「え!」
驚いた。何とそのビラは、ペルー料理店「ティアスサナ」の宣伝だったのだ。あの幻の店ではないか。そう、あのタスキはペルー代表のそれなのだ。
「ティアスサナ」と言う名前は、私にとっては甘美な記憶の中の存在。20年ほど前、東銀座の日産ビルの地下にその店はあった。店に入ると、そこはペルーを中心にした南米サッカーの情報に満ち溢れていた。壁中に貼られている幾多の南米サッカーの情報。もちろん、壁に貼られている情報比率が最大なのは、クビジャスだったが。
まだ仙台在住だった学生時代。所要で東京に出た私は、夕刻余った時間と僅かながらの千円札を持って東銀座に向かった。地下のその店に入ると、やさしそうなおばさんと店員さん達が迎えてくれた。そして、壁中に貼り付けられたサッカーの情報(当時は写真を見る事すら貴重だったのだ!)。それだけで興奮している私におばさんは語りかけてくれた。そのおばさんが「スサナおばさん」だったのだ。
「ビデオはいくらでもあります。この店が初めてならば、ゴール集がお勧めですね。『ペレのゴール集』など、どうですか。」
当時から私はヒネていた。一瞬考えてから
「リベリーノ、リベリーノを見たいんです。」
そう、リベリーノ。当時見た事のある映像は70年、74年、78年のワールドカップ、それにもう1つ、78年大会直前の強化試合西ドイツ戦くらい。70年の高速ドリブルと強シュート、74年の壁抜けフリーキック(何のかの言って世界サッカー史上「最高の直接FK」だろう)、件の78年大会直前の西ドイツを完全に叩きのめす美しいゲームメーク、78年3位決定戦イタリアの名手ゾフを破るディルセウの決勝点を演出する大仕事。これくらいだったのだ。だから、もっとリベリーノを見たかった。
ちゃんと「リベリーノゴール集」があるのですよ。そして、映し出された映像。俺は感動したよ。喩えて見ようか。30分間で、リバウドとハジと岩本テルと中村俊輔の名場面を見せられたら、あなたも感動するだろう。
以降、結構な回数通わせてもらった。いくつか見た映像の感動もまた忘れ難いが、それはそれで別な機会に。
残念ながら、しばらくしてティアスサナは閉店してしまった。
で、冒頭に戻る。
慌てて、携帯から連絡し、試合後の席の予約を行なった。古くからの友人と一緒に観戦し、試合後ゆっくりやる予定だったから、ちょうどよかった。
そこには、懐かしいティアスサナがあった。大量のクビジャスの写真はもちろん、トヨタカップやジャパンカップ(現キリンカップ)で来日した名手たちのサイン。過去の経緯はよくわからないが、「サッカーコンテンツ」は20年前のものを保持しながら、約1年前に信濃町そばで、新たな「ティアスタナ」を開店したのだそうだ。
そして、おじさん(スサナおばさんのご子息との由)が、渡してくれたワインリストならぬVTRリスト、かつてのリベリーノを含めた夢のようなリストが...
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確か、「パサレジャ“前”主将のゴールで引き分けに持ち込んで、どうにかメキシコ行きを決めた」のだったですよね?
優勝を飾った本大会も含めて、「最も苦戦した試合だった」のではないでしょうか……ね。
23年前のその一戦の映像が、今も残っているようなら、ぜひ観せていただきたいものです。
こちらはといいますと、ピッチが雪に覆われております(~_~;)
かなりノイズが入っていますが、これは私が日本の演歌をペルーの友人に送ったテープの中から、見飽きたテープにダビングして送り返してきていますので、私が見過ぎて壊した訳では有りません。
ペルーでは今でも「あと5分頑張っていれば、ワールドカップチャンピオンはペルーだった」と残念がっています。
ところで、今日の用事は宣伝です。
2月11日(建国の日)は、信濃町のティアスサナの開店1周年記念日です。
PM3時から9時過ぎまで会費3000円で軽食とツマミと飲み物が出ます。
フォルクローレの生演奏があったり、お客様の飛び入りで筑前琵琶の演奏があるかもしれません。
ペルー好き、フォルクローレ好き、サッカー好きが集まるにぎやかな1日になると思います。
ティアスサナFCは、一試合こなした後、6時過ぎに雪崩れ込んで来るでしょう。
当日はスサナおばさんも久し振りに顔を出す予定です。
来店される方は、人数と来店時間をご一報下さい。
宜しくお願いします。