達が向かうべきハードルの高さを思い切り下げ、そのぬるま湯に安穏とアグラを掻いている。

確かにカネもうけと時間稼ぎだけを考えるならサッカー協会は現状がベストだろう。FIFA、電通と結託しての出来レースを作り上げ、あらゆる摩擦、闘争、負担、しがらみから逃げ、なんの価値もないものを「予選突破だけでも凄いことなんですよ、あのオランダやギリシャだってダメなんですから」と強弁し、自分達の価値・功績を好き勝手に針小棒大に吹聴しては無辜の民からふんぞり返ってカネを巻き上げる。

どうせ次のアフリカだって、予選リーグで消えた後に責任取る奴なんか、一人として居ないだろうし、それ以前に責任論自体をこの世から抹殺するだろう、サッカー協会の幹部連中は。
Posted by 真の名監督電通 at 2007年11月28日 16:43

こいつに何がしかの存在意義があるとしたら、日本のサッカーファンのメンタリティの或る部分を極端な形で表現しているということかな。

みなさん気をつけましょうね。
Posted by 五反田西口 at 2007年11月29日 01:15
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