最初に私の考えを述べておく。私はこの案には感情的には99%反対である。そして、理性的には90%反対だが、10%程度迷いがある。以下理由を述べる。
私の感覚が古いのかもしれないが、サッカーの基本は国内リーグの充実につきると思っている。原則ほぼ隔週で自分のクラブのホームゲームとアウェイゲームが交互に訪れるリーグ戦が、機能する事がその国のサッカーの健全な発展を支えるのだ。
プレミアが、イングランド国内にとどまらず世界中を市場にして稼ごうとするのは、ビジネス的には不思議な事ではない。これまで、世界中に映像やロゴマークを販売する事で、ある程度その成果は出ていたのだろう。現実的に、英国のかつての植民地だった一部のアジアの国で、国内リーグが盛り上がらない理由の1つに、プレミアの人気が高過ぎるからと言う現象が起こっているとも言うし。つまり、映像を流布し、Tシャツを売るだけで、一部の国の国内リーグの活性化の阻害となっているのだ。そして、プレミアの今回の計画通りに、他国で試合などした日には、どんな混乱が起こるか。
FIFAは「各国のサッカー界を健全に発達させる」と言う名目で各国のサッカー界を一元的にコントロールしてきた。サッカー協会を1国1つに制限しているのが、最も顕著な例である。同時今回のプレミア案のように、他国の「興行権」を守る事に神経を注いできた。(最近のFIFAがどの程度「大所高所」に立っているかどうかはさておき)少なくとも前のFIFA会長の時代までは、全ての国が独立して充実した国内リーグ戦を持つ事が世界のサッカーの発展につながると言うコンセプトで、世界のサッカー界が運営されていた(もちろん、スタンレー・ラウス氏時代までは純粋に「発展」が重視され、アベランジェ氏になってからは「経済利益のための発展」に置き換えられた印象もあるが、まあそれはさておき)。
私は、このFIFAの発想は基本的には正しいと思っている。これが感情的に99%反対する理由だ。
もっとも、日本においてプレミア進出はそれほど深刻な事態にならないような気もする。現実的に日本でプレミアの試合が行われたとしても、Jリーグへの営業妨害につながる可能性は非常に少ないように思えるからだ。Jリーグのサポータと、日本でプレミアが開催された事を喜ぶセグメントは、ほとんど重なりがないのではないか。それと別に、自分自身も、日本代表とベガルタとその他のJリーグと少年団の行事と本業に重ならなければ、直接見に行ってみたい気持ちもあるしな。だから、感情的には1%は否定できないでいる。
本件については、早々に日本協会も反対の意思表示をしたらしい(この意思表示についても、日本語の記事を見つける事ができていないのだが)。妥当な反論だと思う。
一方で、プレミアの具体案には相当無理がある。さすがにホーム&アウェイの原則は崩せないので、通常の総当たりリーグ戦の他に全チーム1試合ずつ増やし、その試合を世界中で行おうと言う魂胆らしい。これでは、さすがに不公平だろう。総当たり2回戦の他に、抽選でもう1試合行う試合を決め、その試合を世界中の津々浦々で行う企画が正常とはとても思えない。と言って、海外開催でカネを稼ぎたい気持ちは山々でも、ホームゲームを減らしたら、本国で暴動が起こるだろうし。
さらに実行面でも疑問は多い。上記したURLのIndependent誌によると、開催時期候補は1月、候補都市はシカゴ、ニューヨーク、ヨハネスブルグ、北京、そして東京などが挙げられている。この季節は、イングランドの各都市も寒いだろうけど、(ヨハネスブルグ以外の)これらの都市も相当寒いよ。いくら、金儲けのためとは言え、本国で試合をすれば楽なのに、わざわざ遠路はるばる旅をして公式試合をするのでしょうか。タイ代表のチャンウィット監督が聞いたら、呆れ果てる事だろう。
そう考えると、これらの計画は実現性にも問題がある。このような無理を強行してロクな事はないのだ。だから、理性的にも90%はこの計画に対し反対。そして、実現も相当難しいだろうなと思う。
ただし、理性的に考えると、10%程度考えてしまう事があるのだ。
FIFAの各国保護行政は、本当に将来の世界サッカーの発展にとって正しいのだろうかと。
少なくとも、通常の産業においては、何がしかの国家保護政策が行われる事は、長期的に見てロクな事はない。あまりあけすけに書く事ははばかられるが、現在の日本で青息吐息の企業の多くは、国が(短期的な視野や圧力団体におもねる事で)余計な保護(や干渉)を行い、結果的に競争力を失った場合が多い。そう考えると、迷ってしまうのだ。一切の保護が無い状態での競争こそ健全ではないかと。
言い方を変えようか。たぶん、私が生きているうちは無理だと思うが、時間は多くの物事を変えるはずだ。22世紀も間近になった頃には、日本はブラジルやアルゼンチンと同格の世界屈指のサッカー強国になっているかもしれない。その時、世界最強クラブの1つのベガルタ仙台の公式試合を、ロンドンやマンチェスターやリバプールのサッカー好きが見たいと思うかもしれないではないか。










昨夜TBS情熱大陸でラス・パルマス福田健二選手を取り上げていました。内容は以前のナンバー誌あたりのパクリでしたが、見ている僕に伝わって来たのは、彼がその選手生活で大変大きなことを学んでいるという事でした。
そして彼にブーイングを浴びせるサポーターにほんの少しの知恵があれば、彼らサポーターも「いち外国人選手」から沢山の事を得る事が出来るはずなんです。福田がサッカーから得たものの、ほんの数百分の一ですが。
リーグや協会を運営している人たちは、さてサッカーから何を学ぶのでしょうか?
「青年よ書を捨てよ、街へ出よう。」もしくは「事件は会議室で起こってるんじゃない、現場で起こってるんだ。」ってことですね(笑)
> その時、世界最強クラブの1つのベガルタ仙台の公式試合を、ロンドンやマンチェスターやリバプールのサッカー好きが見たいと思うかもしれないではないか。
そうなったらいいですね。
でもその時「好きな選手が酷使され」「地元での日程が犠牲になり」「チームの状態も悪くなる一方で」みたいなことになったら、ホームのサポは同じ気持ちのままで、いられるでしょうか?「早くこっちに戻ってくれ!金儲けはいいから」なんて思うのでは?
保護とか規制が成長をスポイルするのは、どこでも同じでしょう。でも何かの勘違いから大事なことを失うのは嫌です。
「感情的には99%反対」と書かれておられるので、わかってらっしゃるのでしょうが。
ここの箇所は釣りですよね?
興行的にはそこそこ成功したみたいなんですね。ピッチコンディションが
悪すぎて、試合内容はアレでしたけど。プレミアシップとしては
本拠地に殴り込みをかけられたわけで、逆襲する必要が
出てきたのでしょう。スポーツビジネス市場の拡大基調は
いい加減終わるでしょうし、その後はNBAやMLBとの
パイの奪い合いが始まります。そろそろ準備を始めるかって
感じじゃないですかね。
スタジアムが空のまま町中にぼうっとつっ立ってるあの寂しげな雰囲気を、
そんな事情で作り出すっていうのは容易に許す気になれないですね。
これはもう、皮膚感覚で許容出来ない。
そんなにベガルタの試合を見たいイギリス人がいるのならば。
「仙スタに来いや!」の一言で終わるはずだと思うんですか。
まあこれは、ホーム主催ゲームが「これっぽっちしかない」てな感覚に襲われた体験があるかないかで、
感じ方が違うという事なんでしょうが。