レッズが精力的な補強を行っている。
高原、アレックスと欧州でプレイしていた日本人選手を獲得(アレックスはレンタルからの復帰だが)、国内のブラジル人FWとして最高レベルの実績を挙げているエジミウソン、さらに若手選手としては国内最高の素材の1人梅崎の加入も決定済み。離脱する中心選手は今のところワシントンが確定、長谷部が微妙くらいの模様。ネネもチームをさる模様だがこの選手は「貴重な控え選手」と言う位置づけだったし、細貝の成長でここは十分カバーできそう。小野は負傷で移籍し損ねたがゆえの残留が有力なようだが、諸問題を抱える小野だっていないよりはいた方が格段にチームのためになる。しいてマイナス要因を挙げるとしたら、「突出した個性を持った控え選手」である内舘と岡野が年齢的に厳しくなってくるくらいか。いずれにせよ、ただでさえ国内屈指の戦闘能力が一層高まったように見える。
しかし、そう事は単純ではないように思うのだ。
間違いなく選手層は厚くなった。負傷や出場停止などで、中心選手が離脱した場合のやり繰りは間違いなく楽になるだろう。また、優秀なタレントが増えた事で戦術的な多様性も増える事も確かだろう。これらのプラスは否定しない(「それをオジェク氏は使いこなせないのではないか」と言うイヤミは置いておく)。
しかし、単純にスタメンを考えてみた場合どうだろう。たとえば、昨期のレッズのFWは、ワシントン、ポンテ、達也、永井の4人にいずれかがスタメンを張る事が多かった。今シーズンは、高原、エジミウソン、達也、永井のうち2人がスタメンとなるのだろうが、どの組み合わせにしても必ずしも昨期より上回るとは言えないではないか(もちろん、高原が毎試合2点くらい取るとか、まだ若い達也が格段に飛躍をするとか、いやエスクデロが突然大化けをするとかで、昨期よりも格段に強力な2トップになる可能性もあるかもしれないが)。また、トップ下の大黒柱ポンテが負傷で長期離脱中、このポジションには梅崎か小野か山田が入るか、あるいは3トップを組むなどの選択肢があるが、これまた必ずしも昨期を上回るとは言えない(アレックスの復帰は山田を多様に使えるメリットになるのは間違いない、ただ山田もそろそろ年齢的な問題が出始めるのだが)。長谷部の離脱は阿部が中盤に上がってカバーするのだろうが、ここだけは戦力アップと言う気もするが、その分最終ラインがやや弱くなるようにも思える。
つまり、レッズのように既に各ポジションにアジアトップレベルの選手がズラリと揃っているチームは、よほど凄い選手を連れてこないと、単純には戦力アップはできないのだ。
以前、岡田氏がマリノスを2連覇させた直後に、「これ以上レベルを上げるためには『本当にスーパーな選手』を連れてこなければ」と語っていた事があった(実際、当時のマリノスはカフー獲得を真剣に狙っていた)が、レッズも同様な状況に陥っている。レッズが明らかに戦闘能力を向上させるためには、欧州のトップクラブのレギュラを張れる人材を獲得しなければならないのだ。
レッズのライバルであるガンバが、水本を獲得しようとしていると言う報道が出ているが、これは間違いなく単純に戦闘能力がプラスになる補強だ。放出が決まっているシジクレイに代わる事になろうが、経験豊富で高さが魅力のシジクレイだったが、ここ1、2年めっきりスピードが衰え、中盤で巧く攻撃が止められなかった状況では、ガンバの数少ない弱点になっていた。ここに既にCBとしては中澤、闘莉王に次ぐ存在で伸び盛りの水本が入れば、ガンバの戦闘能力は格段に向上するはずだ。弱いところがあるチームは、そこに伸びる余地があるのだ。
上記したように、選手層が厚くなった事、戦術的多様性が増えた事を含め、今期のJリーグもアジアチャンピオンズリーグも、レッズを中心に展開される事は間違いないだろう。そして、レッズがアジアで2連覇する可能性は、決して低くはないだろう。しかし、強くなったチームと言うのは、それはそれで難しい問題が出てくるのだなと思っている次第。
2008年01月12日
この記事へのトラックバック
獲ろうとしたのは、2連覇(03/04)が
始まる前の年、つまり02オフから03に
かけてですね。
04/05に獲得の噂が流れたのは、
サビオラか、ジダンだったはず。。。
ま、いずれにせよ、
補強が失敗し、そして、「強さの維持」が
できずに9位に沈んだわけですが。。。
レッズは動員も多いし安定してますしね。
マリノスに関しては、一時期は好景気っぽかった
のに最近ではジリ貧な印象も…(^^;
やはり先立つものは…という事でしょうね。