あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
天皇杯決勝は、10分にアントラーズが先制したところで勝敗の趨勢が決まってしまった感があった。
1−0になった直後、駒野が2度ほど右サイドを突破した場面を除いては、サンフレッチェは好機すら掴む事ができなかった。予想通り、柏木不在のサンフレッチェ攻撃ラインは、小笠原が指揮するサンフレッチェの分厚い中盤を抜け出せなかったのだ。駒野にしても、新井場と本山が厳重にカバー体制を築いてからは、どうにも突破できなくなった。寿人は動き出しの速さから低いボールに対し、巧みなポストプレイを見せるが、拾った平繁と高萩では、技巧も経験も足りなかった。
と言う事で1点目。
新井場?が左サイドから右サイドに大きく展開。右サイド大外に小笠原が開いて、内側の内田に正確に落とす。内田はマルキーニョス?を使って、ワンツーで突破。直前の大きな揺さぶりで、サンフレッチェの守備者2人が寄ってしまい(服部と盛田?)、このワンツーで2人まとめて置いていかれる。抜け出した内田は角度のない所から強烈に決めた。
攻撃参加が得意なサイドバックが、外に開いたMFを使い(あるいは使われ)、内側を突破するのは、1つのはやり方。まあ小笠原がさすがと言う事か。
何より嬉しかったのは、新進気鋭のサイドバックが、抜け出したところで角度のない所から強烈にシュートを決めた事。とかくシュートに対し消極的と言われる日本サッカー界、新年早々のこの一撃が大きな変化につながるのではないかと期待したくなるではないか。
と、考えながら試合は終盤を迎えた。
必死に攻撃を仕掛けるサンフレッチェ。ロスタイムもほとんどなくなったところで、森崎浩(の方だと思ったのだが)がキープしようとした所を、(時間稼ぎのために)直前に起用された柳沢が巣晴らしいチェイシング。本山がいかにも彼らしいドリブルから、再び柳沢に。柳沢は中央に向かい、シュート!と思わせておいて、逆サイドに。ダニーロがズド〜〜〜ン。
内田の積極的なシュートで始まったこの試合は、柳沢のいかにも彼らしいシュート拒絶アシストで終わった。
2008年が内田の積極性に代表される年になる事を祈念してやまない。
2008年01月01日
この記事へのトラックバック
[Football] 鹿島、見事な試合運びで天皇杯を制す
Excerpt: 鹿島 2-0 広島 得点・内田、ダニーロ 試合終了寸前までタイトルは「1−0勝利の美学」にしようと想っていました。 最後の最後、広島は前掛かりだし、確かに失点は致し方ないと想いますが、それ以上に最後..
Weblog: タイで想う日々の日記
Tracked: 2008-01-04 21:55
もちろん積極性もあるのですが、それだけでなくてあそこに決められる自信もあったのでしょう。
田代が囲まれていることを確認した上で、狙って打ってるわけです。試合後、「あのようなシュートを高校のときに良く練習していた」のだとも話していました。
ダニーロのゴールもそうです。彼のシュートの上手さ、技量の確かさを証明しました。
あの場面。柳沢の消極性がでたシーンだとする意見を各所で見ます。シュートチャンスが無かったわけではないとは思います。しかし、二人に囲まれていた。シュートを打つにはそこからシュートコースをつくる作業が必要だった。
決勝戦、1-0でロスタイム。
奪われてカウンターを受けるのか?
逆サイドでフリーになっているダニーロに渡し(駆け上がってきた彼も凄い)シュートを打たせるのか?
時間をかけながら、リスクを回避し、なおかつシュートで終わる。おまけに、今期不振で苦しんだダニーロの初ゴールまで生み出した。
キャプテン柳沢の真骨頂ですよ。
同じように終盤に投入されて無理矢理ゴールを狙いにいき、試合を決めたことも今季のリーグ戦でありました。今の柳沢にはそれらを使い分けることが出来る。
すべてを消極性で片付けるのはどうなのでしょうか?
前半、無理なシュートで野沢やマルキーニョスがチャンスを不意にしました。彼らの技量ならば後一回繋げば決定的チャンスを作れるのに。
アジアカップ、無謀なシュートを放ち、オシムに怒鳴られる中村憲剛を思い出します。
サウジ戦だったか、オーストラリア戦でしたでしょうか?試合終盤、スローイン、選手は焦っている、前にボールを送りたい、しかし、受けられるフリーな人はいない。焦れる、時間がかかる、その後で必死に、前方ではなく、後方のフリーな選手に渡せと手を振りかざし叫ぶオシムの姿は印象的でした。
早く前にボールを進めたいからスローインを敵陣付近に投げたい。そうじゃないだろうと、それよりも早くスタートして、フリーの選手に渡し(たとえそれが後方の選手だとしても)、繋ぎながらスペースのある逆サイドに展開すればいいだろうと。
積極性!んなこたぁ誰だってわかってる!
大事なことはその上で何を選択するのか?ではないでしょうか。
>ロスタイムもほとんどなくなったところで、森崎浩(の方だと思ったのだが)がキープしようとした所を、(時間稼ぎのために)直前に起用された柳沢が巣晴らしいチェイシング。
疲れていたのでしょうが、あそこで簡単に取られて、取り返しに行こうとしないのでは、J2で戦うのは難しくなりそうですね、森崎選手。
あと、柳沢選手のプレイ。馬鹿にしようかとも思いましたが、許します。だってウチに来てくれるんでしょ?パウリーニョに点とらせて、得点力アップに貢献して下さい。
柳沢のあの場面。岡田発言から10年以上経ちましたが、ああいうケースでチャレンジすることによる成功体験、失敗体験を10年分も蓄積すれば、柳沢は釜本やカズをも超える存在に成り得たんじゃないかと思えてなりません。
移籍先が京都にしろ東京Vにしろ、良くて優勝悪くて中位の鹿島と違い、生きるか死ぬかの戦いの中でより多くの得点を要求されるでしょう。柳沢のプレイスタイルを考えるとちょっと心配です。
まあ良くも悪くも柳沢は見ていて飽きない選手なので、武藤さん流に言えば「謝罪する機会」が一年後に訪れることを期待しています。
確実に行くところでない場面で、確実にいく選択はどうなのだろう。
関係ないかもしれませんが、横にドフリーの選手がいるにもかかわらず、パスせずにシュートして決められたら、GKのショックは計り知れないでしょう。そういった心理勝負の駆け引きは日本にはないですね。
柳沢なのであれこれ言われてますが、ベテラン選手としてそういう判断が求められている場面で仕事をしただけだと思います。
ただ、柳沢はオリヴェイラにそういう使われ方しかされなくなってしまったんですよね……柳沢自身に原因があるとは思いますが。